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劇薬
会議3 後編
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山吹は、まるで下痢にでもなったかのような脂汗を額ににじませ、痛ましい表情で黒木を見つめた。
山吹(女を殴ってそうな顔):
あなたも、老竹さんと月白さんみたいに、復讐しに来たんじゃないですか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
・・・勘違いしないでください、綾・・・妹も娘も元気に生きてますよ。
自分はただ、義理の弟の顔を拝みに来ただけです。
娘の顔を見たがると思って、写真を持ってきただけですよ。
山吹(女を殴ってそうな顔):
じゃあ、やっぱりあの塔で・・・?
黒木(ヒョロガリ社会人):
ええ。妹とは同意の上だったようです。
元々年上趣味なところがあったので、それでかもしれません。
月白(ババアIS撲殺犯):
随分上を狙ったじゃない。
老竹(若者IS放火犯):
理屈は通っちゃいるけどさぁ。
紫野(脇見せ巫女):
黒木さん。
それなら、姪御さんの最近の写真を見せてくれませんか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
この写真が最新ですが。
老竹(若者IS放火犯):
あ、それはおかしいわ!
だって、黒木綾香はここに来たの、2年前だもんな。
そっから10か月たって生んだとして、今生後1歳ぐらいだろ?
そしたらこんな皺くちゃじゃねえだろ、俺パパだから知ってるけどさ!
彩芽(ジェラピケ巫女):
今までの全部嘘ってこと~?
こっわ!
黒木(ヒョロガリ社会人):
単純に、写真がそれしかなかったんですよ!
いい加減にしてくださいよ、今探すべきなのは柳さんを罠にハメた犯人でしょ!?
私はトリカブトなんて持ってないし、柳さんとは面識すらない。
紫野(脇見せ巫女):
・・・・・あなたも、蛭子から呼ばれたんじゃないんですか?
椅子から立ち上がり声を荒げる黒木に、目を伏せながら静かに口を開く紫野。
彼女は、折り畳まれた一枚の和紙を机の上に滑らせる。
それは、月白と老竹にも届いていた、蛭子の手紙だった。
黒木(ヒョロガリ社会人):
・・・・・どういう・・・ことだ?
どうしてアンタがそれを持ってる!?
紫野(脇見せ巫女):
中身を読みました。
あなたは蛭子に呼ばれ、厨房が空になる隙をついて酒に毒を入れた。
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う。
紫野(脇見せ巫女):
動機は何ですか?
最愛の妹を孕ませた復讐ですか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う、違う、違う違う違うんだ!
紫野(脇見せ巫女):
だから、あなたは激しく動揺した。
まさか、標的じゃない藍丈が自分が毒を入れた梅酒を飲んで死ぬとは思っていなかったから。
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う!そうじゃない!
紫野(脇見せ巫女):
そう、そうじゃない。
それを、証明しましょう。
鳩羽(眼鏡スレンダー巫女):
話についていけないんですが。
紫野(脇見せ巫女):
なら全員そのままついてきて。
山吹(女殴ってそうな顔):
何がどうなってるんだ、一体・・・
抑揚のない声で言うと、紫野は立ち上がり部屋から出ようとする。
そして振り返り、「黒木さん?」と、自分についてくるように促した。
山吹(女を殴ってそうな顔):
あなたも、老竹さんと月白さんみたいに、復讐しに来たんじゃないですか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
・・・勘違いしないでください、綾・・・妹も娘も元気に生きてますよ。
自分はただ、義理の弟の顔を拝みに来ただけです。
娘の顔を見たがると思って、写真を持ってきただけですよ。
山吹(女を殴ってそうな顔):
じゃあ、やっぱりあの塔で・・・?
黒木(ヒョロガリ社会人):
ええ。妹とは同意の上だったようです。
元々年上趣味なところがあったので、それでかもしれません。
月白(ババアIS撲殺犯):
随分上を狙ったじゃない。
老竹(若者IS放火犯):
理屈は通っちゃいるけどさぁ。
紫野(脇見せ巫女):
黒木さん。
それなら、姪御さんの最近の写真を見せてくれませんか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
この写真が最新ですが。
老竹(若者IS放火犯):
あ、それはおかしいわ!
だって、黒木綾香はここに来たの、2年前だもんな。
そっから10か月たって生んだとして、今生後1歳ぐらいだろ?
そしたらこんな皺くちゃじゃねえだろ、俺パパだから知ってるけどさ!
彩芽(ジェラピケ巫女):
今までの全部嘘ってこと~?
こっわ!
黒木(ヒョロガリ社会人):
単純に、写真がそれしかなかったんですよ!
いい加減にしてくださいよ、今探すべきなのは柳さんを罠にハメた犯人でしょ!?
私はトリカブトなんて持ってないし、柳さんとは面識すらない。
紫野(脇見せ巫女):
・・・・・あなたも、蛭子から呼ばれたんじゃないんですか?
椅子から立ち上がり声を荒げる黒木に、目を伏せながら静かに口を開く紫野。
彼女は、折り畳まれた一枚の和紙を机の上に滑らせる。
それは、月白と老竹にも届いていた、蛭子の手紙だった。
黒木(ヒョロガリ社会人):
・・・・・どういう・・・ことだ?
どうしてアンタがそれを持ってる!?
紫野(脇見せ巫女):
中身を読みました。
あなたは蛭子に呼ばれ、厨房が空になる隙をついて酒に毒を入れた。
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う。
紫野(脇見せ巫女):
動機は何ですか?
最愛の妹を孕ませた復讐ですか?
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う、違う、違う違う違うんだ!
紫野(脇見せ巫女):
だから、あなたは激しく動揺した。
まさか、標的じゃない藍丈が自分が毒を入れた梅酒を飲んで死ぬとは思っていなかったから。
黒木(ヒョロガリ社会人):
違う!そうじゃない!
紫野(脇見せ巫女):
そう、そうじゃない。
それを、証明しましょう。
鳩羽(眼鏡スレンダー巫女):
話についていけないんですが。
紫野(脇見せ巫女):
なら全員そのままついてきて。
山吹(女殴ってそうな顔):
何がどうなってるんだ、一体・・・
抑揚のない声で言うと、紫野は立ち上がり部屋から出ようとする。
そして振り返り、「黒木さん?」と、自分についてくるように促した。
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