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第三問
32-30
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「誰も10億は手にできない」だと?
流石にそれは聞き捨てならない。
「おい、それどういう意味だ」
「いや、サクラがいることくらい、ちょっと考えればわかるじゃないスか」
そうなの?つーか、今度はクイズの後にクイズやらされてないか!?
訝しむ俺をよそに、彼女は続ける。
「参加者は30個のグループに分けられた。列の先頭の人は全員揃ってエレベータに乗り込み、ゲームが始まった。ここまではいいスか?」
「ああ。それは俺も見ていたからわかる」
「じゃあ次。5回の対戦が発生するトーナメントには、最低で何人が必要スか?」
「え?そりゃあ・・・2、4、8、16、32人だ」
「最初の時点でプレイヤーが2人足りないんスよ」
「それがサクラってことか」
・・・言わんとしていることがようやく理解できた。
その2人は勿論運営が仕込んだ、10問目までに立ちはだかるストッパー。
この先のどこかで回答を知っているとしか思えない早押しをされて、残念さよなら参加賞を叩きつけられるってわけだ。
そうでなくてもクイズの部屋の問題がめちゃくちゃ難しい可能性だってある。
まさに金持ちのお遊戯。手の込んだ無理ゲー。蟻の観察キットってわけだ。
だからこの女はあっさりと諦めた。
「10億もらったら、普通は自分の身を案じて姿を現さない。ってことは役者か何かに演じさせてもバレやしないスよ」
「それがマジなら手の込んだ詐欺だな・・・実害ないからいいけど」
肩をすくめる彼女は「ま、幸運を~」とダルそうに言って俺を見送った。
これこそが真実と決まったわけではないが、俺は穏やかならぬ胸中で次の部屋へと歩みを進めるのだった。
流石にそれは聞き捨てならない。
「おい、それどういう意味だ」
「いや、サクラがいることくらい、ちょっと考えればわかるじゃないスか」
そうなの?つーか、今度はクイズの後にクイズやらされてないか!?
訝しむ俺をよそに、彼女は続ける。
「参加者は30個のグループに分けられた。列の先頭の人は全員揃ってエレベータに乗り込み、ゲームが始まった。ここまではいいスか?」
「ああ。それは俺も見ていたからわかる」
「じゃあ次。5回の対戦が発生するトーナメントには、最低で何人が必要スか?」
「え?そりゃあ・・・2、4、8、16、32人だ」
「最初の時点でプレイヤーが2人足りないんスよ」
「それがサクラってことか」
・・・言わんとしていることがようやく理解できた。
その2人は勿論運営が仕込んだ、10問目までに立ちはだかるストッパー。
この先のどこかで回答を知っているとしか思えない早押しをされて、残念さよなら参加賞を叩きつけられるってわけだ。
そうでなくてもクイズの部屋の問題がめちゃくちゃ難しい可能性だってある。
まさに金持ちのお遊戯。手の込んだ無理ゲー。蟻の観察キットってわけだ。
だからこの女はあっさりと諦めた。
「10億もらったら、普通は自分の身を案じて姿を現さない。ってことは役者か何かに演じさせてもバレやしないスよ」
「それがマジなら手の込んだ詐欺だな・・・実害ないからいいけど」
肩をすくめる彼女は「ま、幸運を~」とダルそうに言って俺を見送った。
これこそが真実と決まったわけではないが、俺は穏やかならぬ胸中で次の部屋へと歩みを進めるのだった。
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