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【ヤクソ・セイッツェマン-要するに第七話-】クレイジーサイコレズ VS ハリガネンジャー☆彡【シニネン・ルク-青の章-04-】

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「はぁ…… なんだかんだでマダムさんは嫌いな敵ではなかったのですが…… あなたは嫌いです」
 怪人と言っていいのかも不明ですね。
 ただのロープやワイヤーって言ったほうが早いかと。
 いえ、どこに口があるのわかりませんがしゃべっているので、ただのワイヤーといことはないのですが。
 怪人というよりは怪異や妖怪って言ったほうがしっくりきますね。
 それと、マダムさんの方を一応、確認すると既に絶命しているようですね。
 怪人の肉体は既に消滅しているようです。
 これでただの蟷螂に戻って…… いるのですよね?
 元の蟷螂に戻りつつあるようですね。
 まったくこのワイヤーは……
「クククッ、俺様はお前のこと嫌いじゃないぜ? 若く美しい女はいいよなぁ! その体、俺様がもらい受けるぜ?」
「ハリガネムシのあなたが? 私を? 触手寄生ものですか…… ちょっと興味はありますが自分がやられるのは、ないですね」
 ふむ……
 なるほど……
 そういうジャンルもありですね。
 対象は、グリーナリー辺りがいいんじゃないんでしょうか。
 少々気が強めの彼女が体内に入られた寄生虫に良いようにされ、その綺麗な顔を歪めるのはさぞ美しいことでしょう……
 ふふっ、悪くはないですね。
「クックックッ、関係ねぇーよ! 体の中に入っちまえば俺様の勝ちなのだからな!」
「どうやって?」
「こうやってだよ!!」
 しなるワイヤーのように、かなりの速度でハリガ…… 何て名前でしたっけ?
 まあ、いいです。
 ハリガネムシの怪人が動き回りますが、どういう原理で動き回っているんでしょうかね?
 ミミズのように伸縮しているわけではありませんし、見た目はただのワイヤーですなのですが、あのように素早くのたうち回るだなんて。
 逆に予想し難い動きですね。
 ただし、その場でのたうち回っているだけで、こちらを狙っているとは思えないのですが。
「ヤーセイナ!」
 万が一、ということもあるで、とりあえずもう一度、氷の壁を作って置きましょうか。
「クククっ、俺様が怖いようだな!」
 ワイヤーとこうやって会話していると自分の正気が削れていく気がしますね。
「いえ、その場でのたうち回っているだけじゃありません? そもそもハリガネムシって無脊椎動物にしか寄生できないんじゃなかったでしたっけ?」
 まあ、それはただのハリガネムシではの話ですが。
 怪人となった目の前の…… ワイヤーかロープとしか言えないような物に何らかの能力が追加されていてもおかしくはないのですよね。
「クククッ、無脊椎動物とはなんだ!?」
 やっぱり虫は虫ですか。
 まあ、脳みそがちゃんとあるようには思えませんし。
 それを考えるとこうやって話している時点で不思議ではあるのですよね。
「ああ、はい。まあ、怪人ですからね。ハリガネムシの生態がそのままとは思いませんが、経口摂取で寄生するのではなかったでしたっけ? そもそもそこまで成長してしまえばもう寄生しないのでは?」
「クククッ、その通り! 俺様は成虫したため、もう寄生しなくとも生きていける…… だが俺様は怪人となった今、成虫になっても再寄生できるのだ! それがどんな生物にだろうともな! そして、寄生された生物は、俺様にその体を意識はそのままなのに体の自由を乗っ取られるワケよ! キキキッ!!」
 そのシチュエーションは嫌いじゃないですね。
 やはり対象はグリーナリーが良くお似合いになるかと思いますよ。
「それがあなたに授けられた魔法というわけですね…… ですが肝心の寄生方法が……」
「クククッ、本来の予定では、貴様とマダムマンティスが恋仲になり、キスをしてその隙に俺様が貴様に寄生する手はずだったのだ!」
 あの凶悪な蟷螂の口とキスですか…… 身の毛もよだちはしますが…… ふむ……
 あり……? いえ、なしですわね。
 しかし、実際の自分の体ではないこの魔法少女の体でなら…… いえいえ、ありませんわね。
「ああ、はい、それもないですが」
「クククッ、嘘をつけ! 貴様が百合少女ということは既にデスヘルラー大総督は見抜いておられるぞ」
 一体何を観察しているんでしょうかね?
 よく現場を飛び回っているドローンの事ですよね。
 あれで観察、というか覗き見しているんですよね。
 逆探知できないかと思ってほっておきましたが、次から見かけたら即撃ち落とすことにしましょうか。
「百合…… それは少し違いますね」
 デスヘルラー大総督ですか。それがマスタ・ケイジュを捕まえている人間ですかね?
 まあ、あからさまな偽名ですし、それを知れたところであまり意味はなさそうですが。
「クククッ、何が違う! もうバレているのだぞ!」
 何を勘違いしていらっしゃるんでしょうかね。この人達は。人ではないですけれども。
「私は百合ではなくガチレズですので。常日頃から美少女、できれば魔法少女とナメクジの交尾のように絡み合いたいと思っています。まあ、百合とガチレズの解釈は人それぞれあるとは思いますが、私はこだわりがありますので区別させてもらってます」
 広義的には同じ意味なのでしょうけれども。
 私的には意味が違います。本来の意味は置いて置きまして、百合と言うと、女の子同士のイチャイチャ止まりあってもキスくらいまで。
 これが私の中の百合です。
 その先の行為に入るのなら、私の中でレズと言わさせていただいております。
 さらにその先をガチレズと表現させていただいてます。
 一般的な意味とは、また少し違ってはいますかもしれませんが、少なくとも私の中ではそうなっています。
「な、なに!? そ、そうか。では逆に俺様を組まないか? 俺様を別の魔法少女に飲ませれば、貴様の夢も叶うというもの…… どうだ!?」
「それは…… とても魅力的な提案ですね。でも、言いましたよね? 私、あなたのこと死ぬほど嫌いなんです」
 くっ、このワイヤー、虫のくせして何て魅力的な提案を……
 危なく乗りかけてしまうところでした。
「クククッ、交渉決裂か。なら、やはり貴様の体を乗っ取らせてもらおう、その上で貴様の望みもかなえてやるぞ! ぐわはははっ!」
 そう言っていますが、その場でのたうち回っているだけですよね、もしかしてこのワイヤー。もしかして地上では自由に動けないのでは?
 もういいですね。終わらせましょうか。
「はあ、もうあなたとの会話も飽きました。死んでください、ヤーンピッキ!」
 私の放った氷の棘は当たりもしませんでした。
 相手がワイヤー状で細すぎるせいですね。
「クククッ、どうした魔法少女よ、俺様にかすりもしてないぞ!」
「なら、キュルマ・パイッカ」
 周囲の温度を極低温に下げるこの魔法なら細いこのよくわからないものにもあたることでしょうし。
「クククッ、無駄よ無駄!! ハリガネムシの怪人であり俺様にはシスト状態というものがあるのだ! 殻を作り休眠することでマイナス三十度にも耐えうることができるのだ!! ひゃっひゃっひゃっ!」
 またマイナス三十度ですか。何かの目安なんですかね?
 まあ、それは置いておいてなるほど。休眠ですか。良い事を聞きました。予定を変更いたしましょう。
「それは良い事を聞きました。つまりシスト状態にしてしまえば、あなたを休眠してしまい捕まえておくことができるというわけですね?」
「え?」
「では、休眠状態にさせて頂いて、じっくりと…… 調教、いえ、洗脳させていただきましょうか」
 私の調教は凄いですよ。
 魔法の力をあれやこれやと使い、調教したうえでの洗脳です。いえ、脳そのものを、精神そのものを、作り替える、そう言った方が正確ですね。
「え? いや、待って? 正義の魔法少女がそれはまずくない?」
「別に正義ではありませんので…… あなたの知性と尊厳を根こそぎ奪い去り、精神を壊し、思考を支配し、私の思い通りに動くだけの存在に作り替えてあげますから! 私の役になってください!」
「ひっ、ま、待て! だ、ダメだろぉ? それ、魔法少女が、そんな、あっ、やべ、眠くなってきたぁ…… ダメだ、あっ…… ダメぇ……」
「解けない氷の牢獄で幸せな夢でも見続けてくださいね、一生ですけど。ヤーンヴァンキラ!」
 ワイヤーのような怪人が氷の檻に閉ざさえて行きますね。
 マイナス三十度でも平気と言うのであれば、問題ないでしょう。
 後はこれを持って帰ってじっくりと調教するだけですね。
 ん? 今頃あのぬいぐるみから連絡が来ましたね。
 やはり全員が狙われているようですね。
 こちらはもう片付きましたよ。お手伝いはいりますか? っと。これで良しっと。
 他の方は心配ないでしょうが、佐藤美咲だけは気がかりですね。
 そもそも今回現れた怪人は四体だけなので彼女の存在はバレていない可能性もありますが……



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