上 下
24 / 24

フォーエバー! Mシステム!! また会う日まで!!

しおりを挟む
 俺は自分のMシステムに水、風、土、光、闇、そして太陽の力を結集し、俺の能力を火から『聖炎』に進化させた。これで親父を倒せる……と思っていたが親父の『獄炎』には親父が今まで吸収してきたMシステムに選ばれし者の力がほぼ全て込められているため俺たちの『聖炎』では圧倒的に火力不足だった。

「弱い、弱すぎる。もういい、そろそろ食わせろ」

「勝手に終わらせようとするな! 俺たちはまだ戦える!!」

「いいや、終わりだ。吸収開始!」

「吸収されてたまるか! 影踏み!!」

「ほう、自分の影を踏んで動けないようにしたか。だが、お前がその姿でいられる時間は残りわずか。時間切れになるまで吸収し続ければ俺の勝ちだ」

 どうする? どうすれば親父に勝てる?

「みんなー、何してるのー?」

 だ、ダチョウ娘!? なんでこんなところに!!

「なんか楽しそう! ヒャッホー! 走るぞー!」

「バカ! こっち来るな! 早く逃げろ!!」

「イエーイ! たーのしー!」

「なんだ? あれは。うるさい鳥だな。吸収して黙らせてやる」

「や、やめろ! あいつを俺たちの戦いに巻き込むな!」

「自ら戦場にやってきたのだからいつ死んでもおかしくない。そうは思わないか?」

「よせ! 親父! いや、Mシステム! あいつを吸収するな! 絶対後悔するぞ!!」

「Mシステムの辞書に後悔という文字はない! さぁ! 獄狗ごくいぬよ! やつを吸収しろ! 吸収開始!!」

「や、やめろー!!」

「う、うわあああああああああああああああ!!」

 ダチョウ娘が親父に吸収された直後、親父の脳みそはクルミサイズになった。

「あーあ、だから言ったのに……」

 親父と親父を乗っ取ったMシステムはダチョウ娘を吸収したことで記憶力がほぼゼロになってしまった。これにより親父は脅威ではなくなった。

『合体解除』

「みなさんに吉報です。Mシステムの制限がなくなりました」

「え? なんでだ?」

「私たちMシステムの汚点であるソレが無害になったことで私たちの創造主の機嫌が良くなったからです」

「マジかー。じゃあ、これからはバンバン使っていいんだな?」

「はい! そうです!」

「そうかー。あっ、そうだ。なあ、Mシステムの使いすぎで能力そのものになっちまったやつを元に戻すことはできないのか?」

「ウサギさんが使っていた不思議な懐中時計がクロノスの懐中時計の下位互換だということが判明しました。それをクロノスの懐中時計にするにはあなたの『聖炎』が必要です」

「つまり、それさえあれば幼馴染あいつを元に戻せるんだな!」

「はい! そうです! よかったですね!」

「ああ!!」

 そのあと、こーちゃんは幼馴染をクロノスの懐中時計で復活させたよ。よかったね、こーちゃん。でも、今もどこかで誰かが涙を流してる。きっと誰かが私たちの力を必要としている。でも、止まない雨はない。私たちがいる限りこの世の悪は全て私たちがねじ伏せる。

「行くぞ! みんな!!」

『おー!』

『万事解決! Mシステム!!』

 *

「ねえ、こーちゃん」

「ん? なんだ? 水母くらげ。もうエンドロール流れてるからあんまりしゃべらない方がいいぞ」

「そうなの? でも、気になってるから言うね。あのさー、ところでMシステムのMって何なの?」

「あー、それはなー。みんなを助ける奇跡の力って意味だ」

「へえ、そうなんだー」

「まあ、今のは俺が適当に考えたやつなんだけどな」

「え? じゃあ、MシステムのMに意味ってないの?」

「多分な。でも、それはきっと俺たちがこれだって思ったものでいいんだと思う。力の使い方は俺たちが決めるんだから」

「そっかー」

「私も仲間に入れてー」

「出たな、幼馴染」

水母くらげちゃん、私には陽菜はるなって名前があるんだから名前で呼んでよ」

「ぷいっ」

「あら、そっぽ向いちゃった。かわいい」

「二人とも仲良くしろよー。これから戦友になるんだから」

『こーちゃんがそれ言うの?』

「な、なんだよ、二人とも。俺なんか変なこと言ったか?」

「ううん、そんなことない」

「べっつにー」

「そ、そうか。あっ、そろそろ時間だな。えっと、まあ、一応終わるけど俺たちの戦いはこれからも続いていく。だから、どこかで俺たちを見かけた時は温かい目で見守ってほしい。それじゃあ、みんな、まったなー!!」

『またねー!』
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

処理中です...