78 / 423
ななふしぎ
ななふしぎ:06
しおりを挟む
この中学に赴任してきたばかりの教師は聞かされた。
この中学には七不思議が存在していると。
トイレのキリエさん。
普通、トイレの…… と来たら花子さんなのだが、この中学校ではキリエさんと言うのだ。
やはり女子トイレに出て来る。
西校舎の四階の女子トイレの一番奥のトイレ。その扉が閉まっているときに四回ノックするとキリエさんが返事をするというものだ。
少女達はオカルトに興味があった。
なぜ興味があったか。そういう年齢だったとしか言えない。
だから、学校の七不思議の一つである、トイレのキリエさんに会いに行ったのだ。
花子さんではなくキリエさん。
なぜなだこの中学ではそうだった。
理由は誰も知らない。
そう言う生徒がいたのかどうかもわからない。
ただ、この学校のトイレの怪はキリエさんと言うらしい。
とはいえ、大体はトイレの花子さんと変わらない。
少女達は放課後、西校舎の四階の女子トイレへと行く。
そして一番奥のトイレを確認する。
ドアは閉まっていない。
西校舎なだけあって窓から真っ赤な西日が差し込んできている。
嫌に赤い、そんな西日が差し込んできている。
それだけでも雰囲気はある。
けど、トイレのドアは開いたままだ。
少女達はしばらくそのトイレをおっかなびっくり観察するが、そんな噂があるトイレだからだろうか、あまり使われた形跡すらない。
何も起きない。
なので、少女達はまた今度こよう、そう言ってその場を去ろうとした。
少女達が振り返りトイレから出ようとした、その時だ
バタン。
と音を立てて勝手に一番奥のトイレが閉まった。
少女達に緊張が走る。
そして、四回何かをコンコンコンコンと叩く音がする。
ゆっくりとトイレの方を見ると、今まで開いていたはずの一番奥のトイレが閉まっている。
誰かが呟くように、ノックが四回、と言った。
だが誰もそれをしようとはしない。
少女達はトイレの部屋の入口の辺りに固まり、ただただ勝手にしまったトイレを凝視していた。
しばらくすると、ジャーと勝手に水が流れる音がする。
知らないうちに、誰か入っていた、と少女達はそう思ったらしい。
ただ少し考えればそんなはずはない。
今まで自分達が観察していたトイレなのだ。
自分達以外に人はいないし、少女達は全員トイレの部屋の入口にいるのだから。
そして、トイレのドアが勝手に開いた。
少女達は固唾を飲んで開かれたトイレを凝視する。
そこから一人の女学生が出て来る。
今の制服ではなくもっと古い頃のこの中学の制服。
ただ、床に足が付いてない。
浮いている? それも違う。吊るされている。
トイレから出て来た女学生は首にロープを括り釣られた状態だった。
少女達は悲鳴を上げ一斉に走り出す。
トイレから出て来た首を吊った女学生が少女達を追ってくることはなかった。
だが、それから一ヶ月の間に、その少女達の全員が別々の理由で大怪我をすることとなった。
それ以降、その四階のトイレ自体が進入禁止となった。
この中学には七不思議が存在していると。
トイレのキリエさん。
普通、トイレの…… と来たら花子さんなのだが、この中学校ではキリエさんと言うのだ。
やはり女子トイレに出て来る。
西校舎の四階の女子トイレの一番奥のトイレ。その扉が閉まっているときに四回ノックするとキリエさんが返事をするというものだ。
少女達はオカルトに興味があった。
なぜ興味があったか。そういう年齢だったとしか言えない。
だから、学校の七不思議の一つである、トイレのキリエさんに会いに行ったのだ。
花子さんではなくキリエさん。
なぜなだこの中学ではそうだった。
理由は誰も知らない。
そう言う生徒がいたのかどうかもわからない。
ただ、この学校のトイレの怪はキリエさんと言うらしい。
とはいえ、大体はトイレの花子さんと変わらない。
少女達は放課後、西校舎の四階の女子トイレへと行く。
そして一番奥のトイレを確認する。
ドアは閉まっていない。
西校舎なだけあって窓から真っ赤な西日が差し込んできている。
嫌に赤い、そんな西日が差し込んできている。
それだけでも雰囲気はある。
けど、トイレのドアは開いたままだ。
少女達はしばらくそのトイレをおっかなびっくり観察するが、そんな噂があるトイレだからだろうか、あまり使われた形跡すらない。
何も起きない。
なので、少女達はまた今度こよう、そう言ってその場を去ろうとした。
少女達が振り返りトイレから出ようとした、その時だ
バタン。
と音を立てて勝手に一番奥のトイレが閉まった。
少女達に緊張が走る。
そして、四回何かをコンコンコンコンと叩く音がする。
ゆっくりとトイレの方を見ると、今まで開いていたはずの一番奥のトイレが閉まっている。
誰かが呟くように、ノックが四回、と言った。
だが誰もそれをしようとはしない。
少女達はトイレの部屋の入口の辺りに固まり、ただただ勝手にしまったトイレを凝視していた。
しばらくすると、ジャーと勝手に水が流れる音がする。
知らないうちに、誰か入っていた、と少女達はそう思ったらしい。
ただ少し考えればそんなはずはない。
今まで自分達が観察していたトイレなのだ。
自分達以外に人はいないし、少女達は全員トイレの部屋の入口にいるのだから。
そして、トイレのドアが勝手に開いた。
少女達は固唾を飲んで開かれたトイレを凝視する。
そこから一人の女学生が出て来る。
今の制服ではなくもっと古い頃のこの中学の制服。
ただ、床に足が付いてない。
浮いている? それも違う。吊るされている。
トイレから出て来た女学生は首にロープを括り釣られた状態だった。
少女達は悲鳴を上げ一斉に走り出す。
トイレから出て来た首を吊った女学生が少女達を追ってくることはなかった。
だが、それから一ヶ月の間に、その少女達の全員が別々の理由で大怪我をすることとなった。
それ以降、その四階のトイレ自体が進入禁止となった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。


本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる