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第五問

うっ!

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カウントダウンが終わり、問題が表示される。
鳥!鳥!鳥!む!



寄りにもよって兎ィ!?
兎も一羽って数えなかったかァ!?
いや、一把の訛りだったか!?
・・・やばい!
無駄に持った豆知識のせいで、ボタンを押す手が一瞬止まってしまった!

が、ボタンを押す音が鳴らない。
驚愕に目と口を見開いたVipperの横顔が、一瞬だけ視界の端に入る。
迷っている。何か、プランが崩れたに違いない!

あーもう考えるのもめんどくせぇ!
うおおおおおおお!あくまで俺のプランは鳥の方!
鳥のウの方だああああ!!!


ベチン!

俺が力強くボタンを押した音が響き、一瞬の間の後に音声が流れる。


「正解、432番」
「っしゃあああああああああああああああああ!はい、俺の勝ち!ザマミロ!ザマミロ!喪女板にカエレ!」


俺の煽りは耳に入っていないのか、青の「鵜」だけが残った画面を見て怒りに震えているVipper。
彼女はとうとう叫び声をあげた。


「うっせー!うっせー!正解は赤じゃないのかよ!!」
「はぁ?青だろ。鳥だしよ」
「こっちこそ『はぁ』なんだが?兎だって一羽って数えるだろ!これは出題者が在日でおk!?」


俺はすでに前の問題で「これどっちもどっちじゃね?」という問題を見ていた。
勝敗を分けたのは、経験の差と言うわけだ。


「兎って鳥じゃないしな。それは諸説あるやつってことなんじゃないの?」


と、適当に誤魔化すが、それでも彼女は納得いかないというようにゴロゴロと床を転がりまわる。
最初といい、この女、床で横になるのに抵抗なさすぎないか?


「私には必勝法があったのに!」
「ちなみにその必勝法って何だったんだ?」
「・・・【正解は絶対に赤】」


Vipperは恥ずかしいのか、顔を床に押し付けたまま言った。


「最初の最初から全部赤のドアを通ってきたから今回も赤が正解だと思ってたんだよ!悪いか!」
「悪いだろ、頭が」
「●ね!」


ガキかよw見苦しいったらありゃしない。
何でこう、勝利を確信してる奴は小学生みたいな理屈で戦ってくるかね。
最初の眼鏡といい・・・眼鏡かけてるやつって馬鹿なのか?
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