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ネタバラシ
ハンズアウト:彩芽
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キャラクター名:彩芽
年齢:20代
性別:女性
目標:神社の隠し財産である大量のダイヤモンドを回収する。
敗北条件:鳩羽が殺人犯であると告発される。
あるいは鳩羽が神社を相続する。
特殊技能:あなたは調査後に情報共有が一切発生しない。
導入:
高層オフィスビルの一角。
とある投資ファンドの調査員であるあなたは、いつもなら投資先の経営状況を偵察して回るのが日課なのだが、今日は指定されたフロアの会議室に通されていた。
ドアを開けると、そこには壮年に差し掛かりつつある下がり眉毛の男性が座っていた。
男のことをあなたはよく知っている。
国内有数の資産家である黛家の当主にして、あなたの会社の株主。
が、おかしい。
いつもなら何人ものエージェントの間で盥回しにされてきた、要件も詰まっていないような仕事を投げてくるはずなのだ、そんな「お偉い様」が一介の調査員を呼びつけて直接話すなんてことするはずがない。
「娘を見張ってほしい」
馬鹿な相談だ、トップがこれでは弊社も先は短いだろう
「私はベビーシッターではない」と言って席を立つあなただったが、会議室の鍵が開かない。
「我々の仕事にも関わることだ。とりあえず席に着いて話を聞いてほしい」
言葉とは裏腹に、あなたが引き受ける前提で話が進んでいることに苛立ちながらもあなたは席に戻る。
彼の頼みを要約すると、彼の義理の娘である九が家を飛び出して山奥の神社で巫女として働いている。
二人いる神主の片方が(定かではないものの)九の実父であり、万が一のことがあれば彼女にも相続権が発生する。
問題は、その神社が貴金属に買えた隠し財産を抱えている可能性が高い、と言うことだ。
勝手に神社が税務署から取り立てられて破綻する分にはどうでもいいのだが、資産家黛の親族の持つ宗教法人がとなると話は変わってくる。
投資ファンドとしての信頼はガタ落ちになるだろう。
そうなる前に証拠である貴金属を押さえるか、神主が死ぬ前に娘が相続するのを諦めさせるしかない。
そんなものは親子のコミュニケーションで何とかすべきだ。
あなたはそう思うが、提示された報酬は半年で○○万と相応に高額。
やるだけやってみます。
そう言い残し、あなたはやっと会議室から解放されたのだった。
・・・
まずい、まずいぞ。神主が焼け死んでしまった。
まだ、相続権の順位もわかっていないというのに!
既に九改め鳩羽に相続されることが決まってしまったかもしれない。
ならせめて、隠し財産だけでも明らかにしなければ。
大量の銘酒こそ押さえてはみたものの、どれも値段は決め手に欠ける。
何より中に宝石や金貨が入っている、なんてこともなかったのだ。
かといって、仮に鳩羽が殺人犯だったとして、そのことが明らかになったら私もクビは免れないだろう。
裏を返せば、仮にそうでも鳩羽を殺人事件の犯人にするわけにはいかない。
あなたは複雑な事情を抱えながらも暗躍を始めることになる。
年齢:20代
性別:女性
目標:神社の隠し財産である大量のダイヤモンドを回収する。
敗北条件:鳩羽が殺人犯であると告発される。
あるいは鳩羽が神社を相続する。
特殊技能:あなたは調査後に情報共有が一切発生しない。
導入:
高層オフィスビルの一角。
とある投資ファンドの調査員であるあなたは、いつもなら投資先の経営状況を偵察して回るのが日課なのだが、今日は指定されたフロアの会議室に通されていた。
ドアを開けると、そこには壮年に差し掛かりつつある下がり眉毛の男性が座っていた。
男のことをあなたはよく知っている。
国内有数の資産家である黛家の当主にして、あなたの会社の株主。
が、おかしい。
いつもなら何人ものエージェントの間で盥回しにされてきた、要件も詰まっていないような仕事を投げてくるはずなのだ、そんな「お偉い様」が一介の調査員を呼びつけて直接話すなんてことするはずがない。
「娘を見張ってほしい」
馬鹿な相談だ、トップがこれでは弊社も先は短いだろう
「私はベビーシッターではない」と言って席を立つあなただったが、会議室の鍵が開かない。
「我々の仕事にも関わることだ。とりあえず席に着いて話を聞いてほしい」
言葉とは裏腹に、あなたが引き受ける前提で話が進んでいることに苛立ちながらもあなたは席に戻る。
彼の頼みを要約すると、彼の義理の娘である九が家を飛び出して山奥の神社で巫女として働いている。
二人いる神主の片方が(定かではないものの)九の実父であり、万が一のことがあれば彼女にも相続権が発生する。
問題は、その神社が貴金属に買えた隠し財産を抱えている可能性が高い、と言うことだ。
勝手に神社が税務署から取り立てられて破綻する分にはどうでもいいのだが、資産家黛の親族の持つ宗教法人がとなると話は変わってくる。
投資ファンドとしての信頼はガタ落ちになるだろう。
そうなる前に証拠である貴金属を押さえるか、神主が死ぬ前に娘が相続するのを諦めさせるしかない。
そんなものは親子のコミュニケーションで何とかすべきだ。
あなたはそう思うが、提示された報酬は半年で○○万と相応に高額。
やるだけやってみます。
そう言い残し、あなたはやっと会議室から解放されたのだった。
・・・
まずい、まずいぞ。神主が焼け死んでしまった。
まだ、相続権の順位もわかっていないというのに!
既に九改め鳩羽に相続されることが決まってしまったかもしれない。
ならせめて、隠し財産だけでも明らかにしなければ。
大量の銘酒こそ押さえてはみたものの、どれも値段は決め手に欠ける。
何より中に宝石や金貨が入っている、なんてこともなかったのだ。
かといって、仮に鳩羽が殺人犯だったとして、そのことが明らかになったら私もクビは免れないだろう。
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