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告発

ハンズアウト:柳

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キャラクター名: 柳茶凛
年齢:20代
性別:女性
目標:紫野による殺人計画を証拠とともに告発する。
   あるいは紫野と二人きりになり春原菫について聞き出す。
敗北条件:春原菫の死亡が確定する。
制限:自室の調査結果は柳、山吹のいずれに帰属するかは公開されない。
   小柄なため、変装はできない。

導入:
「ああ、この娘なら来たことがあるな。ただ1年以上見てないけど」

そう言って顎髭を撫でるのは、駅前のパン屋の店主の男だった。
子成神社に向かうバスが来るまで時間があったため、あなたと山吹の二人は最寄り駅で聞き込みをすることにしたのだが、彼らの目撃証言からも菫からの連絡に書いてあった「子成神社にいる」という文言には間違いはなさそうだ。

あなたは、もう一つ引っ掛かっていることを男に尋ねた。
紫野についてだ。

「ああ、あの美人か。彼女はここには来たことはないが、駅前にいるのを見たことはあるよ」

男が言うには、紫野と言う女は菫が通っていたような駅前の店には近寄らず、駅から電車に乗りどこかへと出かけているようだ。
服や化粧品の入っているであろう百貨店の紙袋を、同じ男に持たせている様子も何度か見たこともあるという。


「あんな場所でじっとしてるだけじゃ、ああいう高嶺の花には暇だろうしな。町の方でガス抜きでもしてるんじゃないかな」

高嶺の花、ということはそれだけ美人ということなのだろう。



「あれはきっと蟹座ね」

紫野についてそう語るのは、占い師を自称する妙齢の女だった。

「つまり、目的のためなら手段を択ばない、危険な女ってことよ」

・・・占星術的にはそうなのか?
曰く、紫野が巫女として働くようになってから、近隣の男は彼女目当てに神社に行くことが増えたらしい。
お布施もその分貰っているだろう、そうでなければあんなに派手な金遣いできるはずがないと女は言った。

「おそらく虜になってるのは神主の二人もよ」

どうやら、彼女の前にも巫女が2人いたと言うのだが、いずれも紫野が働き始めてから1か月ほどで神社で姿を見なくなったという。
女の予想では、神社における自分のポジションを確立するために、彼女は自分より先にいた巫女を追い出すように神主を唆した、というのだ。

追い出された巫女と言うのが、菫なのではないか?
しかし女は確信を得ない様子で、首をひねるばかりであった。

同じ宗教系の職業と言うこともあり、紫野には相当に恨みがあるのか、女は鼻息荒く続けた。
最近、神主がかわいがっていた野良猫が不審死をしたらしいのだが、その餌も紫野が用意していたのだ。

「あのハゲ達磨がどこまで自分に従順か、野良猫を使って試したに決まってるさ」



―――話をまとめると、菫は確かに子成神社に勤めていた。
そして新しく来た紫野と言う巫女は、美人だが危険な噂も絶えない女性のようだ。
その上、菫の失踪に関わっている可能性だってある。


噂が事実なのだとしたら、打つ手を考えなければならない。



・・・


「何とか探して持ってきたけど、これ僕が着るの?」

神社、夜。
山吹は夜闇に紛れて、麻縄と蛭子の衣装を持ってきた。
この衣装を着て、紫野を縛り上げ、事情を吐かせる。
これがあなたの考えた「打つ手」だった。
問題は小柄なあなたでは変装してもすぐに誰だかわかってしまうということ。
山吹にやってもらうほかない。

噂は本当だった。
双子の神主は、確かに紫野のことを日頃からそわそわと気にしている。
正面から紫野のことを訪ねてもはぐらかされるかもしれない。

「火事だ!」

男の叫び声を聴いた時、ぎょっとすると同時に、運が巡ってきたともあなたは考える。
どさくさに紛れて、菫について調べる好機だ、と。
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