跳舞猫日録

踊る猫

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2023/01/24 BGM: UNICORN - ヒゲとボイン

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天気予報通り、夕方から大雪になる。みるみるうちに積もり始めたので、帰りは歩いて帰った。途中図書館に寄り小林秀雄『考えるヒントⅠ』を借りる。グループホームに戻るとこれといって何かやりたいとも思えず、だらだらとその『考えるヒントⅠ』などを読んで過ごす。英会話教室が今日から始まる予定だったのだけれど、それもこの雪のせいで中止になり来週から仕切り直しということになった。明日は幸いなことに休みだ。借りた小林秀雄や、あるいは何度も読んできたフェルナンド・ペソア『不安の書』などを読んで過ごしたいと思った。映画を観るのもいいだろう。昔なら雪が降ったら雪見と称して酒を呑んだものだが……。

英語には「こころ」を言い表す言葉として「mind」と「heart」がある。たまたま手元にあるので引用するのだが、マーク・ピーターセン『英語のこころ』では「mind」は「論理的な思考に基づくこころ」、「heart」は「感情や気持ち」に属すると説明してある。私は何を隠そう大学では英文学を学び30年ほど英語と取っ組み合いを繰り広げてきたが、未だにこの「mind」と「heart」の区別がつかない。今日も自閉症/発達障害のテストで使われる「サリーとアン問題」のことや、私自身が言われてきた「あなたは人のこころがぜんぜんわかっていない」という言葉について考えていて、この問題にぶつかった。「人のこころ」。そんなものが他人にわかったりするのかな……と思い、ふとそれを英語にしたくなったのだった。

私も人の子。そう言われて「私のこころ」が傷つかないわけがない。「『私のこころ』が傷ついた」……これはどっちを使えばいいかわかる。「私の感情がいたく傷ついた」のだから「heart」だ。だが、ならば他人の場合はやはり「他人の感情を読み取れていない」という意味で「heart」なのだろうか、それとも他人の論理的な意見の骨子を汲み取れていないという意味で「mind」なのだろうか。ここで迷ったので、英会話教室の先生にLINEで質問をしてみた。先生は「heart」を使ったらいいとおっしゃったので、それで一旦は納得できたような気がした。ただ、どこかですっきりしない。それもまた私の発達障害が悪い意味で出ているということなのかもしれないなあ、と思ってしまう。

「サリーとアン問題」についてくわしく書く余裕はないのだけれど、私が言いたいことというのは発達障害の人というのは人が何を考えているか読めずにトンチンカンなことをしてしまう、ということだ。私もずいぶん「わからず屋」と言われたことがある。私の側から言えば、どうして人はこうも「気分屋」なのかと思ったものだ。ああ、過去に私は「こころ」(感情や理性)を捨てて機械のようになりたいとまで思い、そうなることが強さだと思ったのだった。でも、今はそれが強さだとは思わない。そうして「こころ」を捨ててしまった時点で失われるものがあるのだろうと思う。強さに目が眩んで自分の格闘家としての存在意義を捨ててしまった桃白白のように(マニアックな喩えですみません)。
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