乾宮――昔がたり

トグサマリ

文字の大きさ
上 下
5 / 22
【第二章】

しおりを挟む


 鈴葉りんよう出奔しゅっぽんという前例があるためか、翠蘭すいらんはほとんど軟禁状態のまま、李鈴葉として後宮に上がることとなった。
 それから、あれよあれよと四ヵ月が経った。
 本物の鈴葉が見つかったという報はない。後宮で行われる宴などは、体調がよろしくないなどと理由をつけて欠席したり、房室へやからも出ないようにして宦官かんがんや女官たちとの接触を極力避けてはいるが、待ち望む知らせは一向にない。
 ありがたいことに、皇帝陛下のお召しは一度もない。
 けれど侍女としてともに上がった喬玉こうぎょく柑華かんかにとっては、それは不遇なことこの上ないようで、やれ香を変えてみてはどうか、やれ風雅うたでも口ずさんで雅やかさを女官の噂話に乗せろだの懸命だ。あくまで身代わりのつもりの翠蘭は、とにかくおとなしくしていたかったから生返事をしか返せない。
 のらりくらりする翠蘭に、やはり出自は隠しようもないのかとふたりは嘆き、かと思うと、ならばわたくしどもで立派な姫君に変えてみせましょうと息巻き―――そして結局翠蘭の風変りさに溜息を落とす。その繰り返しだった。
 彼女たちももちろん翠蘭が身代わりであると知っている。
 だが、本物の鈴葉の恋を応援しているのか、翠蘭を〝女主人〟とみなし、仕えてくるのだ。
 鈴葉が愛しい相手と幸せになり、後宮に入った〝鈴葉りんよう〟は皇帝の覚えもめでたく栄耀栄華を極めていく。女主人が位を極めれば、自分たちも優雅な生活ができる。翠蘭を皇帝の目に留めさせようと躍起になるのは、そういった筋書きが彼女たちの中にあるからかもしれない。
 なのに現実の昭儀しょうぎ―――翠蘭のやる気のなさといったら。
(そりゃあさ)
 喬玉こうぎょくたちの不憫さを思うと、翠蘭だって協力はしたい。
 仕える女主人は偽者で、身分なんてない小娘だ。清楚で朗らかな人物であれば納得もできるだろうが、残念ながら当てはまるのは朗らかさだけだ。
 せめて皇帝のお召しがあれば。
 そうすれば、このやりきれない胸の内も多少は収まるだろうに。
 彼女たちのそんな思いが判るからこそ、喬玉たちの必死ともいえる昭儀しょうぎ養成講座もちゃんと受けているし、楚々たる仕草も習得しようと本人なりに頑張ってはいる。
 ただ、頑張りはするが、目立ちたくはなかった。
 目立って皇帝の目に留まっては、鈴葉と入れ替わることができなくなる。
 喬玉たちは、最初こそ怒濤の勢いであれやこれやと講義を強要していたが、最近は諦めてきたのか突き放すような溜息ばかりが多くなっていた。無言で責められている気がして、これはこれで居心地が悪い。
 はぁと長い吐息を落とす。
 きんの練習も終わり、喬玉こうぎょくたちにはいったん自室に退がってもらっていた。
 窓辺の椅子に腰かけ、見るともなしに目に入ってきた大袖衣うわぎの青い濃淡を眺めやる。
 きらびやかでなめらかな襦裙きものに腕を通したばかりの頃は、こんな綺麗な襦裙を着れるだなんてと感動して胸躍らせていたのに、いまでは慣れてきたとはいえ広く開いた袖や長く引きずるしたばかまが邪魔でしょうがない。
 後宮の殿宇でんしゃの壮麗さも、最初はあまりの煌びやかさに目が眩むほどだったが、いまでは感動も失せ、ただの建物にすぎなくなっている。
 どんなに豪華な殿宇でんしゃであっても、滑るように輝く生地をふんだんに使った襦裙きものであっても、翠蘭にとっては、窮屈な毎日を閉じ込めている檻と変わらない。
 自由になりたい。
 昭儀しょうぎ養成講座なんて、まっぴらだった。ひとの目を気にして隠れるように暮らすのも、うんざりだ。
 翠蘭は、喬玉たちの気配を窓外に探った。
 ひとの気配は、ない。女官たちがこちらにやってくる様子も、ない。
 抜け出すなら、いまだ。
 翠蘭はさっと立ち上がり大袖衣うわぎを脱いだ。これを脱ぐだけでも、広すぎる袖がなくなるぶん身動きは軽くなる。軽くなった身体で数回肩をまわし、ひとつ息を吐くと、翠蘭は扉の向こうへと一歩を踏み出したのだった。


 部屋を出た翠蘭すいらんは、廻廊かいろうを避け、庭院にわ小径こみちに降りた。木々の間を抜けて、四阿あずまやを横に見、池を渡ると築山つきやまが現れる。その築山へと小径をそれると辺りの様子は一気に変わる。それまでは園奴にわしに整えられた整然とした美があったが、築山からこちらは奚奴したばたらきも頻繁に入らないのか、下草が生えていたり、石の表面に苔がむしていたりしている。
 翠蘭は背伸びをし、深く息を吸い込んだ。
「んん……ん」
 ここは、先日見つけた秘密の場所だった。園林ていえんの奥深いところにあり、ひとの訪れもほとんどない。後宮の殿宇たてもの群からは遠く、片側は高さのある分厚い牆壁かべである。
 手入れの行き届かない場所が後宮にあること自体由々しきことなのだが、そんな場所に妃嬪ひひんの位階で二番目にある昭儀しょうぎが来ることも、由々しきことである。
 だが、そんなこと翠蘭には関係がない。
 手近な石に手巾てぬぐいを敷き、腰を下ろして空を眺めた。
 抜けるような青い空だった。
「青~ 青~  その名は青~ 青い空~
 金に輝く風が吹く そよそよそよりん 草歌う
 あっちからころり こっちへところり
 そよそよそよりん ふんわりちょ
 わたしも一緒に 流れましょう」
 気付くと、振りまでつけて歌っていた。
昭儀しょうぎ〟が大きな声を出すと、周囲はいい顔をしない。はしたないからやめなさいと注意をされる。だから存分に声をあげて歌えるこの場所は貴重だった。こうしてひとりになって歌っていると、自然と声も大きくなる。
 昔からそうだった。
 なにかがあると―――なにもなくとも、ついつい自分の胸に浮かんだことを即興の歌にしてしまう。働くようになってからはさすがに自制するようにしてはいるが、なにぶん無意識のことだから、思うようにはいかない。飯館しょくどうで踊りながら歌ってしまい、客から白い目で見られたことも少なくない。
 逆に、「面白い娘子むすめがいる」と、わざわざ足を運んでくれる客もあった。
「遠いお空に 雲ひとつ
 ぷっかり浮かんで 泳ぎたぁい~」
「誰がいるの?」
 唐突に、歌声に割り込む声があった。落ち着いた中にも胸の奥底にすとんと入り込む深みのある甘い声だった。男―――おそらくは青年の声。
 突然の誰何すいかに翠蘭の喉が凍る。
 いま歌っていた歌。決して小声ではなかった。声が園林ていえんへと漏れ出ていて、なんらかの理由で近くにいた宦官かんがんに気付かれたのかもしれない。
 後宮の奥まった場所にふらりと供もつけずにきた自分は叱られるに違いない。どころか、
(罰、受けちゃうとか……?)
 翠蘭の顔からさっと血の気が引いていく。
(うそ、やばいって)
 宦官から叱られたと基静きせいに知られてしまったら、家族は路頭に迷うことになる。なんとしても皇帝陛下の目に留まるよう努力をせよと、彼から再三手紙が届いているのだ。ここで罰を受けたという失態を晒せば、李家は出世どころか凋落の道を歩む羽目になりかねない。
(どうしよう……)
 どうすればいいのか判らず、翠蘭はただただうろたえるしかなかった。
「面白い歌が聞こえてたけど、まだ、そこにいるんだろう?」
 下草を踏む音は、聞こえてこない。そよとした風が通り過ぎたあと、その声が牆壁かべの向こうから投げかけられていることに気付いた。
 分厚く、翠蘭の身の丈の倍はあるこの壁は、思った以上に声を通すようだ。いままで壁の向こうから物音が聞こえたことがなかったから、勝手に音を通さないとばかり思い込んでいた。
 宦官は、そういえば甲高い声をしている。低くて耳の奥をくすぐるような柔らかな声は、宦官のものではない。
(そんな……じゃあ)
 このあか牆壁かべの向こうは、いわゆる後宮と呼ばれる壺世宮こせいきゅうではないと聞く。同じ内廷ないていではあるらしいが、後宮に暮らす者にとっては外の世界も同然だ。そこからかけられる声。声の主は、官吏である可能性が高い。
 もしも、李家と対立する者だったら―――。
 宦官よりも、状況は悪い。
「行ってしまったのか?」
「―――あの。わたしがここで歌っていたこと、どうか、どうか内密に願います。お願いできますでしょうか」
 後宮内で声をあげて歌を歌うなど公に知られてしまったら、李家の出世の足を引っ張るどころではない。本当に罰を受けることになるかもしれない。
 翠蘭すいらんの不安な訴えに、けれど返ってきたのは気軽に笑んだ声だった。
「なるほど。ああ、約束しよう。わたしたちふたりの秘密だ。だから、そんなに怯えないでもらいたい」
「本当でございますか。秘密にしていただけますか? 本当に?」
 そんなに念を押さなくとも、と、優しい声があった。
壺世宮こせいきゅうの中では好きなときに歌うことなど難しいだろう。ときには息抜きも必要だ。それをいちいちどこぞへ報告でもされたら気は休まらぬからな」
「ほ、報告するような部署があるんですか!?」
 では、どこで監視されているか判ったものではない。いままで何事もなく無事やり過ごせていたのは、途方もなく幸運だったのかもしれない。翠蘭の動揺は、しかしすぐに牆壁かべの向こうの人物がなだめてくれた。
「大丈夫、そんな部署があったとしても言わないから安心して」
「本当に本当でございますか!?」
「―――どうすれば、信じてもらえるのかな」
 困ったような声に、翠蘭ははっと我に返る。
「え。……あの……、いえ。言い過ぎました……申し訳、ありません」
 向こうが秘密にすると言ってくれた以上、信じるしかない。そうして穏やかになだめる牆壁の向こうの声は、心強いものと親しさを感じさせてくれる。
「このような牆壁かべ越しではそなたが不安に思うのは仕方のないことだ。気にするな。それで、そなた、名はなんと言う?」
「や、やっぱりお言いつけになるんですかッ」
 咳き込むように翠蘭。からからと笑い声が聞こえてきた。
「しないしない。大丈夫だ。名指しでこのことを誰かに話したら、壺世宮こせいきゅうの者と牆壁越しに言葉を交わしたと、わたしこそが罰せられよう」
「あ……、そっか」
「だから安心しろ。わたしは、かく風騎ふうきという。そなたは?」
たい翠蘭すいらんです」
(あ、やば)
 あまりにも自然な問いかけに、本来の名を告げてしまった。失態だとすぐに気付いたが、既に牆壁の向こうから彼女の名を復唱する青年―――風騎の声があった。
「どなたに仕えているの?」
 風騎が訊いてきた。
 当然だろう。いったいどこの誰が、妃嬪ひひん園林ていえんのはずれでおかしな歌を歌っていると思うのか。
 悩んだが、適当な言葉が出てこなかった。不用意なことを言っては、知らない誰かに迷惑をかけてしまう。だから、
「―――昭儀しょうぎ、さまです」
 その名しか出せなかった。
 自分にさま付けするのは、なんだか気持ちが悪い。
 牆壁かべの向こうの人物が、息を呑んだように急に押し黙る。
 突然降りた沈黙に、翠蘭は再び不安になった。
 なにか、いけないことでもあるのだろうか。
「李昭儀さまは、どんなお方だい?」
「あ……」
 風騎ふうきの問いに、翠蘭は今度こそ言葉に詰まった。いいひとだと答えるべきだろうか。風騎からひとづてに皇帝にその噂が届いたら、夜伽に召されてしまうだろうか。それとも素直に風雅うたも詠めずきんも弾けない昭儀だと言えば、夜伽を免れるだろうか。だが、もしも風騎が李家に敵対する家の者だったら、李家はすべてを失うかもしれない。そうなったら、確実に翠蘭の家族に責は及ぶ。
「さっきの歌。そなたが作ったのか?」
 困惑が伝わったのか、風騎は話題を変えた。
「あ……、はい。よく注意をされるんですけど。気がつくと、適当なあほ歌を歌ってしまうものだから」
「確かにあのような面白い歌は聞いたこともないが、そなたの心象がまっすぐに伝わってきていた。壺世宮こせいきゅうに住まう者にも、純粋な心を持った者がいたんだな」
「―――壺世宮のこと、お詳しいのですか?」
「そういうわけじゃないんだが。女の園は恐ろしいと言うだろう?」
「そんなことはないです。こちらに上がって何ヵ月か経ちますけど、街で暮らしていたときに思っていた〝後宮〟とは幾分違う気がします。わたし……わたくしももっと陰険で恐ろしいところだと考えていたけど、そうでもない気がします」
「そうか。陰険と言うか」
「あ、あの、悪気があってのことではなく」
「判っている。―――壺世宮は、見えないところで陰湿にひとを葬り去る場所だ。随分恐ろしい手段で、けんを競った相手の命を奪った妃嬪もいたし。文宗ぶんそうの頃だから、百年以上も前のことだが、百年前だけに限ったことでもない」
 どこか、思わせぶりな言い方だった。
 風騎ふうきは、やはり官吏なのだろう。文宗が誰なのかもいつのひとなのかも、翠蘭は知らない。彼の頭には、この国の歴史が入っているのだ。
「街で暮らしていたと言ったね。ご両親は? 元気でおいでか」
「はい。たぶん、ですけど」
「たぶん?」
「手紙がこなくて」
 本当は、嘘である。鈴葉りんようとして過ごす翠蘭は、用心のため家族との連絡を禁じられていた。
「心配だね。どこかに紛れ込んで迷子になっているだけならいいが」
「ええ。でもきっと、大丈夫です」
 家が、ちゃんと家族の面倒を見てくれているから。
 翠蘭と風騎は、そんな他愛のない話を牆壁かべを挟んでああだこうだと話し込んでいた。
「―――やば」
「はい?」
 急に、風騎の声に緊張が走った。
「悪い、もう行かねば」
「あ……。お仕事の途中だったのでは?」
「そんなところかな。翠蘭も、昭儀しょうぎさまに叱られたりしないか?」
「大丈夫です。叱られたりしません」
 叱られるとしたら、喬玉こうぎょく柑華かんかからだ。
 そわそわと立ち去ろうとする気配があった。
「そなたと言葉を交わせてよかった」
「わたくしもです」
「―――また、ここに話をしに来てもいいか?」
 一瞬の間をおいて問われた言葉に、どきんと、翠蘭の胸が鳴った。
「も、もちろんです」
「では、またな」
 どこか嬉しそうな声があって、牆壁かべの向こうの風騎は駆け去っていった。翠蘭の胸に、熱いなにかを残して。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

夫から国外追放を言い渡されました

杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。 どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。 抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。 そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

処理中です...