29 / 38
告発
ハンズアウト:柳
しおりを挟む
キャラクター名: 柳茶凛
年齢:20代
性別:女性
目標:紫野による殺人計画を証拠とともに告発する。
あるいは紫野と二人きりになり春原菫について聞き出す。
敗北条件:春原菫の死亡が確定する。
制限:自室の調査結果は柳、山吹のいずれに帰属するかは公開されない。
小柄なため、変装はできない。
導入:
「ああ、この娘なら来たことがあるな。ただ1年以上見てないけど」
そう言って顎髭を撫でるのは、駅前のパン屋の店主の男だった。
子成神社に向かうバスが来るまで時間があったため、あなたと山吹の二人は最寄り駅で聞き込みをすることにしたのだが、彼らの目撃証言からも菫からの連絡に書いてあった「子成神社にいる」という文言には間違いはなさそうだ。
あなたは、もう一つ引っ掛かっていることを男に尋ねた。
紫野についてだ。
「ああ、あの美人か。彼女はここには来たことはないが、駅前にいるのを見たことはあるよ」
男が言うには、紫野と言う女は菫が通っていたような駅前の店には近寄らず、駅から電車に乗りどこかへと出かけているようだ。
服や化粧品の入っているであろう百貨店の紙袋を、同じ男に持たせている様子も何度か見たこともあるという。
「あんな場所でじっとしてるだけじゃ、ああいう高嶺の花には暇だろうしな。町の方でガス抜きでもしてるんじゃないかな」
高嶺の花、ということはそれだけ美人ということなのだろう。
「あれはきっと蟹座ね」
紫野についてそう語るのは、占い師を自称する妙齢の女だった。
「つまり、目的のためなら手段を択ばない、危険な女ってことよ」
・・・占星術的にはそうなのか?
曰く、紫野が巫女として働くようになってから、近隣の男は彼女目当てに神社に行くことが増えたらしい。
お布施もその分貰っているだろう、そうでなければあんなに派手な金遣いできるはずがないと女は言った。
「おそらく虜になってるのは神主の二人もよ」
どうやら、彼女の前にも巫女が2人いたと言うのだが、いずれも紫野が働き始めてから1か月ほどで神社で姿を見なくなったという。
女の予想では、神社における自分のポジションを確立するために、彼女は自分より先にいた巫女を追い出すように神主を唆した、というのだ。
追い出された巫女と言うのが、菫なのではないか?
しかし女は確信を得ない様子で、首をひねるばかりであった。
同じ宗教系の職業と言うこともあり、紫野には相当に恨みがあるのか、女は鼻息荒く続けた。
最近、神主がかわいがっていた野良猫が不審死をしたらしいのだが、その餌も紫野が用意していたのだ。
「あのハゲ達磨がどこまで自分に従順か、野良猫を使って試したに決まってるさ」
―――話をまとめると、菫は確かに子成神社に勤めていた。
そして新しく来た紫野と言う巫女は、美人だが危険な噂も絶えない女性のようだ。
その上、菫の失踪に関わっている可能性だってある。
噂が事実なのだとしたら、打つ手を考えなければならない。
・・・
「何とか探して持ってきたけど、これ僕が着るの?」
神社、夜。
山吹は夜闇に紛れて、麻縄と蛭子の衣装を持ってきた。
この衣装を着て、紫野を縛り上げ、事情を吐かせる。
これがあなたの考えた「打つ手」だった。
問題は小柄なあなたでは変装してもすぐに誰だかわかってしまうということ。
山吹にやってもらうほかない。
噂は本当だった。
双子の神主は、確かに紫野のことを日頃からそわそわと気にしている。
正面から紫野のことを訪ねてもはぐらかされるかもしれない。
「火事だ!」
男の叫び声を聴いた時、ぎょっとすると同時に、運が巡ってきたともあなたは考える。
どさくさに紛れて、菫について調べる好機だ、と。
年齢:20代
性別:女性
目標:紫野による殺人計画を証拠とともに告発する。
あるいは紫野と二人きりになり春原菫について聞き出す。
敗北条件:春原菫の死亡が確定する。
制限:自室の調査結果は柳、山吹のいずれに帰属するかは公開されない。
小柄なため、変装はできない。
導入:
「ああ、この娘なら来たことがあるな。ただ1年以上見てないけど」
そう言って顎髭を撫でるのは、駅前のパン屋の店主の男だった。
子成神社に向かうバスが来るまで時間があったため、あなたと山吹の二人は最寄り駅で聞き込みをすることにしたのだが、彼らの目撃証言からも菫からの連絡に書いてあった「子成神社にいる」という文言には間違いはなさそうだ。
あなたは、もう一つ引っ掛かっていることを男に尋ねた。
紫野についてだ。
「ああ、あの美人か。彼女はここには来たことはないが、駅前にいるのを見たことはあるよ」
男が言うには、紫野と言う女は菫が通っていたような駅前の店には近寄らず、駅から電車に乗りどこかへと出かけているようだ。
服や化粧品の入っているであろう百貨店の紙袋を、同じ男に持たせている様子も何度か見たこともあるという。
「あんな場所でじっとしてるだけじゃ、ああいう高嶺の花には暇だろうしな。町の方でガス抜きでもしてるんじゃないかな」
高嶺の花、ということはそれだけ美人ということなのだろう。
「あれはきっと蟹座ね」
紫野についてそう語るのは、占い師を自称する妙齢の女だった。
「つまり、目的のためなら手段を択ばない、危険な女ってことよ」
・・・占星術的にはそうなのか?
曰く、紫野が巫女として働くようになってから、近隣の男は彼女目当てに神社に行くことが増えたらしい。
お布施もその分貰っているだろう、そうでなければあんなに派手な金遣いできるはずがないと女は言った。
「おそらく虜になってるのは神主の二人もよ」
どうやら、彼女の前にも巫女が2人いたと言うのだが、いずれも紫野が働き始めてから1か月ほどで神社で姿を見なくなったという。
女の予想では、神社における自分のポジションを確立するために、彼女は自分より先にいた巫女を追い出すように神主を唆した、というのだ。
追い出された巫女と言うのが、菫なのではないか?
しかし女は確信を得ない様子で、首をひねるばかりであった。
同じ宗教系の職業と言うこともあり、紫野には相当に恨みがあるのか、女は鼻息荒く続けた。
最近、神主がかわいがっていた野良猫が不審死をしたらしいのだが、その餌も紫野が用意していたのだ。
「あのハゲ達磨がどこまで自分に従順か、野良猫を使って試したに決まってるさ」
―――話をまとめると、菫は確かに子成神社に勤めていた。
そして新しく来た紫野と言う巫女は、美人だが危険な噂も絶えない女性のようだ。
その上、菫の失踪に関わっている可能性だってある。
噂が事実なのだとしたら、打つ手を考えなければならない。
・・・
「何とか探して持ってきたけど、これ僕が着るの?」
神社、夜。
山吹は夜闇に紛れて、麻縄と蛭子の衣装を持ってきた。
この衣装を着て、紫野を縛り上げ、事情を吐かせる。
これがあなたの考えた「打つ手」だった。
問題は小柄なあなたでは変装してもすぐに誰だかわかってしまうということ。
山吹にやってもらうほかない。
噂は本当だった。
双子の神主は、確かに紫野のことを日頃からそわそわと気にしている。
正面から紫野のことを訪ねてもはぐらかされるかもしれない。
「火事だ!」
男の叫び声を聴いた時、ぎょっとすると同時に、運が巡ってきたともあなたは考える。
どさくさに紛れて、菫について調べる好機だ、と。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
探偵内海は宝船を仕舞いこむ
八木山
ミステリー
▼登場人物
内海:
元警官の探偵。立ち位置は右。
「なんぼあってもいい」ものをポケットに入れて依頼を引き受ける。
駒場:
敏腕マッチョ刑事。立ち位置は左。
本来なら事件の真相にたどり着いているはずだが、情報を整理できないせいで迷宮入りになりかける。
ヨシノ:
IQは200を超え、この世の全ての答えを知る男。
※品田遊先生の方が百倍面白いものを書いてます
総務の黒川さんは袖をまくらない
八木山
ミステリー
僕は、総務の黒川さんが好きだ。
話も合うし、お酒の趣味も合う。
彼女のことを、もっと知りたい。
・・・どうして、いつも長袖なんだ?
・僕(北野)
昏寧堂出版の中途社員。
経営企画室のサブリーダー。
30代、うかうかしていられないなと思っている
・黒川さん
昏寧堂出版の中途社員。
総務部のアイドル。
ギリギリ20代だが、思うところはある。
・水樹
昏寧堂出版のプロパー社員。
社内をちょこまか動き回っており、何をするのが仕事なのかわからない。
僕と同い年だが、女性社員の熱い視線を集めている。
・プロの人
その道のプロの人。
どこからともなく現れる有識者。
弊社のセキュリティはどうなってるんだ?

聖女の如く、永遠に囚われて
white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。
彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。
ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。
良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。
実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。
━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。
登場人物
遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。
遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。
島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。
工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。
伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。
島津守… 良子の父親。
島津佐奈…良子の母親。
島津孝之…良子の祖父。守の父親。
島津香菜…良子の祖母。守の母親。
進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。
桂恵… 整形外科医。伊藤一正の同級生だった。
秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。
尖閣~防人の末裔たち
篠塚飛樹
ミステリー
元大手新聞社の防衛担当記者だった古川は、ある団体から同行取材の依頼を受ける。行き先は尖閣諸島沖。。。
緊迫の海で彼は何を見るのか。。。
※この作品は、フィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
※無断転載を禁じます。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる