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くろーぜっと
くろーぜっと
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少女の部屋には大きなクローゼットがある。
祖母が生前使っていたもので、古くはあるが良いものだ。
とても重厚で大きく、少女の部屋の大半を占めるほどの物だ。
少女の祖母の遺言で、このクローゼットは少女のものとなったのだ。
だが、少女はこのクローゼットがあまり好きではない。
少女には大きすぎるし、部屋の大半を占めてしまっているからだ。
確かに、そのクローゼットは大変いいものだが、少女はまだ子供だ。
その価値を理解できていない。
それに、もう古いクローゼットでもある。
立て付けが悪いのか、たまに開くのだ。
クローゼットの戸が。
一人でに。
キィと音を立てて、そのクローゼットは引き戸が少しだけ勝手に開く。
夜中でも、昼間でも。
少女がいるときでも、いない時でも。
いくら閉じても勝手に開くのだ。
そんなクローゼットと少女が暮らしていたある日だ。
その日は夜に酷い豪雨となっていた。
雨が雨戸を叩き、五月蠅くて眠れないほどの大雨だ。
そんな雨音に交じって、ビチャビチャビチャと、外を、少女の家の外を大股で歩く足音が聞こえて来る。
少女もベッドに寝のながらその足音に気づく。
誰の足音だろう、と少女が考えると、その足音は少女に気づいたように、足音を少女の部屋へと向けて来る。
少女ははじめこそ気のせいだと思っていたが、確かにその足音は少女の部屋の前に向かってきている。
どんどんその足音は大きくなっていく。
そして、その足音は少女の部屋の前で止まる。
少女がベッドの上で震えていると、足音の主は雨戸をガタガタと揺らす。
少女は恐怖で泣きそうになる。
その時だ、キィと甲高い音を立ててクローゼットの戸が開いた。
電気を消した暗い部屋でも薄っすらと見える。
クローゼットの戸が少しだけではなく、今回は大きく開いたのだ。
少女は招かれるように、ベッドの上から飛び起きクローゼットの中に逃げ込む。
少女がクローゼットの中に入るとクローゼットの戸は勝ってしまりとの戸を閉ざした。
その後、クローゼットの外からものすごい音が聞こえる。
少女にはその音が何なのか分からなかったが、金属製の雨戸が破壊される音だ。
その後にガラス戸が割られる大きな音がする。
そして、獣のような唸り声が聞こえて来る。
唸り声の主は少女の部屋を覗き込むようにして、少女の部屋を覗き込んだ後、誰もいないと分かると去って行った。
その後、物音に気付いた少女の両親が少女の部屋に駆け付けて来る。
そこには無理ありこじ開けた様に破壊された雨戸と、割られたガラスが散乱していた。
この惨状で少女がいないことに気づいた両親は慌てるが、クローゼットの戸が勝手に開き、少女を解放した。
それからは、少女もそのクローゼットのことが好きになり大切にするようになった。
祖母が生前使っていたもので、古くはあるが良いものだ。
とても重厚で大きく、少女の部屋の大半を占めるほどの物だ。
少女の祖母の遺言で、このクローゼットは少女のものとなったのだ。
だが、少女はこのクローゼットがあまり好きではない。
少女には大きすぎるし、部屋の大半を占めてしまっているからだ。
確かに、そのクローゼットは大変いいものだが、少女はまだ子供だ。
その価値を理解できていない。
それに、もう古いクローゼットでもある。
立て付けが悪いのか、たまに開くのだ。
クローゼットの戸が。
一人でに。
キィと音を立てて、そのクローゼットは引き戸が少しだけ勝手に開く。
夜中でも、昼間でも。
少女がいるときでも、いない時でも。
いくら閉じても勝手に開くのだ。
そんなクローゼットと少女が暮らしていたある日だ。
その日は夜に酷い豪雨となっていた。
雨が雨戸を叩き、五月蠅くて眠れないほどの大雨だ。
そんな雨音に交じって、ビチャビチャビチャと、外を、少女の家の外を大股で歩く足音が聞こえて来る。
少女もベッドに寝のながらその足音に気づく。
誰の足音だろう、と少女が考えると、その足音は少女に気づいたように、足音を少女の部屋へと向けて来る。
少女ははじめこそ気のせいだと思っていたが、確かにその足音は少女の部屋の前に向かってきている。
どんどんその足音は大きくなっていく。
そして、その足音は少女の部屋の前で止まる。
少女がベッドの上で震えていると、足音の主は雨戸をガタガタと揺らす。
少女は恐怖で泣きそうになる。
その時だ、キィと甲高い音を立ててクローゼットの戸が開いた。
電気を消した暗い部屋でも薄っすらと見える。
クローゼットの戸が少しだけではなく、今回は大きく開いたのだ。
少女は招かれるように、ベッドの上から飛び起きクローゼットの中に逃げ込む。
少女がクローゼットの中に入るとクローゼットの戸は勝ってしまりとの戸を閉ざした。
その後、クローゼットの外からものすごい音が聞こえる。
少女にはその音が何なのか分からなかったが、金属製の雨戸が破壊される音だ。
その後にガラス戸が割られる大きな音がする。
そして、獣のような唸り声が聞こえて来る。
唸り声の主は少女の部屋を覗き込むようにして、少女の部屋を覗き込んだ後、誰もいないと分かると去って行った。
その後、物音に気付いた少女の両親が少女の部屋に駆け付けて来る。
そこには無理ありこじ開けた様に破壊された雨戸と、割られたガラスが散乱していた。
この惨状で少女がいないことに気づいた両親は慌てるが、クローゼットの戸が勝手に開き、少女を解放した。
それからは、少女もそのクローゼットのことが好きになり大切にするようになった。
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