26 / 90
異世界を楽しむ
024話 10歳
しおりを挟む
気づけば僕も10歳になりました。タイムリミットまであと2年…… まあ、僕が勝手にそう考えているんだけど……
一応は12歳になると簡単な手仕事程度にはつけるようになるから、恐らくはその時に父かもしくは長兄によってログセルガー公爵家から放り出される可能性を考えてるんだ。
そうなった時に、もしも僕に付いてきてくれる人が居るのなら、その人たちの生活を守れるように自分自身に力をつける必要があると今日まで頑張ってきたんだけど。
第三王女様が何故か庶民用と言われるツージ調理専門学校に入学してきてから僕の周りが慌ただしくなってきたんだよ……。
王女殿下は8歳。何故この学校にやって来たのかと不思議に思っていたら、どうやらクレアちゃんが原因だったようだ。
クレアちゃんは辺境伯家令嬢でもあるから、王都にいる間は偶に王宮に行って幼い王女殿下のお相手をしたりするらしいんだ。フェルちゃんは、侯爵家だから同じように要請が来てる筈だけどどうもテルマイヤー侯爵家が断っているらしい。
そんな教養も無いので、王女殿下のお相手として相応しく無いって言ってるそうだよ。(クレアちゃん情報)
それでもフェルちゃんは王族の人たちと関わり合いになるのは嫌ですわと言ってこれ幸いと思ってるそうだけどね。
で、第三王女はクレアちゃんと話をする度に学校が楽しいと聞かされて、庶民用と貴族たちに認識されている僕たちの学校に行きたいと国王陛下と王妃様にお強請りして、未子に甘いご両親は了承してしまったんだ……
それも沢山の護衛付で……
コレには王女殿下の同級生は勿論、他の学年もドン引きで所謂お友達が出来ない状況に王女殿下が泣きに泣いて、そして僕たちに白羽の矢が立ってしまったんだよ。
一応は公爵令息である僕と、その婚約者で侯爵令嬢であるフェルちゃん、そして辺境伯令嬢であるクレアちゃん、更には男爵令息のカルイくん、何故か庶民のライくんが、殿下が学校にいる間は護衛代わりになるという事に……
僕たちの平和は無くなってしまった……
何故僕たちにそんな役目をと思ったら、沢山居た護衛の中に僕の技能である見極眼と同じような魔法を開発した魔導師がいたようで、その人が僕たち5人を視て、大丈夫だと太鼓判を押したらしい……
余計な事を……
ちなみに10歳になった僕はこんな感じに成長したんだ。
名前:トーヤ・ログセルガー(公爵家五男)
年齢:十歳
種族:人種
位階:21
性別:男
性格:ムッツリ・アレ星人
称号:転生者・フェルの婚約者
体力:168
気力:239
技力:192
魔力:687
魂力:955
技能:魔力操縦・全属性魔法(MAX)・身体強化(絶大)・気配察知(範囲絶大、超緻密)・刀技(15)・見極眼(MAX)・隠密行動(12)・料理(15)・小太刀(17)
加護:アメノウズメの加護
【道具箱】【知識箱】
(ツクヨミの加護)
(【月光】)
どう、かなり成長したでしょ? 視た魔導師さんも驚いてたって王女殿下が言ってたからそれなりに強くはなってると思うんだ。僕としては料理が15でクレマイン先生と並んだのが一番うれしい事だったけどね。
で、護衛をしてる僕たちの勉強は? とみんなが思うかも知れないけど僕たちが護衛をするのは課外授業の時と、先生が必要だと判断した時だけだから、常に殿下に引っ付いている必要はないんだ。
今でも専属の護衛が常に2人は陰ながら付いてるしね。それでやっと王女殿下にも同級生の中にお友達ができて楽しく学校生活を送っているんだけど、問題は初めての課外授業で僕たちがやらかしてしまった事だったんだ。
僕たち5人はもちろん、王女殿下の班に付いていく事になって引率はクレマイン先生だった。そして先生が上級生にお手本を見せて貰おうと言い出して、下級生にいい所を見せようと張り切った僕たち5人は見事な連携でシカを3頭狩って、解体、料理して振る舞ってしまったんだよ。
王女殿下と同じ班だったのは、伯爵令嬢(4女)が1人と子爵令息(5男)が1人、ライくんの妹、パン屋の娘(長女)の4人で、沢山の護衛が居なくなってから王女殿下と仲良くなったらしい。
そしてその5人が、
「まあまあ、トーヤ兄様はお強いだけじゃなくて、お料理までこんなに美味しいものをお作りになるのね!! わたくしもお料理をしてみたいですわ! 教えていただけますか?」と、王女殿下。
「トーヤ様、あの、フェル様がとても羨ましいです…… 私もいつかトーヤ様のような素敵な方に出会いたい……」とポッと顔を赤らめながら伯爵令嬢のセーラちゃん。
「トーヤ様、いやトーヤの兄貴! 僕を弟子にしてください!」と、子爵令息のウォールくん。
「あの、フェル様、コチラのシカを解体された際のナイフをよかったら見せて貰えませんか?」と、ライくんの妹のメリーちゃん。
「カルイ様、ライ様、コチラのシカ肉のタレは? もしも良かったら教えていただけないでしょうか? 家のパンに挟んで食べると相性抜群なので」と、パン屋の長女のセレースちゃん。
僕たちも下級生たちに褒められてちょっと良い気になっちゃって、その時は何も考えずにハイハイって返事をしてたんだ。僕は頷いてたりしてただけだよ、もちろん。
そしたら翌日は学校が休みなのに朝から使者さんが家に来て王宮への呼び出しがあったんだ。
ライくん兄妹にセレースちゃんを僕の馬車に一緒に乗せてあげてって使者さんに頼まれたから、迎えに行ってライくんのご両親に驚かれたんだよ。それに何故かトウシローとリラも一緒に来て欲しいって言われたから2人にもついてきて貰ったんだ。
王宮に着くとクレアちゃん、カルイくん、セーラちゃん、ウォールくんも呼ばれたようで馬車停留所で合流したんだ。そこに、トウシローの知合いらしい騎士がやって来てトウシローにこう言ったんだよ。
「ご無沙汰しております、ガイム指南役。今日は国王陛下に王妃殿下、それに第二王子殿下と第三王女殿下がどうしてもご学友を王宮に招いてもてなしたいと言われまして、お休みのところ申し訳ありません」
「いや、久しぶりだ、ローム近衛騎士副団長。いや、今は団長だったな。そうかそれが呼び出しの理由か。だが何故俺やリラまで?」
「お二人をお呼びしたのは第二王子殿下でしてな。私も理由はお聞きしておりません。そうそうサカキ侯爵家のシン殿も先に来て待っておられますぞ」
僕はその時にイヤな予感がしていたんだ。それはフェルちゃんも感じていたみたい。
でもこの機会を何とか上手く利用出来ればとも思っていたんだけどね。
一応は12歳になると簡単な手仕事程度にはつけるようになるから、恐らくはその時に父かもしくは長兄によってログセルガー公爵家から放り出される可能性を考えてるんだ。
そうなった時に、もしも僕に付いてきてくれる人が居るのなら、その人たちの生活を守れるように自分自身に力をつける必要があると今日まで頑張ってきたんだけど。
第三王女様が何故か庶民用と言われるツージ調理専門学校に入学してきてから僕の周りが慌ただしくなってきたんだよ……。
王女殿下は8歳。何故この学校にやって来たのかと不思議に思っていたら、どうやらクレアちゃんが原因だったようだ。
クレアちゃんは辺境伯家令嬢でもあるから、王都にいる間は偶に王宮に行って幼い王女殿下のお相手をしたりするらしいんだ。フェルちゃんは、侯爵家だから同じように要請が来てる筈だけどどうもテルマイヤー侯爵家が断っているらしい。
そんな教養も無いので、王女殿下のお相手として相応しく無いって言ってるそうだよ。(クレアちゃん情報)
それでもフェルちゃんは王族の人たちと関わり合いになるのは嫌ですわと言ってこれ幸いと思ってるそうだけどね。
で、第三王女はクレアちゃんと話をする度に学校が楽しいと聞かされて、庶民用と貴族たちに認識されている僕たちの学校に行きたいと国王陛下と王妃様にお強請りして、未子に甘いご両親は了承してしまったんだ……
それも沢山の護衛付で……
コレには王女殿下の同級生は勿論、他の学年もドン引きで所謂お友達が出来ない状況に王女殿下が泣きに泣いて、そして僕たちに白羽の矢が立ってしまったんだよ。
一応は公爵令息である僕と、その婚約者で侯爵令嬢であるフェルちゃん、そして辺境伯令嬢であるクレアちゃん、更には男爵令息のカルイくん、何故か庶民のライくんが、殿下が学校にいる間は護衛代わりになるという事に……
僕たちの平和は無くなってしまった……
何故僕たちにそんな役目をと思ったら、沢山居た護衛の中に僕の技能である見極眼と同じような魔法を開発した魔導師がいたようで、その人が僕たち5人を視て、大丈夫だと太鼓判を押したらしい……
余計な事を……
ちなみに10歳になった僕はこんな感じに成長したんだ。
名前:トーヤ・ログセルガー(公爵家五男)
年齢:十歳
種族:人種
位階:21
性別:男
性格:ムッツリ・アレ星人
称号:転生者・フェルの婚約者
体力:168
気力:239
技力:192
魔力:687
魂力:955
技能:魔力操縦・全属性魔法(MAX)・身体強化(絶大)・気配察知(範囲絶大、超緻密)・刀技(15)・見極眼(MAX)・隠密行動(12)・料理(15)・小太刀(17)
加護:アメノウズメの加護
【道具箱】【知識箱】
(ツクヨミの加護)
(【月光】)
どう、かなり成長したでしょ? 視た魔導師さんも驚いてたって王女殿下が言ってたからそれなりに強くはなってると思うんだ。僕としては料理が15でクレマイン先生と並んだのが一番うれしい事だったけどね。
で、護衛をしてる僕たちの勉強は? とみんなが思うかも知れないけど僕たちが護衛をするのは課外授業の時と、先生が必要だと判断した時だけだから、常に殿下に引っ付いている必要はないんだ。
今でも専属の護衛が常に2人は陰ながら付いてるしね。それでやっと王女殿下にも同級生の中にお友達ができて楽しく学校生活を送っているんだけど、問題は初めての課外授業で僕たちがやらかしてしまった事だったんだ。
僕たち5人はもちろん、王女殿下の班に付いていく事になって引率はクレマイン先生だった。そして先生が上級生にお手本を見せて貰おうと言い出して、下級生にいい所を見せようと張り切った僕たち5人は見事な連携でシカを3頭狩って、解体、料理して振る舞ってしまったんだよ。
王女殿下と同じ班だったのは、伯爵令嬢(4女)が1人と子爵令息(5男)が1人、ライくんの妹、パン屋の娘(長女)の4人で、沢山の護衛が居なくなってから王女殿下と仲良くなったらしい。
そしてその5人が、
「まあまあ、トーヤ兄様はお強いだけじゃなくて、お料理までこんなに美味しいものをお作りになるのね!! わたくしもお料理をしてみたいですわ! 教えていただけますか?」と、王女殿下。
「トーヤ様、あの、フェル様がとても羨ましいです…… 私もいつかトーヤ様のような素敵な方に出会いたい……」とポッと顔を赤らめながら伯爵令嬢のセーラちゃん。
「トーヤ様、いやトーヤの兄貴! 僕を弟子にしてください!」と、子爵令息のウォールくん。
「あの、フェル様、コチラのシカを解体された際のナイフをよかったら見せて貰えませんか?」と、ライくんの妹のメリーちゃん。
「カルイ様、ライ様、コチラのシカ肉のタレは? もしも良かったら教えていただけないでしょうか? 家のパンに挟んで食べると相性抜群なので」と、パン屋の長女のセレースちゃん。
僕たちも下級生たちに褒められてちょっと良い気になっちゃって、その時は何も考えずにハイハイって返事をしてたんだ。僕は頷いてたりしてただけだよ、もちろん。
そしたら翌日は学校が休みなのに朝から使者さんが家に来て王宮への呼び出しがあったんだ。
ライくん兄妹にセレースちゃんを僕の馬車に一緒に乗せてあげてって使者さんに頼まれたから、迎えに行ってライくんのご両親に驚かれたんだよ。それに何故かトウシローとリラも一緒に来て欲しいって言われたから2人にもついてきて貰ったんだ。
王宮に着くとクレアちゃん、カルイくん、セーラちゃん、ウォールくんも呼ばれたようで馬車停留所で合流したんだ。そこに、トウシローの知合いらしい騎士がやって来てトウシローにこう言ったんだよ。
「ご無沙汰しております、ガイム指南役。今日は国王陛下に王妃殿下、それに第二王子殿下と第三王女殿下がどうしてもご学友を王宮に招いてもてなしたいと言われまして、お休みのところ申し訳ありません」
「いや、久しぶりだ、ローム近衛騎士副団長。いや、今は団長だったな。そうかそれが呼び出しの理由か。だが何故俺やリラまで?」
「お二人をお呼びしたのは第二王子殿下でしてな。私も理由はお聞きしておりません。そうそうサカキ侯爵家のシン殿も先に来て待っておられますぞ」
僕はその時にイヤな予感がしていたんだ。それはフェルちゃんも感じていたみたい。
でもこの機会を何とか上手く利用出来ればとも思っていたんだけどね。
10
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕


ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる