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にわのいけ
にわのいけ
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少女の家の庭には池がある。
池と言っても、少女の父親の手作りの池で、深い水たまりのような池だ。
少女が夏祭りの夜に金魚を取って来たので次の日に少女の父親が庭につくった手造りの池だ。
もう造られてから数年が立っている。
少女の取って来た金魚はまだ生きているが、金魚というには思えないサイズになっている。
ただ、素人が勢いで作った池だ。
ろくに掃除もできないような作りで、今は非常に汚らしい感じになってしまっている。
それでも池の前に少女が座っていると、たまに金魚があいさつしにでも来るのか、顔を水面に出す。
だが、目立つはずのオレンジの魚影でも、少し池に潜ってしまうと、それで完全に見えなくなる。
池の水はそんな感じで濁っている。
池が出来て数年もたった今なら、金魚以外にも何か水底に住んでそうな池でもある。
とはいえ、そんな大きい庭でもないので、池の水底に住んでいるのはボウフラやイトミミズくらいだろうが。
後は水面にはアメンボくらいはいる。
そもそも、池と言っても穴を掘って、そこにコンクリートを適当に流し込んだだけの物だ。
色々と雑な池なのだ。
それでも数年もの間金魚の住処として機能している。
たまにホースで綺麗な水を流し込んでやることくらいで、少なくとも金魚は元気に育っている。
ただ、最近は落ち葉がそこに溜まり池を浅くしてしまっている。
たまに落ち葉などを取ってやらなければならない。
それほど大きな池ではないので、ノラ猫などに襲われたら一溜りもない。
ちゃんと深さは確保しておかねばならない。
底にたまった落ち葉などは定期的に掃除してやらなくちゃいけない。
週に一度くらい少女は池の底の物を網で掬う。
大概は、泥と落ち葉だ。
よく一緒にイトミミズが取れるので、それが気持ち悪く少女からするとあまりやりたくない。
ただ自分が取ってきた金魚だ。世話をしてやらなければならない。
そして、少女がそんな池の底にたまっているものを掬っていた時だ。
なにの塊を少女は池の底から掬いだしてしまう。
それは白い塊だった。
無数のイトミミズがまとわりついた白い固い塊だ。
それは少女には骨に見えた。
それなりに大きな骨だ。
犬や猫の物、というには太く大きい。
だが、それ以上の生き物はこの辺りには居ないし、そもそも池と言っても直径一メートルほどの物だ。
そんな大きな生物が溺れるような池でもない。
だが、少女が池の底より掬い上げてしまったのは、まぎれもない骨だ。
それに赤いイトミミズが無数にまとわりついている。
少女はそれを見て、とっさに逃げ出した。
気持ち悪かったからだ。
イトミミズがまとわりついているのもそうだが、その骨自体が妙に気持ち悪かったからだ。
少女が家の中に逃げ帰り、母親にそのことを伝える。
母親が庭の池を見に行くと、その場には大量のイトミミズだけがのたうち回っていて、骨などはなかった。
これはただそれだけの話だ。
池と言っても、少女の父親の手作りの池で、深い水たまりのような池だ。
少女が夏祭りの夜に金魚を取って来たので次の日に少女の父親が庭につくった手造りの池だ。
もう造られてから数年が立っている。
少女の取って来た金魚はまだ生きているが、金魚というには思えないサイズになっている。
ただ、素人が勢いで作った池だ。
ろくに掃除もできないような作りで、今は非常に汚らしい感じになってしまっている。
それでも池の前に少女が座っていると、たまに金魚があいさつしにでも来るのか、顔を水面に出す。
だが、目立つはずのオレンジの魚影でも、少し池に潜ってしまうと、それで完全に見えなくなる。
池の水はそんな感じで濁っている。
池が出来て数年もたった今なら、金魚以外にも何か水底に住んでそうな池でもある。
とはいえ、そんな大きい庭でもないので、池の水底に住んでいるのはボウフラやイトミミズくらいだろうが。
後は水面にはアメンボくらいはいる。
そもそも、池と言っても穴を掘って、そこにコンクリートを適当に流し込んだだけの物だ。
色々と雑な池なのだ。
それでも数年もの間金魚の住処として機能している。
たまにホースで綺麗な水を流し込んでやることくらいで、少なくとも金魚は元気に育っている。
ただ、最近は落ち葉がそこに溜まり池を浅くしてしまっている。
たまに落ち葉などを取ってやらなければならない。
それほど大きな池ではないので、ノラ猫などに襲われたら一溜りもない。
ちゃんと深さは確保しておかねばならない。
底にたまった落ち葉などは定期的に掃除してやらなくちゃいけない。
週に一度くらい少女は池の底の物を網で掬う。
大概は、泥と落ち葉だ。
よく一緒にイトミミズが取れるので、それが気持ち悪く少女からするとあまりやりたくない。
ただ自分が取ってきた金魚だ。世話をしてやらなければならない。
そして、少女がそんな池の底にたまっているものを掬っていた時だ。
なにの塊を少女は池の底から掬いだしてしまう。
それは白い塊だった。
無数のイトミミズがまとわりついた白い固い塊だ。
それは少女には骨に見えた。
それなりに大きな骨だ。
犬や猫の物、というには太く大きい。
だが、それ以上の生き物はこの辺りには居ないし、そもそも池と言っても直径一メートルほどの物だ。
そんな大きな生物が溺れるような池でもない。
だが、少女が池の底より掬い上げてしまったのは、まぎれもない骨だ。
それに赤いイトミミズが無数にまとわりついている。
少女はそれを見て、とっさに逃げ出した。
気持ち悪かったからだ。
イトミミズがまとわりついているのもそうだが、その骨自体が妙に気持ち悪かったからだ。
少女が家の中に逃げ帰り、母親にそのことを伝える。
母親が庭の池を見に行くと、その場には大量のイトミミズだけがのたうち回っていて、骨などはなかった。
これはただそれだけの話だ。
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