〈死神サンタさん〉

RERA

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「死にたがりや」のアナタへ

消えたいアタシ

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死神サンタさんへ。

文字を打つ手が震える。大粒の涙が、こぼれて止まらない。それは、このホームページに文字を打っている恐怖心ではなく、今までのアタシの壮絶な人生を振り返る痛みだった。

お母さんは、若い男と一緒にどこかに行ってしまった。お父さんは、お母さんとアタシなんて、もともと存在していなかったかのように生きている。

「おはよう。」その言葉を返されたことは、一度もない。

学校では、小学校高学年から続くいじめが今日も繰り広げる。

痛い、痛い。消えたい、消えたい。


「死にたい。」

幼い頃、お母さんと繋いでいた手は、いつの間にか、リストカットの傷でいっぱいになっていた。

そんなとき、リーダー格のクラスメイト達が話していることが、不意に耳に入ってきた。

「死神サンタさんって、知ってる~?」

「一つの都市伝説的なものなんだけど、」

「そこに自殺願望を示す言葉を打ったら」

「本当に死ねるらしいよ」

なにそれ。傷だらけのアタシにピッタリ。
本当に死ねる、なら…。

もし、本当に死んじゃったらーー

怖くなって、その話をしている人達の方を睨みつけた。

     目が、合う。

ニヤリと笑った、ショートヘアのいじめっ子の少女は、大きな声でこう言った。

「その死神サンタってさぁ?ここにいる「ある人」にピッタリじゃない?…ね?浅倉 咲さん!」

アタシの2つにくくった髪を、強く、強く引っ張ってくる。フルネームで呼んでくるところがいやらしい。髪をひっぱられる痛みには、涙も枯れてしまうほどに慣れてしまった。

そうして、現在に至る。生きていくのは苦痛だが、死ぬ気はなかった。ここに「消えたい」と言葉を残すことで、気持ちが楽になる気がしたのだ。

それに、もし死んでも、それで良いのだ。アタシが怖かったことは、アタシが亡くなっても誰も悲しまないのか、誰も気づいてくれないのか。まるで、アタシの人生に意味はないみたいで、怖いのだ。誰か、涙を流してくれる、優しい人は…。

…しかし、先程よくよく考えてみると、死んでしまえば、その答えを知らずに消えれる。だから、今はどーでも良い。

もう、今日は疲れた。昨日も疲れた。明日もきっと疲れる、寝よう。


その晩、意識だけは目覚めていた。アタシより、3、4才年上の青年が






アタシの首を、ロープでキツく絞めていた。



 アタシは驚いた。ただ、それだけ。




あぁ、あの噂、本当だったんだ。もう、痛みに慣れてしまって、やっぱり涙は出ない。

色々疑問に思うことは、死んでから出てくるものだった。

どうして、ここに来れたのか。

どうして、こんなことをするのか。

「どうして、」

消えゆく意識の中で、そんな言葉が、口からこぼれ落ちる。
なんでこんなことをするのか、その理由は簡単。愚かなアタシが頼んだから。

そうじゃなくて。…あぁ、もう時間が足りない。

最期の最後に、カレが、優しく抱きしめてくれた気がした。そして、泣いてくれている気がして。

あぁ、終わりに見る世界は、なんて暖かいものなのだろうか。
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