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第七問

「正解、432番」

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「正解、432番」


ゆるりとドアに歩み寄り、リストバンドをかざす。
開いたのは、


「おお、おめでとうございます」


男がケホと小さく咳き込んでから俺の背に声をかけるが、俺は礼をいう気分になれないでいた。


「でもどうして青の扉だってわかったんです?」
「・・・お前の言った『耳に関する選択肢が赤ならそれが答え』っていうルールには欠陥があったから」
「欠陥ですか?」
「ああ。俺の5問目を思い出したんだよ」

Q5 一羽、二羽と数えるのは?
A5 鵜(青)

問題は俺が回答しなかった赤の選択肢、「兎」であった。
耳にこれでもかってほど関係のある選択肢が赤だったのに、実際の正解は青だったわけで。


「でもそれは、あくまで僕のルールが間違っているというだけで、いわばスタート地点に戻っただけですよね。青が答えかどうかなんてわからないじゃないですか」
「実際賭けだったよ。お前がまだ10億を諦めてないなら、俺を間違った回答に誘導する。その可能性に賭けたんだ」


答え合わせの時間だ。
、この男は俺に100万の借りを作った。
これで、最低限の目的は達成されているのだろう。
それでも男にとっての最善のシナリオは、「俺に100万で回答権を譲った上で俺が間違ったボタンを押す」なのだ。


――先にボタンを押した参加者が正しいボタンを押しているか否かによって、勝敗が決定する。


三間坂さんのルール説明が正しければ、対戦相手が間違ったボタンを押した後に正解のボタンを押す必要はない。
回答権を譲ったところで俺が間違った時点でこの男は勝利となり、次の問題へと進むことができる。


「お前は赤のボタンが俺にとっての不正解のボタンだってわかってたんじゃないか?」


そしてそれはつまり、既に答えのルールにたどり着いたってことになる。
だが、男からの返事はなかった。
俺は意を決して、男の方へと振り返る。
ここはまだ7問目なのだ。
残りの問題を解くためにも、ここでこのクイズの回答と出題のルールをはっきりとさせておく必要がある

だが、そこにあった男の顔は――――
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