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本編
10日目~煌夜side~②
しおりを挟む学校から帰宅してすぐ、煌夜は居間でテレビをつけて漫画を読んでいた。
食べていたポテチがなくなったところで、なにか食べるものを買いに行こうと家を出た時だ。
慌ただしく隣の家から出てきた咲良の父親に声をかける。
「おじさん!こんばんは」
「あ、ぁ、煌夜くん…」
「そうだ。咲良、家にいますか?漫画の続き、借りたくて…」
「すまない、咲良はちょっと…」
「?…なんかあったんスか?」
「病院にね、ちょっと。すまない、僕も行かないといけないから」
「え、病院?」
「じゃ!」
走って駅の方へと向かった咲良の父親を見送りながら、疑問が残る。
「…病院って、咲良のだよな?…なんで…なんかあったのか…?」
咲良の家を見上げると、真っ暗だ。どうやら誰もいないらしい。
「………発作?」
そんなことを考えて、やめる。
「まさかな。もう治ってるだろ」
咲良の病気について詳しくは知らないけれど、一過性のどうちゃらこうちゃらって聞いたような気がする。
「………あとでメールしてみよっと」
もしかしたら、咲良ではなく咲良の母親かもしれない。それに病気だと決まったわけじゃないし、救急車が来たような音もしなかった。
大丈夫だ、と自分に言い聞かせながらコンビニへと向かうのだった。
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