never coming morning

高山小石

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7.赤道下での打ち上げーそれぞれの探し物

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 ジーニィ、アンジュ、クリオネ、リマキナ、ユーリ、マリアの若い科学者たちは、手にてにグラスを持って、お菓子の並んだ小さなテーブルを囲んでいた。グラスに注がれているのは、お茶、ミルク、ジュースとまちまちだ。
「それでは、初めての仕事が終わったことを祝して」
 ユーリが音頭をとると、ジーニィが我先にとグラスを掲げる。
「乾杯!」
 みんなも続いてそれぞれグラスを掲げる。
「チュース!」
「おめでとう!」
「お疲れさま!」
「お疲れ~!」
 若い科学者六人は赤道地下の研究室で小さなパーティを開いていた。
「みんなのおかげで、予定していたよりも早く終わって助かったわ」
 嬉しそうなマリア。
 ジーニィはミルクを一気に飲み干している。動物が希少な今、滅多に飲めない貴重品なのだ。
「っはー。クリオネ、リマキナ、これでだいたいわかっただろ?」
 南の双子は同じタイミングで頷いた。
「でもまだ、わかってないこともあるよ」
「聞きたいことがあるんだけど……」
「研究熱心で嬉しいね。なんでもどうぞ?」
 頼もしいユーリの言葉に、クリオネが尋ねる。
「あの『夢の国』って、どうやってたの?」
「おいおい。あれだけ関わっておいて、そうくるか?」
 ジーニィの言葉にしゅんとするクリオネ。
(金髪碧眼、黙っていたらまんま天使なのに、なんで憎まれ口たたくかなぁ)
 すっかり定番になってしまった兄とジーニィのやりとりを見て、リマキナはため息をつく。
 クリオネは『夢の国』でのマサアキ役をしていた。ちなみにジーニィとアンジュはそのまま自分の役を、ミライは途中からリマキナが演じていた。他の住人や話の流れはマリアが受け持っていて、ユーリは全体をトレースしていた。
「まぁまぁ。『夢の国』はね、今テスト中の『アース』と同じ原理なんだよ。それはわかるだろう? アダマスに直接接続しないで、ファーにすり替えてもらったチサトのピアスからアダマスに電波を送ってたんだよ」
「そんなこともできるの?」
「できてただろ」
「ただね、チサト一人だからできたけど、同時に多数はまだできないんだ。長時間のダイブは体に良くないしね。まぁこれは『アース』もそうだね」
「なんで『アース』もダメなの?」
「今はRPG風になってるけど、最終的には戦争前の地球とそっくりな、それこそ『アース』の名前にふさわしい世界になる予定なんだよ。もともと、体が弱くてサウスとノースの行き来が辛い人のために開発したモノだからね。健康な人は自分の足で動こうってところかな」
 ユーリの答えにリマキナは感心するが、クリオネは不満そうだ。
「じゃあ、RPGアースで遊べるのってテスト期間だけ?」
「そうだね。でも、そんなにRPGアースが気に入っているのなら、マリアに作り方を教わるといい」
 ユーリからの視線にこたえて、マリアはクリオネにウィンクする。
「え! マリアは知ってるの?」
 VRゲームは数知れずあるにしても、睡眠時のゲームは『アース』のみだ。しかもテスト期間中ということもあり中身は極秘で、ソースの公開もされていない。
「うふふ。私は『アース』のプログラマーでもあるのよ」
 目を丸くしてマリアを見つめるクリオネ。
「ボクも聞いていい?」
 リナキナが遠慮がちに口を開いた。
「どうぞ、お嬢さま」
「マサアキはどうして『人形』を返してきたの?」
「あ、それオレも聞きたかった。しかもチサトとまた仲良くなったんでしょ? なんで?」
 本当に不思議そうな南の双子に、ユーリは思わず吹き出した。
「ははーん。まだ男女の感情はわからないよなぁ?」
 そんなことないよ、と南の双子は不満げだ。
「私たちは最初からうまくいくように力を尽くしたつもりよ。まず、マサアキが『理想の恋人』を願ったでしょ?」
 マリアの言葉をジーニィがひきつぐ。
「俺たちは『完璧な恋人』を渡した」
「え?」
「どう違うの?」
「そうだね。リマキナは『完璧な恋人』ってどんな人だと思う?」
 思いがけないユーリの質問に、あわてるリマキナ。
「ええっ? それは……優しくて、頼りになって、カッコ良い」
「それはリマキナの理想だろ。マサアキは男だから、恋人にはカッコ良さより可愛さがいるって」
 クリオネの指摘にリマキナは赤くなる。
「うんうん。人によって望んでいる『理想の恋人』って違うよね? そして本当は、そんな個人の理想に少しのズレもない『理想の恋人』なんていやしないんだよ」
「じゃあどんな『恋人』を渡したの?」
「マサアキの思考を先読みして、すべてをかなえる『人形』さ」
「それが『完璧な恋人』?」
「そう。ジーニィの言い方はシンプルだけど、わかりにくいかな?」
 どうせ俺の言い方は簡潔すぎるよ、とふてくされるジーニィ。
「つまりね、マサアキが何か食べたい、と思ったとする。すると『恋人』は『何か食べたいわね』と話しかける」
「?」
「マサアキがなにか思い出せないでいる。『恋人』はさりげなく、そのなにかについての話題をふる」
「わかった。けど、それって『恋人』なの?」
「いいや違う。でもね、マサアキが望んだ『恋人』は、そんな人だったんだよ」
「変だよ、そんなの」
「クリオネとリマキナのほうがよっぽどマトモだぜ」
 ジーニィの口はお菓子でいっぱいで、少し不明瞭だ。
「『恋人』って結局他人だからね。分かり合えない部分、自分と違う部分があって当然なんだよ。それをマサアキは忘れていたんじゃないかな? まぁ今回『完璧な恋人』と過ごして思い出したみたいだけど」
「『完璧な恋人』なんて、自分自身のようなもんなんだぜ? そんなのと『恋人』だなんてイヤ過ぎるね! 自分にない部分があるからこそ面白いのにさ」
 口の中のお菓子を飲み込んでキッパリ言い切るジーニィに、ユーリは目を細める。
「ジーニィの持論だね」
「おうよ! チサトもチサトで過去をずーっと引きずってんの。そばには新しい友達がいるのにさ。今回はどっちもハッピーで良かったよな」
「今回はって」
「ハッピーエンドじゃない時もあるの?」
 静かにマリアが口を開いた。
「今回の依頼なら、マサアキが『人形』を返してこなかったらアンハッピーかしら? でも『ブラウンマリア』の仕事は、依頼者の願いを聞き届けることなの。その結果はハッピーでもアンハッピーでも関係ないわ」
「そうなんだ」
「シビアだね」
「でも、チサトに後遺症が残った場合のアフターケアはするわよ」
「後遺症って?」
「『夢の国』が変に残っちゃうこと。幻覚が見えたり眠れなくなったりするのよ。今回は私たちの都合で通常より短い期間で何度もダウンしていたから、後遺症が残ってもおかしくないわ」
「コワっ。アースやりすぎないようにする」
 ゲーム好きだけどしゃれにならないや、とクリオネは身震いした。
「『夢の国』が本当にあったらいいのに」
「それでもリマキナは行きたいなんて、よっぽど大切な探し物なんだ?」
 『夢の国』の中でのようなジーニィの言葉に、ユーリは少し真剣な表情になった。
「わかっていると思うけど、『夢の国』は作り物だよ。チサトの記憶から夢のカタチを作っただけで、中身はただのプログラムで」
「っていうかさ、俺たちはもう『夢の国』にいるんだぜ?」
 ユーリの言葉をさえぎったジーニィに、南の双子は怪訝な顔になった。
「わかんない? 現実こそが『夢の国』だろ。例えばクリオネ、ユーリに会いたくてたまらなかったら会えただろ? クリオネが『ユーリに会いたい』っていう行動をとってたからだよ。それに考えてもみろよ。ユーリや俺がいるんだぜ? 現実でなんだってできるさ!」
 笑顔で胸をはるジーニィに、南の双子は笑い出した。ユーリやマリア、アンジュも微笑む。
「話がはずむのもいいけれど、早く食べないとなくなっちゃうわよ」
「アンジュと一緒に作った力作なんだけど、このままだと全部ジーニィの胃袋に消えてしまいそうね」
 南の双子がテーブルを見ると、並べられていたお菓子の大半が消えていた。
「ああー! オレ、チョコクッキーねらってたのに」
「ボク、スコーンねらってたのに」
「早い者勝ちさ!」
 リナキナがジーニィにつかみかかっている中、クリオネはマドレーヌに手を伸ばす。甘い物は贅沢品だ。口に広がる甘さにうっとりしていると、大事なことを思い出した。
「ジーニィ、今日こそ暇だろ。サウスに来てよ」
「そうだよ。誘ってもさそっても忙しいって断られてたけど、今日は逃がさないよ?」
 リマキナはジーニィをひねり上げた。
「ギブギブ。ヒドい言われようだな~。ホントにいつも忙しかったんだぜ? 雑誌の撮影とか」
「あらジーニィ。言ってくれたら融通したのに」
「あっ。ばか、アンジュ。イタタタタ……」
 リマキナが容赦なくジーニィを締め上げていく。
「わかったわかった! 今日は行くって!」
「絶対だよ?」
「約束したからね?」
「うんうん、行くいく」
 ようやく外してくれたリマキナから離れると、ジーニィはぼそりとつぶやいた。
「って嘘に決まってるじゃん」
 アンジュはジーニィに膝かっくんをした。
「ジーニィ! 数少ない友達なんだから。もっと大切にしなくちゃ!」
 ユーリとマリアが笑う。
「アンジュに言われれば世話ないね、ジーニィ」
「まったく双子とは思えないわね」
「ちぇー。どうせ俺はお子様ですよー。俺の時間は俺のもの!」
「……ジーニィたちの世代は、まだまだやりたいことがいっぱいなんだね」
 ユーリの言葉にクリオネが首を傾げた。
「ユーリだっていっぱいでしょ? 今だって開発中のものをたくさん抱えてるし」
「まぁ僕はね。でも、僕らや僕らの世代より上の人たちは、今の状況にまだ馴染んでないんだよ。時間を持て余してるんだ」
「どうして? おもしろいことがいっぱいなのに」
「ほんとリナキナの言う通りだよね。でも、君たちの生まれる前の世代では、『生きること』は『仕事をすること』と同じようなものだったんだ。仕事をするとお金がもらえる、それが社会とのつながりとなり、世界が循環していたんだよ」
「今のポイント制と同じじゃないの?」
「ポイント制は学生の間だけだよ。『地球人』としての知識を持つまでは、行動した見返りにポイントがもらえる。そのポイントで買い物なんかができるよね? 実は卒業すると、ポイントがなくても望みさえすれば、なんでも手に入れることができるんだよ」
「え? それなら、オレが欲しいゲームや服って、そのうちぜーんぶポイントなしで手に入れられるってこと?」
「そうだよ」
 じゃあ今コツコツ貯めてるポイントって……と悩むクリオネ。
「余計にわからないよ。なんでも手に入るんだったら、どうして時間を持て余すの?」
 まっすぐなリマキナの目を見て、ユーリは噛みしめるように言った。
「『なにをすればいいのか』が、わからないんだよ」
 そっちの方がわからないよ、と南の双子は眉をひそめる。
「君たちは若いから、わからないほうがいい。僕はね、そんな人たちのためにも『アース』を早く完成させたいんだ。自分はなにがしたいのか、自分になにができるのかを発見するための手助けになるようにね。自分じゃ思いもつかなかったことでも、誰かと一緒ならできちゃったりするだろ? そのきっかけを作りたいんだ」
 静かに語るユーリの顔は、まさに天才科学者ユークリッドその人だった。
 見とれるクリオネを横目にリマキナが質問する。
「『アース』って、ユーリとマリアだけで開発してるの?」
「いいや、Y博士とアンジュがメイン。後は大勢のスタッフだよ」
「あれ? ジーニィは?」
「俺はそんな研究したくないからね、不参加さ!」
 カップケーキを片手に胸を張るジーニィ。
「ジーニィったら。アンジュに勝てないから参加したくないだけでしょ?」
 マリアに図星をつかれ口をへの字にするジーニィに、ユーリが助け船を出す。
「でもジーニィの意見はいつも参考になっているよ」
「いつ俺が意見を言ったよ?」
「いつでもさ。僕たちに話す君の意見は鋭いからね。とても参考になる」
「もうしゃべんないぞ」
「ムリムリ」
 口を押さえるジーニィに全員が首を横に振った。ジーニィの口の早さには、知り合って間もないクリオネやリマキナでさえすっかり慣れたくらいだ。
「それにノースで作っているガラクタもね、毎回新技術使ってるだろ? 参考になるよ」
 にっこり顔のユーリをジーニィは釈然としない顔で見上げる。
「~~ガラクタって言っといて、最後にもちあげるのがユーリだよな」
「それほどでも」
「ほめてないって」
 ジーニィは拍子抜けして笑いだした。
「ほんとにユークリッド博士サマか、たまに疑うぜ」
「たまに?」
 まぜっかえすリマキナにみんなも笑った。
「そう言えばY博士ってジーニィの親なんでしょ? ユーリの親は研究に参加してないの? 大戦で亡くなったの?」
 クリオネの質問に、ユーリの笑顔が一瞬固まった。
「……僕の両親は科学者じゃなくて普通の人なんだ。大戦を生き残ったけど、病気でね。今もまだ病院で闘病生活中」
「ごめんなさい。オレ」
 にっこりと、いつものようにユーリは微笑んだ。
「かまわないよ。ただ、病院にマスコミが来ると迷惑だから内緒にしててね。あ、僕のことももちろん内緒にしてるよね?」
「もちろん!」
「良かった。僕個人も騒がれると行動しにくいし、病院にも迷惑だから、なるべく目立たないようにしてるんだ。自分の地味な顔がこんなに役立つとは思ってもみなかったよ」
 おどけた言い方に場がなごむ。
「さーて、だいたい食べたし、そろそろ行こうぜ!」
 口直しのカフェオレを飲みながらジーニィが呼びかけた。
「え、オレまだそんなに食べてないのに」
「ボクもパイが食べかけ」
 あせる南の双子をジーニィはいじわるそうに見つめる。
「おいおい、めずらしく俺様が行く気になってるのに、時間がもったいないぜ~?」
「少し待ってて。缶に詰めるから持っていくといいわ」
 アンジュがてきぱきと大きな缶にお菓子を詰めていく様子を、ジーニィはつまらなそうにながめる。
(アニキ、アンジュって見かけによらずお姉さんって感じだよね)
(うん。ジーニィよりソフトに強いことといい、びっくりだよな)
「はい、どうぞ。楽しんできてね」
 満面の笑顔でお菓子をいっぱいにした缶を手渡され、リマキナはなぜか胸が熱くなった。
(なんでだろ?)
「ほら早くしろよ!」
「わかったってば」
「ごちそうさまでした」
 慌ただしくジーニィ、クリオネ、リマキナが研究室を出ていくと、狭いはずの研究室が広く感じられた。
「若いっていいなぁ……って思っちゃうなんて、もうおじさんかな?」
 しみじみと緑茶を飲みながらのユーリに、まあ、とアンジュは声を上げた。
「ユーリはまだ若いでしょ」
「そうよ。私より若いくせに」
 20歳のユーリを23歳のマリアがにらむ。
「あはは。そう言ってもらえると嬉しいけどね。昔想像してたこの歳の自分にまだまだ届かないんだ。ハタチってもっと、なんでもできる大人だと思ってたから」
 あらまあ、とマリアがおどけたように聞く。
「これ以上なにを望んでいるの、ユークリッド博士?」
「なんだろうね? なにかが足りないけど、それがなにかわからないんだ」
 目を伏せたユーリは所在なげで、外見通り普通の青年のようだ。
「ユーリ、今日は病院に行くんじゃなかったの?」
 アンジュの声にユーリは我に返った。
「そうだった。ありがとうアンジュ。マリア、悪いけど僕も先に失礼するよ」
「お疲れさま」
「またねユーリ」
 バイと手を振って出ていくユーリを見送ってからマリアは口を開いた。
「病院って、ユーリどこか悪かった?」
「御両親のお見舞いよ」
「ああ。大変ね。もうずいぶんと長いんじゃない? 私がここに来た時にはもうすでに入院してたでしょ?」
「ええ。おそらくもう退院することはないんじゃないかしら」
「そっか。それでも親が生きているだけ幸せね。心配できるもの」
「……そうね」
 羨ましげなマリアはアンジュの複雑な表情に気づかない。
「私たちだけになったことだし、片づけましょっか」
 余ったお菓子をアンジュは缶に詰め、マリアは食器を集めて食洗機に入れていく。
 その手を止めずにマリアがぽつりと言った。
「ファーからチサトの依頼を受けたとき、どうしようかと思ったわ」
 静かにアンジュが答える。
「チサトが知り合いだったから?」
「そうね。私の影を追うチサトを見ていたら、私がずっとミスズを探しているのも、チサトと同じ? ミスズにとって迷惑? ってぐるぐる考えたわ。だからチサトには、早く自分自身を取り戻して欲しかったの。あなたを想っている人はすぐ近くにいる、あなたはあなたのままでいい、私にこだわらなくていいのよって。私がチサトに『好き』だと伝えたのだって、チサトを縛るためじゃなかったから」
「ミスズはまだみつからないの?」
「ええ。『ブラウン・マリア』として、現在、地球上にいる、10分の1の地球人はチェックしたけど、誰も本人じゃなかった。その知り合いにもいなかったわ」
「そう」
「でもまだ10分の1だしね。まだわからない。最後の1人まで探さなくちゃ納得いかないわ!」
「マリアはミスズに会ってどうしたいの?」
 ピタリとマリアの手が止まった。
「……わからない。最初はもう一度会いたいだけだった。いつもの笑顔を見たかった。でも、今は……。どうして私を『外』に出したのか、聞きたいのかもしれない」
「『館』にはいなかったの?」
「外出できるようになってすぐに行ってみたわ。でも、無くなってた。あの大きな建物が跡形も無くって驚いた。……あそこでの時間は短かったのに、まるで永遠の夢のように私の記憶にあるの。今もたくさんの仲間が『館』にいて、出番を待っているような、そんな気すらするのよ」
(香が漂う広いホールに、豪奢な衣装をまとい思いおもいに姉さんたちは座ってた……)
 昔の情景を思い出すマリアを、アンジュが現実に引き戻す。
「チサトが森で、ミライの後ろにいるあなたを目撃していたわ。一瞬だったけどね」
「あら、それはバグね。同時にダウンしていなかったのに、やっぱり電波だと干渉しちゃうのかしら。プログラムを見直さなくちゃ」
「手伝うわ」
「助かる。じゃ、超特急で片づけなきゃね」
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