27 / 419
せまりくるあくむ
せまりくるあくむ
しおりを挟む
Cは寝ていた。
夢の内容は覚えてはいないが、なにかに追いかけられるような悪夢を見ていたはずだ。
Cはまだまどろみの中にいる。
ぼんやりとだが、何か怖い夢を見ていたのだと言うことだけは理解できた。
そして、同時に寒気を感じる。
恐らくは寝返りでもして布団がずれてしまったのだろう。
布団を掛けなおそうとするがうまくいかない。
思う通りに体が動かない。
恐らくは半覚醒状態だからだろう。
Cは寒いので早く布団にくるまりたいと考えてはいるのだが、意識そのものもまだはっきりしない。
そんな中、布団が引きづられる。
布団を掛けなおしたいのだけれども、掛布団が逆に脚の方へと引っ張られる。
それはそれで異常事態なのだけれども、寝ぼけているCはそのことに気づかない。
ただ寒いから布団を掛けなおしたい、そう思っているだけだ。
寒さが増す。
そのおかげでCもだいぶ覚醒できた。
そこでやっと気づく。
布団が何かに引っ張られていると。
ただCは掛布団がベッドからずれ落ちているとまず考えた。
なぜならCは一人暮らしだったし、今日は誰か客が泊まりに来ているわけでもない。
C以外、この部屋に誰もいないのだから。
意識もだいぶ覚醒してきて、腕を動かそうとしたときCは異変に気付く。
腕が動かない。
寝ぼけているからではない。
そこで初めて、Cの頭の中に金縛りという言葉が過る。
そして、掛布団が明確に引っ張られる。
ずれ落ちているのではない。
ベッドの下に何かがいて、布団伝いにベッドに登ろうとしているのだと、Cは感じた。
その何かが確かにいる様に、布団が不自然に揺れる。
それはもう布団にしがみ付きぶら下がっていて、すぐそこまで来ているのだとCはやっと気が付いた。
何か行動を起こさなければ、とCは思うけれど、体が言うことを聞かない。
ぶるぶると震えるだけで一向に動こうとしてくれない。
声を出そうにも、気の抜けるような掠れ声しか出ない。
足の辺りを何かが踏み抜く感触がする。
何かが布団を伝ってとうとうベッドの上まで上がって来たのだ。
それはCの体を避ける様に歩き、顔の方に近寄ってくる。
Cは何とか動こうと、声を出そうと躍起になる。
迫りくる何かがすぐそばまで来ているのがわかる。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな声を上げてCは跳ね起きる。
Cは一通り暴れ、その後に電気を着ける。
そこには何もない。
いつも通りの自分の部屋と足の方にずり落ちた掛布団があるだけだ。
辺りを見ますが他に変わったことはない。
Cはとりあえず安心し、一息つく。
その時だ。
ドンドン! と二度ほど壁を叩く音がする。
Cはビクッとするが、それが隣の部屋の住人が、先ほどCが真夜中にあげた奇声に対する抗議だったことに気づくのに少しばかり時間を要した。
ただそれだけの話だ。
夢の内容は覚えてはいないが、なにかに追いかけられるような悪夢を見ていたはずだ。
Cはまだまどろみの中にいる。
ぼんやりとだが、何か怖い夢を見ていたのだと言うことだけは理解できた。
そして、同時に寒気を感じる。
恐らくは寝返りでもして布団がずれてしまったのだろう。
布団を掛けなおそうとするがうまくいかない。
思う通りに体が動かない。
恐らくは半覚醒状態だからだろう。
Cは寒いので早く布団にくるまりたいと考えてはいるのだが、意識そのものもまだはっきりしない。
そんな中、布団が引きづられる。
布団を掛けなおしたいのだけれども、掛布団が逆に脚の方へと引っ張られる。
それはそれで異常事態なのだけれども、寝ぼけているCはそのことに気づかない。
ただ寒いから布団を掛けなおしたい、そう思っているだけだ。
寒さが増す。
そのおかげでCもだいぶ覚醒できた。
そこでやっと気づく。
布団が何かに引っ張られていると。
ただCは掛布団がベッドからずれ落ちているとまず考えた。
なぜならCは一人暮らしだったし、今日は誰か客が泊まりに来ているわけでもない。
C以外、この部屋に誰もいないのだから。
意識もだいぶ覚醒してきて、腕を動かそうとしたときCは異変に気付く。
腕が動かない。
寝ぼけているからではない。
そこで初めて、Cの頭の中に金縛りという言葉が過る。
そして、掛布団が明確に引っ張られる。
ずれ落ちているのではない。
ベッドの下に何かがいて、布団伝いにベッドに登ろうとしているのだと、Cは感じた。
その何かが確かにいる様に、布団が不自然に揺れる。
それはもう布団にしがみ付きぶら下がっていて、すぐそこまで来ているのだとCはやっと気が付いた。
何か行動を起こさなければ、とCは思うけれど、体が言うことを聞かない。
ぶるぶると震えるだけで一向に動こうとしてくれない。
声を出そうにも、気の抜けるような掠れ声しか出ない。
足の辺りを何かが踏み抜く感触がする。
何かが布団を伝ってとうとうベッドの上まで上がって来たのだ。
それはCの体を避ける様に歩き、顔の方に近寄ってくる。
Cは何とか動こうと、声を出そうと躍起になる。
迫りくる何かがすぐそばまで来ているのがわかる。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな声を上げてCは跳ね起きる。
Cは一通り暴れ、その後に電気を着ける。
そこには何もない。
いつも通りの自分の部屋と足の方にずり落ちた掛布団があるだけだ。
辺りを見ますが他に変わったことはない。
Cはとりあえず安心し、一息つく。
その時だ。
ドンドン! と二度ほど壁を叩く音がする。
Cはビクッとするが、それが隣の部屋の住人が、先ほどCが真夜中にあげた奇声に対する抗議だったことに気づくのに少しばかり時間を要した。
ただそれだけの話だ。
0
▼【作品集】
▽【連載中】
学院の魔女の日常的非日常
ミアという少女を中心に物語は徐々に進んでいくお話。
※最初のほうは読み難いかもしれません。
それなりに怖い話。
さっくり読める。
絶対少女議事録
少女と少女が出会い運命が動き出した結果、足を舐めるお話。
▽【完結済み】
一般人ですけどコスプレしてバイト感覚で魔法少女やってます
十一万字程度、三十三話
五人の魔法少女の物語。
最初から最後までコメディ。
四十二歳の冴えない男が、恋をして、愛を知る。
八万字程度、四十一話
田沼という男が恋を知り、そしてやがて愛を知る。
竜狩り奇譚
八万字程度、十六話
見どころは、最後の竜戦。
幼馴染が俺以外の奴と同棲を始めていた
タイトルの通り。
▽【連載中】
学院の魔女の日常的非日常
ミアという少女を中心に物語は徐々に進んでいくお話。
※最初のほうは読み難いかもしれません。
それなりに怖い話。
さっくり読める。
絶対少女議事録
少女と少女が出会い運命が動き出した結果、足を舐めるお話。
▽【完結済み】
一般人ですけどコスプレしてバイト感覚で魔法少女やってます
十一万字程度、三十三話
五人の魔法少女の物語。
最初から最後までコメディ。
四十二歳の冴えない男が、恋をして、愛を知る。
八万字程度、四十一話
田沼という男が恋を知り、そしてやがて愛を知る。
竜狩り奇譚
八万字程度、十六話
見どころは、最後の竜戦。
幼馴染が俺以外の奴と同棲を始めていた
タイトルの通り。
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる