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2022/12/27 BGM: DJ Krush - Candle Chant (A Tribute)
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最後に夏目漱石『草枕』を読んだのはいつのことだっただろう。今ふとあの作品の冒頭が気になり、少し調べてみると漱石は「とかくに人の世はすみにくい」と書いた後で「どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画ができる」と続けている。つまり「すみにくい」ことは確かに辛いことなのだけれど、その辛さを「悟」ることが「詩」や「画」を生み出すという結論にたどり着く。私も、「すみにく」さや生きづらさなら始終感じている。だが、その辛さが原動力になってこの日記ができているとも言えるのかもしれないなと思う。もっともそれは幸せなことなのかどうか、私にわかるわけもないのだけれど。
今日は早番だった。仕事が終わった後、晴れて手に入れた青山真治『宝ヶ池の沈まぬ亀Ⅱ』を読み始める。この日記を遺して青山真治は逝ったということを考えると、こちらの姿勢も厳粛なものとなる。ドゥルッティ・コラム『2001-2009』を聴きながら読み進める。さまざまな映画や音楽に触れて、そこからアイデアを縦横無尽に展開させる著者の姿勢はまさに生きるエネルギーの発露を感じさせる。この人物の中にどれほどの思念/思考の可能性が眠っているのだろう、と圧倒させられる。それは彼の才能の問題というより、どの人間にも本来眠っているだろう潜在的な思考能力の問題なのではないか、と思う。
青山真治の死を思い返すと、そこからザ・ブルーハーブのBOSS THE MCとDJ KRUSHがコラボレートした曲「Candle Chant」を思い出す(サブスクでは聴けないが、私の記憶の中には確実にこの曲が刻まれている)。私は実にちゃらんぽらんに生きているのだけれど、それでも私にもいずれ切実な問題として訪れる死を思うと生きること、生きなくてはならないということの不条理にも思いが及ぶ。「人生っていう風船はやはり有限だ しぼんでいく限りは 何度もふくらませることができるからこそ無限だ」とBOSS THE MCはこの曲の中で語る。今ならこのリリックの重みがわかる気がする。ああ、私自身何度も「人生っていう風船」を「ふくらませる」ことを試み、足掻いてきたことを思い出す。
そしてそこから……小沢健二の「天使たちのシーン」「ローラースケート・パーク」を久々に聴き返す。今日は私自身の過去の日記を読み返して2022年を振り返ろうと思ったがダメだった。私自身が書いた日記だというのに、まるで読めたものではないと脳が拒否してしまったのだ。もう5年も経てばこの日記にも資料としての価値が生まれるのかもしれないが、今は(下品な表現で申し訳ないのだが)私の身体から出てきたばかりの排泄物のようにきつい悪臭を放っていると感じられてしまい、我ながらこんなものを満天下に晒していたのかと赤面してしまう……因果な性格というべきだろうか。だが、この日記を止めたいとも思っていないのが私という人間の性でもあるのだった。
今日は早番だった。仕事が終わった後、晴れて手に入れた青山真治『宝ヶ池の沈まぬ亀Ⅱ』を読み始める。この日記を遺して青山真治は逝ったということを考えると、こちらの姿勢も厳粛なものとなる。ドゥルッティ・コラム『2001-2009』を聴きながら読み進める。さまざまな映画や音楽に触れて、そこからアイデアを縦横無尽に展開させる著者の姿勢はまさに生きるエネルギーの発露を感じさせる。この人物の中にどれほどの思念/思考の可能性が眠っているのだろう、と圧倒させられる。それは彼の才能の問題というより、どの人間にも本来眠っているだろう潜在的な思考能力の問題なのではないか、と思う。
青山真治の死を思い返すと、そこからザ・ブルーハーブのBOSS THE MCとDJ KRUSHがコラボレートした曲「Candle Chant」を思い出す(サブスクでは聴けないが、私の記憶の中には確実にこの曲が刻まれている)。私は実にちゃらんぽらんに生きているのだけれど、それでも私にもいずれ切実な問題として訪れる死を思うと生きること、生きなくてはならないということの不条理にも思いが及ぶ。「人生っていう風船はやはり有限だ しぼんでいく限りは 何度もふくらませることができるからこそ無限だ」とBOSS THE MCはこの曲の中で語る。今ならこのリリックの重みがわかる気がする。ああ、私自身何度も「人生っていう風船」を「ふくらませる」ことを試み、足掻いてきたことを思い出す。
そしてそこから……小沢健二の「天使たちのシーン」「ローラースケート・パーク」を久々に聴き返す。今日は私自身の過去の日記を読み返して2022年を振り返ろうと思ったがダメだった。私自身が書いた日記だというのに、まるで読めたものではないと脳が拒否してしまったのだ。もう5年も経てばこの日記にも資料としての価値が生まれるのかもしれないが、今は(下品な表現で申し訳ないのだが)私の身体から出てきたばかりの排泄物のようにきつい悪臭を放っていると感じられてしまい、我ながらこんなものを満天下に晒していたのかと赤面してしまう……因果な性格というべきだろうか。だが、この日記を止めたいとも思っていないのが私という人間の性でもあるのだった。
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