跳舞猫日録

踊る猫

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2023/02/05 BGM: Gorillaz - Feel Good Inc.

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今日は休みだった。朝、陰鬱な気持ちになる。LINEか何かで誰かに打ち明けようかとも思ったのだけれど、ことがことだけにシェアしづらく思って考えあぐねてしまった。陰鬱になる理由はなかった。強いて言えばまた過去のことを思い出してしまい、自分自身がこうして生きていること自体が申し訳なく思われたということになる。前にPiliさんに「自分のことを愛してあげなさい」と言われたことを思い出す。同じようなことは私が愛を告白した方からも言われた。「自分のことをそこまでボロクソに言うのは止めたらどうですか?」と。そのとおりであって、私も努力してきてやっと自分自身をフェアに見つめられるようになったと思った。だが、こうして時折陰鬱さにとっ捕まることもある。

ふと、clubhouseでジュディスさんがルームを開いたことを知る。私もさっそくそのルームに参加してジュディスさんと話す。前もって草稿を作ったわけではないのでしどろもどろになりながら、自分自身のことを打ち明ける。ジュディスさんは「トリガー」を見つけることを薦められた。どういうきっかけで陰鬱な気持ち、俗に言うトラウマが蘇ってきたのか見定めれば対処することができる、と。私の場合それはひとえに「いい天気」でかつ「休みの日」という条件なのかもしれない。いつも書いているけれど「天気がいい」「休みの日」は苦手だ。どこにも行けない絶望感を持て余して呑んだくれた記憶が蘇るからだ。グループホームのスタッフや私のかかりつけ医にさっそくこのことを話すことにした。

昼、伊沢の里に両親と私と3人で赴く。そこでランチタイムを楽しむ。Facebookで英語と日本語で日記を書いていることが知り合いの間で評判であるらしく、80代を超えた両親もFacebookに関心を持っているようだった。正月あいだ仕事で忙しかったこと、そしてここ最近の積雪のことなどを話す。楽しいひと時となる。ただ朝の陰鬱な気持ちはまだ心のどこかに残っていたのでグループホームに帰ってきた後はひたすら爆睡する。暗い音楽、どこまでもヘヴィなゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのアルバムを聴きながら寝てしまった。その後起きたら回復していたので西村賢太の本を図書館で借り、別役実の『東京放浪記』を読む。『東京放浪記』が面白かったのとよく眠ったのとでゲンキンな私は確かに回復した手応えを感じた。睡眠は大事だ。

夜、残していた茂木健一郎『脳と仮想』を読み終える。茂木のストレートな論述に感銘を受け、彼が書く記憶の謎/神秘について考える。私自身も自分の記憶について考えることがある。職場に行き仕事を始めた時、あるいはこうして何かを書いている時実際に指や手を動かすとそこからアイデアが湧き、記憶が蘇り仕事や記述を進めることができる。そんな時、脳ではなく身体の中にこそ記憶が宿っていると言えるのではないかとさえ思ってしまう。その謎/神秘について書き記す。その後坂本龍一の新作『12』を聴きながら松浦寿輝『青天有月 エセー』などをめくって過ごす。終わってみれば穏やかに終わった休日だった。いみじくも坂本龍一が語るように自分自身とは絶えず変わりゆくもの、昨日と今日でまったく違うアイデアを持ちえるアモルファスな存在なのだろうなと思った。
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