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2023/02/12 BGM: RCサクセション - トランジスタ・ラジオ
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今日は早番だった。朝、うまく眠れず早々と起きてしまったので寝直そうと思って坂本龍一やフェネスなどを聴いてみたけれどそれでも眠れず、結局Spotifyでピーター・バラカンと鳥飼玖美子の番組のPodcastを聴いて過ごしてしまった。日本人の英語教育について2人が語っていたのを聴き、私自身も学習において怠惰なところがあるのではないかと身につまされてしまった。「何となく」では結果は出ず、やる気を以て取り組まないといけないという指摘はそのまま昨日読んだ片岡義男の論考と重なるところがある。私自身英語の学習は自分なりにやる気と、あとは好奇心を以て取り組んでいるつもりである。自分から広大な英語の海に飛び込んで溺れて、そこで泳ぎ方を自力で学ぶくらいの心意気がなければうまく行かないのではないか、と考えてしまう。日本におけるカタカナ語の氾濫と日本人らしい発音の偏りについても2人は語っており、実に耳に痛いものがあった。私の発音も「純ジャパ」だ。
今日、仕事をしていてふと私が英語を学んでいることについて先輩と雑談をしてしまった。私の英語力や英語学習を取り組む姿勢についてその方は感心しておられて、「(あなたと私と)いったい何が違うのかな」と問うて下さった。それについて答えるのは難しい(から、私はその場では答えなかった)。思い出すのは、私自身はそんな自分と定型発達者(あるいは「普通の人」)との「違い」についてずっと悩んでいたことがあるということだ。ほとんどアイデンティティに食い込むような悩みを抱えていたっけ。「どうして自分は人と違ってしまうんだろう」「なぜ日本人は人との違いをことさらにあげつらうのだろう」と考え込み、ノイローゼにすらなりそうな、そんな重荷というか十字架というか、そんなものを背負い込んで生きていたのだった。
人と違ってしまう……今ではそんな「違う」自分を誇ることすらできるのだけれど、当時は自分も周囲に合わせて流行に追いつきたいとかみんなに取り残されたくないとか、そんな思いで必死で音楽においては『ロッキング・オン』などを読み込み流行っていたブリットポップを聴き、文学ではJ文学と呼ばれた藤沢周や阿部和重を読んだり、あとは東浩紀を読んだりしていたのだった。だが、私は結局のところへなちょこというか身にしみないことはやりたくないというか、そんな一匹狼(いや、一匹猫?)器質があるので生きていく過程でしだいにメッキが剥がれていき、気がつくと渋くウェス・モンゴメリーを聴きつつウィトゲンシュタインを読むおっさんになってしまったのだった。バカボンのパパに倣って「これでいいのだ!」と居直り、40代後半の春を謳歌している自分がいることに気づく。気まぐれに徳永英明やバービーボーイズを聴き返してハマったりもして……でも、これでいいのだ!
昼休み、英会話教室で提出するプリントにエッセイを書く。テーマは何でもいいということだったので私自身の過去を書く。英語を学ぼう、どうせなら一生の課題にしようとさえ思ったきっかけについて……何度もこの日記で書いてきたことなので読まれている方にとっては「耳タコ」な案件かもしれないけれど、友だちが「あなたの英語はきれいでわかりやすい」と褒めてくれた、その思い出についてだ。日本人が得てして陥りがちな英語コンプレックスという陥穽に私自身も確実に囚われて、「自分には英語は無理だ」「英語ペラペラな人が羨ましい」とさえ思い込み悩んだっけ。だけど、あの友だちのコメントがあって自分は「ぼくの英語でも通用するのかもしれない!」と思い始めたのだった。そして今は確信を抱く。「ぼくの英語」でいいのである。今朝の体験を思い起こし、「ぼくの英語」を炸裂させたPodcastを私自身も録音してみたいと思ってしまった。ザ・スミスの向こうを張って「The World Won't Listen」の心意気で!
今日、仕事をしていてふと私が英語を学んでいることについて先輩と雑談をしてしまった。私の英語力や英語学習を取り組む姿勢についてその方は感心しておられて、「(あなたと私と)いったい何が違うのかな」と問うて下さった。それについて答えるのは難しい(から、私はその場では答えなかった)。思い出すのは、私自身はそんな自分と定型発達者(あるいは「普通の人」)との「違い」についてずっと悩んでいたことがあるということだ。ほとんどアイデンティティに食い込むような悩みを抱えていたっけ。「どうして自分は人と違ってしまうんだろう」「なぜ日本人は人との違いをことさらにあげつらうのだろう」と考え込み、ノイローゼにすらなりそうな、そんな重荷というか十字架というか、そんなものを背負い込んで生きていたのだった。
人と違ってしまう……今ではそんな「違う」自分を誇ることすらできるのだけれど、当時は自分も周囲に合わせて流行に追いつきたいとかみんなに取り残されたくないとか、そんな思いで必死で音楽においては『ロッキング・オン』などを読み込み流行っていたブリットポップを聴き、文学ではJ文学と呼ばれた藤沢周や阿部和重を読んだり、あとは東浩紀を読んだりしていたのだった。だが、私は結局のところへなちょこというか身にしみないことはやりたくないというか、そんな一匹狼(いや、一匹猫?)器質があるので生きていく過程でしだいにメッキが剥がれていき、気がつくと渋くウェス・モンゴメリーを聴きつつウィトゲンシュタインを読むおっさんになってしまったのだった。バカボンのパパに倣って「これでいいのだ!」と居直り、40代後半の春を謳歌している自分がいることに気づく。気まぐれに徳永英明やバービーボーイズを聴き返してハマったりもして……でも、これでいいのだ!
昼休み、英会話教室で提出するプリントにエッセイを書く。テーマは何でもいいということだったので私自身の過去を書く。英語を学ぼう、どうせなら一生の課題にしようとさえ思ったきっかけについて……何度もこの日記で書いてきたことなので読まれている方にとっては「耳タコ」な案件かもしれないけれど、友だちが「あなたの英語はきれいでわかりやすい」と褒めてくれた、その思い出についてだ。日本人が得てして陥りがちな英語コンプレックスという陥穽に私自身も確実に囚われて、「自分には英語は無理だ」「英語ペラペラな人が羨ましい」とさえ思い込み悩んだっけ。だけど、あの友だちのコメントがあって自分は「ぼくの英語でも通用するのかもしれない!」と思い始めたのだった。そして今は確信を抱く。「ぼくの英語」でいいのである。今朝の体験を思い起こし、「ぼくの英語」を炸裂させたPodcastを私自身も録音してみたいと思ってしまった。ザ・スミスの向こうを張って「The World Won't Listen」の心意気で!
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