跳舞猫日録

踊る猫

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2023/01/07 BGM: Pizzicato Five - ファンキー・ラブチャイルド

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今日は早番だった。朝、アート・オブ・ノイズ「レッグス」を聞く。この曲はMr.マリックのテーマソングとして使われていて日本でも馴染み深い曲だ。身体がこうした音楽を聴くたびに鋭敏に反応するのを感じる。音楽とは不思議だ。甘いメロディや躍動するリズムが身体や心を活性化する。私はいつも音楽に触れて心をチューニングしている。私の好みは特殊と言われることがある。学生時代も好みがぜんぜん周囲と違っていて、そのせいで話が噛み合わずつらい思いをしたこともあったっけ。今は自分の好みを誇れるようになってきたのだけれど。

今月から始まる英会話教室の案内を受け取った。行けるようならまた行ってみようと思う。今年はどんな方と、この教室を通して出会えるのだろうか……私の英語力はこの教室や、あるいは日々のチャットや日記を通して向上しているだろうか。一生かけて焦らずに、登れるところまで登りたいと思う。もちろんいつも右肩上がりなんてことはないだろう。凡事徹底を心がけて、日々の生活に英語を取り入れる。メモパッドに英語でメモを書き、日常の表現を英語を取り入れて工夫できないものか考えてみる。私がやっている「勉強法」とは結局そうした至極地味なものである。

クリスチャンセン&チェイター『言語はこうして生まれる』を読み進める。とどのつまり私たちは厳密な定義を学ぶことによってコミュニケーションを行っているのではなく、その時その時のノリでコミュニケーションを行っており、それが事後的にルールとなって残っていくというのが現実なのではないかとこの本では指摘される。言葉の乱れという現象についてもこの本では語られている。私たちの言葉はそんなにヤワなものではなく、もっと豊穣なカオスを孕んだものである……言語の神秘について考えさせられる、なかなか稀有な本だと舌を巻いた。

昼休みだったか、ふと平沢進「金星」を聴きながら「このまま『ばっくれたら』どうなるのかな」と考えた。仕事から「ばっくれ」、この町からも「ばっくれ」……逆に言うと今があるのは、ともかくも「ばっくれ」なかったからだとも言える。他にやることもないから、という極めて消極的な理由で仕事を続けて、やっと仲間と呼べる人たちと出会えた。もっと利口な生き方、もっとストレスフリーな生き方はあるのだろう。でもそれは私にとってしっくりくる生き方ではなかった。それを思うと、私ほどアホな人間もこの世に居ないと思う。「アホだなー」「それがどうしたアホだよ」……。
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