跳舞猫日録

踊る猫

文字の大きさ
上 下
3 / 58

2022/12/26 BGM: Ken Ishii "Extra"

しおりを挟む
とても寒い日。アンディ・クラーク『現れる存在』を少しずつ読む。ふと「自分の心はどこにあるんだろう」と考えをめぐらせる。前にも脳科学について読んでいた時にこのことを考えた。その時は「私の心は偏在している」と結論付けたのだった。私の脳とその外にある肉体とが結ぶ関係の中にある、と。「インターネット」と呼ばれるネットワークがどこか特定の中央集権的なコンピュータの中に位置するのではなく、さまざまなコンピュータたちの織り成す関係の中にあるのと同じことだ。今回の読書でも同じことを確認することになった。

グループホームの方からLINEが届く。5度目のワクチン接種の知らせが届いたということだった。私の仕事は多くの人と関わる仕事であるため健康管理には人一倍気を遣わなくてはならない。なので受けることにする。いったいいつまでこんな生活が続くのだろうか。最初にワクチン接種をした時のあの抵抗感、あの恐怖をもう忘れてしまった。その時書いていた日記を読み返すべきかもしれない。日々はあまりにも早く過ぎ去ってしまう。そして過去はどんどん遠くに去ってしまう。それが生きるということなのかもしれない。

noteで面白い記事を読み、どのようにして私自身が発達障害を受け容れられたか考えた。私の場合、かつては「自分は不幸だ」「なぜ自分が」と思う被害者意識が強く、それが私を余計に苦しめていたと思う。自助グループとつながらせてもらって、グループホームにも住まわせてもらうことができるようになって……今やジョブコーチも利用することができ、そうした他人との関わりから自分を受容し自分に自信をつけることができるようになったと自覚している。本もそれなりに読んで知識をつけることもしたが、やはり人と関わることが自分を/相手を癒すことにつながるのかなと思う。

https://note.com/ihi1484/n/n4bad416f3de4

今年観たドラマ(完走したわけではないが)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を思い出す。自閉症の弁護士を描いたドラマで、この中で自閉症者の人間が果たして社会にとって有用なのか無益なのか、そのような問いを繰り広げていた(それはつまり、なぜ人はその特徴によって「自閉症」か否か分けられなければならないのか、ということだとも思う)。私も発達障害者として生きている。だが、そうした人間も扱いさえ工夫されれば活躍できると私は信じる。障害者と呼ばれる存在ではあるけれど、それでも輝けると信じたい。そう信じなければ、このような人生を生きていけない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

憂鬱症

九時木
現代文学
憂鬱な日々

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...