278 / 309
にゅうどう
にゅうどう
しおりを挟む
少年は田舎に住んでいる。
住んでいる家もいつの頃からは建っているかわからない、平屋の家だ。
藁ぶき屋根、というわけでもないが、土間があるような、そんな古い家だ。
そんな家の窓から真夜中に何かが見える。
少年には窓の外にいきなり柱が生えたように見えた。
音もなく生えた。
ふと、窓を見たらそれはそこにあった。
太くごつごつした柱のような何かだ。
少年はなんだと、窓から身を乗り出してそれを見る。
すぐに気づく、それは大きな大きな足だった。
巨人の脚だ。
それが音もなく庭に、少年の部屋の窓の外にあったのだ。
少年は驚く。
そして、その巨人の全体像を見ようと見上げるが、ひっくり返ってしまうほど背が高い。
少年は途中で見上げるのをやめて、脚をよく観察する。
ところどころにすね毛も生えている。
大きな足もある。
岩のような足の爪も生えている。
大きさこそ違えどそれは人間の物のように見える。
だが、大きさが桁違いに大きい。
こんな人間が居ないことは少年だってすぐにわかるほど大きい。
少年はすぐに、見上げ入道だ、と妖怪の名を思い浮かべる。
少年の知識では、見上げ入道は見上げてはいけない。
そして、退散させる呪文があったと思ったのだが、少年はそれを思い出せない。
少年が困っていると、少年はなにかの視線に気づく。
少年がその視線の方、窓の方を見えると、大きな、大きな顔が窓を覗き込んでいた。
大きな目が顔の中心に一つ、口も鼻もない、大きな一つ目だけがある顔が、覗き込んでいた。
少年は驚いて尻もちをつく。
声も出ないほど少年は驚く。
見上げ入道ではなかったと少年は考える。
上から覗き込まれているから、見下げ入道だ、などと適当なことを思いつつ、少年は逃げ場もなく尻もちを動けなかったので死を覚悟した。
だが、その一つ目の巨人は顔を上げ、そして、音もなく巨大な足で暗闇へと消えていった。
少年はそのまま腰を抜かし、しばらく尻もちをついた状態ではあったが、無事だった。
このことを、親や友人らに話すが、誰一人として信じてはくれなかった。
そのうち少年も、あれは見間違いかなにかだったのだと、思うようになった。
それだけの話だ。
住んでいる家もいつの頃からは建っているかわからない、平屋の家だ。
藁ぶき屋根、というわけでもないが、土間があるような、そんな古い家だ。
そんな家の窓から真夜中に何かが見える。
少年には窓の外にいきなり柱が生えたように見えた。
音もなく生えた。
ふと、窓を見たらそれはそこにあった。
太くごつごつした柱のような何かだ。
少年はなんだと、窓から身を乗り出してそれを見る。
すぐに気づく、それは大きな大きな足だった。
巨人の脚だ。
それが音もなく庭に、少年の部屋の窓の外にあったのだ。
少年は驚く。
そして、その巨人の全体像を見ようと見上げるが、ひっくり返ってしまうほど背が高い。
少年は途中で見上げるのをやめて、脚をよく観察する。
ところどころにすね毛も生えている。
大きな足もある。
岩のような足の爪も生えている。
大きさこそ違えどそれは人間の物のように見える。
だが、大きさが桁違いに大きい。
こんな人間が居ないことは少年だってすぐにわかるほど大きい。
少年はすぐに、見上げ入道だ、と妖怪の名を思い浮かべる。
少年の知識では、見上げ入道は見上げてはいけない。
そして、退散させる呪文があったと思ったのだが、少年はそれを思い出せない。
少年が困っていると、少年はなにかの視線に気づく。
少年がその視線の方、窓の方を見えると、大きな、大きな顔が窓を覗き込んでいた。
大きな目が顔の中心に一つ、口も鼻もない、大きな一つ目だけがある顔が、覗き込んでいた。
少年は驚いて尻もちをつく。
声も出ないほど少年は驚く。
見上げ入道ではなかったと少年は考える。
上から覗き込まれているから、見下げ入道だ、などと適当なことを思いつつ、少年は逃げ場もなく尻もちを動けなかったので死を覚悟した。
だが、その一つ目の巨人は顔を上げ、そして、音もなく巨大な足で暗闇へと消えていった。
少年はそのまま腰を抜かし、しばらく尻もちをついた状態ではあったが、無事だった。
このことを、親や友人らに話すが、誰一人として信じてはくれなかった。
そのうち少年も、あれは見間違いかなにかだったのだと、思うようになった。
それだけの話だ。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる