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破章
邂逅
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「こんにちは、僕はタナミチチナミと言います。ただいまの状況について、僕も驚いてます」
努めて冷静に、主人公はそう言った。
敵意がないことを示すために、両手を広げて胸の前に上げる。
「それと、自分から誰かを閉じ込めた覚えはありません」
指からこぼれたカードキーを、女は拾い上げる。
「タナミチ チナミ、4番」
書かれていた文字を読みながらそのままテーブルまで戻ると、置かれていた機械にかざす。
「これもダメ」と首を横に振る女。
「・・・だろうな」と男は頷き、小さく息をつきタナミチから眼をそらした。
女はタナミチに歩み寄り、タナミチのカードを手渡した。
そしてポケットに突っ込んでいた自分のカードを見せながら言った。
「貸してくれてありがとう。私はアサクラサクラ。日が昇る朝に倉庫の倉、桜はチェリーの朝倉桜。大学で民俗学を勉強してる」
カードには彼女の言う通り、「アサクラ サクラ 1」と青い文字が書かれていた。
そして、カードには黒い汚れのようなものが付着した、ほじくったような穴が開いている。
「あそこにいる眼鏡の男はアカイタ。ほら、自己紹介して?」
茶髪の男は舌打ちをする。
「・・・アカイタタカ。赤い板、鳥の鷹で、アカイタタカ。専攻は・・・薬学。」
アカイタは壁を向いたまま、吐き捨てるように言った。
アサクラはその態度にため息を吐く。
「あなたも私たち同様に巻き込まれた側だって、いったん受け入れることにするわ。それと、ごめん。私たち二人とも半日はここに閉じ込められてるし、ナカガミさんがあんなことになったから、気が立ってて・・・」
「俺たちと一緒に閉じ込められてた女が死んでるんだ、そこの部屋で」
アカイタが指さしたのは、タナミチのいた部屋のドアから見て左の壁。
こりゃ、中を覗くのには勇気がいるぞ・・・?
うん?んんん?混乱してきた。
何故カードをテーブルにかざした?
それに、人が死んでるって?
ここから出ようと思って出てきたのに、何がどうなってるんだ?
何から確認すべきだ?
努めて冷静に、主人公はそう言った。
敵意がないことを示すために、両手を広げて胸の前に上げる。
「それと、自分から誰かを閉じ込めた覚えはありません」
指からこぼれたカードキーを、女は拾い上げる。
「タナミチ チナミ、4番」
書かれていた文字を読みながらそのままテーブルまで戻ると、置かれていた機械にかざす。
「これもダメ」と首を横に振る女。
「・・・だろうな」と男は頷き、小さく息をつきタナミチから眼をそらした。
女はタナミチに歩み寄り、タナミチのカードを手渡した。
そしてポケットに突っ込んでいた自分のカードを見せながら言った。
「貸してくれてありがとう。私はアサクラサクラ。日が昇る朝に倉庫の倉、桜はチェリーの朝倉桜。大学で民俗学を勉強してる」
カードには彼女の言う通り、「アサクラ サクラ 1」と青い文字が書かれていた。
そして、カードには黒い汚れのようなものが付着した、ほじくったような穴が開いている。
「あそこにいる眼鏡の男はアカイタ。ほら、自己紹介して?」
茶髪の男は舌打ちをする。
「・・・アカイタタカ。赤い板、鳥の鷹で、アカイタタカ。専攻は・・・薬学。」
アカイタは壁を向いたまま、吐き捨てるように言った。
アサクラはその態度にため息を吐く。
「あなたも私たち同様に巻き込まれた側だって、いったん受け入れることにするわ。それと、ごめん。私たち二人とも半日はここに閉じ込められてるし、ナカガミさんがあんなことになったから、気が立ってて・・・」
「俺たちと一緒に閉じ込められてた女が死んでるんだ、そこの部屋で」
アカイタが指さしたのは、タナミチのいた部屋のドアから見て左の壁。
こりゃ、中を覗くのには勇気がいるぞ・・・?
うん?んんん?混乱してきた。
何故カードをテーブルにかざした?
それに、人が死んでるって?
ここから出ようと思って出てきたのに、何がどうなってるんだ?
何から確認すべきだ?
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