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かねくいむし
かねくいむし
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カンカラの貯金箱。
五百円玉を入れ続けたら三十万たまるとか、そう言う類の貯金箱。
少年はそれを買ってもらった。
最近は電子マネーだなんだで、小銭も出ないのだけれども、逆に目新しかったので少年は嬉しかった。
だから、家に大人のお客さんが来ると、少年はそのカンカラの貯金箱を抱えて募金でもする様に歩いて回ったりもした。
そうして、カンカラの貯金箱にはお金が溜まっていく。
ほとんどは一円や五円なので、それほど大した金額にはならないだろう。
それでも少年が抱えるカンカラの中にお金は溜まっていく。
振るとジャラジャラと音がする。
少年はその音が好きだった。
缶を開けないと取り出せないだけに、溜まる一方なのが、少年には嬉しかった。
これを貯めてなんかを買おう、そんなことを少年が考えていたわけではない。
ただ、溜まっていくことが、カンカラが重さを増していくことが楽しかったのだ。
数年が経ち、そのカンカラも小銭で一杯になる。
缶切りを使い少年はその缶を開ける。
中にはどっさりと小銭が入っている。
一円が主な硬貨なのだが、それでも数万円にはなる量ではないだろうか。
だが、入っていたのは小銭ばかりではない。
なぜか小さな虫が、小さな黒い甲虫がわんさか効果の間から這い出て来た。
少年は慌てて、貯金箱の缶を投げてしまう。
大きな音がして、小銭が投げ出され、小さな黒い虫達も四方八方へと逃げていく。
その後、小銭を集めて見たが、どうも小銭の量が少ない。
カンカラに一杯詰まっていたはずの小銭がどういう訳か、拾いなおすと缶の半分ほどしかない。
小銭が散らばったと言っても部屋の中の話だ。
そこまで失くらないはずなのに、床に散らばった硬貨を集めると、半分ほどになっていた。
少年はなんとなくあの黒い虫が金食い虫で缶の小銭を食べてしまったのだと、そう思った。
缶の中身の小銭は一万円にも届かない金額しかなかったそうだ。
だが、問題なのはそこではない。
小さな黒い虫、金食い虫を少年は家の中に放ってしまったのだ。
少年の家がどうなったのか、それは言うまでもない。
五百円玉を入れ続けたら三十万たまるとか、そう言う類の貯金箱。
少年はそれを買ってもらった。
最近は電子マネーだなんだで、小銭も出ないのだけれども、逆に目新しかったので少年は嬉しかった。
だから、家に大人のお客さんが来ると、少年はそのカンカラの貯金箱を抱えて募金でもする様に歩いて回ったりもした。
そうして、カンカラの貯金箱にはお金が溜まっていく。
ほとんどは一円や五円なので、それほど大した金額にはならないだろう。
それでも少年が抱えるカンカラの中にお金は溜まっていく。
振るとジャラジャラと音がする。
少年はその音が好きだった。
缶を開けないと取り出せないだけに、溜まる一方なのが、少年には嬉しかった。
これを貯めてなんかを買おう、そんなことを少年が考えていたわけではない。
ただ、溜まっていくことが、カンカラが重さを増していくことが楽しかったのだ。
数年が経ち、そのカンカラも小銭で一杯になる。
缶切りを使い少年はその缶を開ける。
中にはどっさりと小銭が入っている。
一円が主な硬貨なのだが、それでも数万円にはなる量ではないだろうか。
だが、入っていたのは小銭ばかりではない。
なぜか小さな虫が、小さな黒い甲虫がわんさか効果の間から這い出て来た。
少年は慌てて、貯金箱の缶を投げてしまう。
大きな音がして、小銭が投げ出され、小さな黒い虫達も四方八方へと逃げていく。
その後、小銭を集めて見たが、どうも小銭の量が少ない。
カンカラに一杯詰まっていたはずの小銭がどういう訳か、拾いなおすと缶の半分ほどしかない。
小銭が散らばったと言っても部屋の中の話だ。
そこまで失くらないはずなのに、床に散らばった硬貨を集めると、半分ほどになっていた。
少年はなんとなくあの黒い虫が金食い虫で缶の小銭を食べてしまったのだと、そう思った。
缶の中身の小銭は一万円にも届かない金額しかなかったそうだ。
だが、問題なのはそこではない。
小さな黒い虫、金食い虫を少年は家の中に放ってしまったのだ。
少年の家がどうなったのか、それは言うまでもない。
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