跳舞猫日録

踊る猫

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2023/01/26 BGM: 小沢健二 - 天使たちのシーン

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実は恥ずかしいのだけれど、未だに私の中で生きることと死ぬことの間にある垣根は低いように思う。どういうことかというと、理由なんてないのだけれど時折退屈したり疲れたりした時に「ああ、しんどいなあ」「死にたいなあ」と思ってしまうということだ。もちろんそんなことは長続きしないのだけれど(自分のしぶとさは48年間付き合ってきた自分がよく知っているのだった)、酒に溺れていた時はこの垣根はもっと低くて、「生まれてきた時代が悪かった」「このまま酒で死にたい」「生まれ変わったら来世はもっと幸せになりたい」とまで思い詰めて過ごしていたのだった。そんなことを思い出してしまって改めて赤面してしまう。

大雪の余波は続く。昨日は結局断酒会はリモートで行われて、参加したばかりの方も来られて楽しいひと時となった。断酒会ではいつも体験談として自分の近況を語り、酒に呑まれていた時のことを語る。この日記を書いている時も少なからず感じることだけれど、書くことや語ることで自分の中にある自覚していなかった事柄、意識していなかったことというのが見えるように思う。そうした、「見知らぬ自分」を知ることもまた治療につながっているのかもしれない。そのためには「見知らぬ自分」がどんな自分であっても受け容れられるようこちらの姿勢をオープンにして、待つだけの勇気と寛容さが必要となるのだろうと思う。焦らず、日々を「1日断酒」で過ごす。「今日」1日を断酒して過ごす。。

昼休み、発達障害絡みのミーティングでつながらせてもらっている友だちが写真をシェアしてくれた。桜のつぼみの写真だ。私もよく行くイオンで撮ったものかなと思ったのだけれど、さすがに桜のつぼみまでは見ていなかったので唸らされた。こんな10年に1度来るかどうかという大寒波が来ても、桜はつぼみをつけて来るべき春を待ち続けているのだった。自然のそうしたサイクルの変わらなさ、ゆったりした動きを見ていると人間社会のせかせかした暮らしぶりというのは実に対照的だなあ、と思ってしまう。桜が咲いたらどうしようか、たまには本から離れて花見をしようかとも思う。桜の樹の下で、スマートフォンをマナーモードにしてぼんやり過ごす。とはいえ私はアホなので、そんな場所にもニーチェやウィトゲンシュタインとか持って行きそうだけれど……。

昼休みに佐野元春「ロックンロール・ナイト」を聞いて過ごし、この曲に歌われているような青春に憧れたことを思い出した。大人になったらどんな人生が待っているのだろうと十代の頃に胸に期待を膨らませ、少なくともいじめや無理解に苦しんでた今のような地獄の境遇からは逃れられるはずだと希望を持ち……結局生きてみれば酒に呑まれてさらに地獄を見た20代と30代だった。その頃、40代になったら自分が酒を止めることができて日記を書いているということも毛ほどもイメージできなかった。この分だと50代になったら私はまったく想像もつかないことをやっているかもしれない。もしかしたら農業を始めてたりして……というか、私は40で死ぬのだと思って生きてきたことを思い出した。だから今こうして命があるということそれ自体がかけがえのないことだなあ、と思ってしまう。このまま100歳になってもなおアナーキーなクソジジイ(伊集院光)として生きるのも人生なのだろう。
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