子成神社殺人事件~ダブったよ2024~

八木山

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白状

調査2 紫野、月白

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紫野 → 老竹の部屋
月白 → 老竹の部屋


紫野が老竹の部屋に入ると、そこには白髪頭の先客がいた。
月白は老竹のキャリーバッグをまさぐっていた顔を持ち上げ、紫野を一瞥する。
紫野は「どうも」とだけ声をかけるが、老婦は他人の荷物を物色する姿を見られて尚バツが悪そうにすることもなく、再び荷物を広げる作業へと戻ってしまった。
その月白が驚いたように小さく声を漏らしたのは、少し経ってからだった。


■調査結果 老竹の部屋①
老竹の荷物からは、着火剤とマッチが見つかった。
封は切られ、既に使用されていることが分かる。
いずれもポケットに収まるようなサイズで、
換気扇などの小さな隙間から火を点けた状態で着火剤を放り込むことは容易だろう。


月白(ババア無理すんな):
これ、赤の塔に火を点けたのは老竹じゃない・・・?

紫野(脇見せ巫女):
状況証拠としては一致しますよね。
ただ、動機は・・・?

月白(ババア無理すんな):
それこそ、自分で見つけたっていうあの名簿、名前が意図的に消されてたじゃない。
老竹が自分に関連する名前を消した、って考えれば筋は通るじゃない?

紫野(脇見せ巫女):
なるほど。
それってもしかして、この女性だったりしませんか。


■調査結果 老竹の部屋②
老竹の財布からは、少し前に撮ったと思われる、
老竹と金髪の女性のツーショットのプリクラが見つかった。
「みか♡うめまつ」と書いてあり、
二人のピースをする左手の薬指には結婚指輪がはめられている。


紫野(脇見せ巫女):
多分この「みか」って人が、ここに来てたんです。

月白(ババア無理すんな):
彼女は何かの事件に巻き込まれ、老竹はそのことを調べに来たか、あるいは理由を知っていて復讐に走った。

紫野(脇見せ巫女):
・・・そもそも放火時点で老竹さんはアリバイがない。
食堂の窓から赤の塔への距離は近いし、火種を投げ込んでから食堂に戻って何食わぬ顔で合流もできます。

月白(ババア無理すんな):
なら、あの「白い人影」っていうのは?

紫野(脇見せ巫女):
・・・でっちあげた。
だからほかに目撃者がいなかったんです。

月白(ババア無理すんな):
なら、鳩羽が厨房から出ていったのを見たというのは?

紫野(脇見せ巫女):
きっと、その直前に本人がそう言ったのを受けて、辻褄を合わせるために言ったんですよ!


二人は顔を見合わせた。
口に出さずともいわんとしていることはお互い一緒だとすぐにわかる。
今すぐに、老竹を探さなければ。

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