跳舞猫日録

踊る猫

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2023/01/02 BGM: Sugiurumn - Disco Cat (feat. Aiha Higurashi)

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今日から仕事初め。いつの頃からか、私はルーティーンを守ることの大切さを感じるようになった。気分が乗らない日であったとしてもともかくもいつもやっていることをやる。朝、風呂に入り食事を摂り、職場に行きLINEでメッセージを送り、メモパッドにメモを書く。そうすると不思議と気分がついてくる。今日もアイデアをいろいろ書いてみた。また図書館が開いたら脳科学の本を読めないだろうか、と思う。アントニオ・ダマシオや下條信輔の本など読めたら読んでみて、自分の脳について考えてみたいと思い始めた。

今日の読書は中谷美紀『オーストリア滞在記』だった。彼の地の音楽家の男性と結婚した彼女が文化の相違に悩まされながら、ガーデニングやドイツ語学習に勤しむ日々について綴った日記なのだけれど、ややスノッブなところはあるかなとも思うけれど実に知的でかつ清々しく読めるエッセイになっていると思う。彼女の心豊かな価値観が伝わってくる……ふと、この「心豊かな」を英語でどう表現したらいいのか考えた。「スピリチュアル」だと何だか宗教的なものを匂わせる。もっと素朴に「リッチなハートを持っている」でいいのかな、と思った。

彼女が健康を崩したことから得た教訓として、健康に動く身体があればそれだけで幸せだ、というものがあるらしい。これは私も同じことを考える。今、私はともかくも断酒に成功できており、日々美味しくご飯が食べられ仕事ができることに喜びを感じている。このありがたみを、しかし私は時折忘れてしまう。だからこそこの基本に立ち返らないといけないのかもしれない。Back To The Basic。あるいは彼女が"Life is too short not  to enjoy"という配偶者の言葉を引いていることも印象に残った。確かに、私も人生を楽しめているかどうか考えさせられてしまう。人生を……仕事に読書に、そしてその他諸々において。

この日記で、面白い話題として「うんちの後のしずく」というトイレ用の消臭剤が存在するという話が出てきた。"Post-Poo Drops"というのがその商品だ。確かに直訳するとそういう身も蓋もない名前になる。インパクトのある商品名で、つい昔『ゲーム帝国』で読んだ「『トイレその後に』は実は誤植で、『トイレくその後に』が本当の商品名だ」というネタを思い出してしまう。ただ、これは私の拙い英訳でどこまで伝わるだろうか……新年早々汚い話題になってしまった。この中谷美紀の本自体は「掘り出し物」なので、読まれることをお薦めします。
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