17 / 22
17
しおりを挟むサンカルを見て眉を顰めたローガンが小さく舌打ちしたのが聞こえた。ガラが悪い。
「アリサ……あの人間は、なんだ」
「待って、それを知らないでここに来たの? え、助けに来てくれたんじゃないの?」
「助け………。俺は、アリサと話をするために探していた」
「………」
どういうこと?
ローガンがここに来たのは、たまたまのタイミングだったの?
……嘘でしょう⁉︎⁉︎
「ローガン、ねぇ、じゃあ子供達は……? すぐに子供達を助けてっ!」
「子供?」
「私が好きでここに居たと思うの⁉︎ そんなわけあるかっ! 拐われたんだよ‼︎」
「拐われた、だと?」
ローガンの周辺の温度が下がったかのように殺気だった。いや、私の事なんてどうでもいいんだよ!
「子供達が近くにいると思うけど、わからないの……っ、私、気付いたらここに居て、お願い! 早く……っ」
ローガンの胸元のシャツを掴んで訴える。
すると固まったように立ち尽くしていたサンカルが突如気が触れたかのように笑い出した。
「ふ、ふふふ…っ、はははは! 無駄です、だから言ったんですよ。黒狼は子供に愛情なんて持たないと! 思った通りの獣だ!」
ローガンのサンカルに向けられる視線が強いものに変わる。
「突出した能力の代償として、黒狼には感情に欠陥があるのがよくわかったでしょう! 自分の子供がどうなろうと、自分と番以外に関心が無い! まして他人の命なんて……っ」
そこまでの叫ぶような声が止んだ。
サンカルが床に突っ伏したからだ。
ローガンではない黒尽くめの忍者の様な出立をした何者かが、彼の背中の上に膝をついて床に取り押さえていた。
あっという間の出来事で、いつこの部屋に入ってきたのかもわからなかった。
それを見ていたローガンは「ついてくるなと言ったのに」と呟いて私を抱えたまま溜息をついた。
「離せっ、離せ離せ離せぇぇえ‼︎ 黒狼を殺してやる‼︎ あいつの番も殺……うぐっ……っ‼︎」
最終的に目を血走らせて暴れたサンカルの首元に手刀を叩き込み黙らせると、そのままズルズルと何処かへ引き摺って部屋を出て行ってしまった。
「え……え? な、なに、今の……」
まって……サンカルは誰にどこへ連れて行かれたの?
ローガンはなぜ平然としていられるの?
まさか、あの殺し屋みたいな黒尽くめは知りあいじゃ無いよね……?
拐われて殺されかけて怖い思いをしたけれど、この2、3分の光景の方がそれを上回るトラウマになりそうだ。お願いだから何か説明して!
「ローガン……あ、あの、ちょっとよくわからないんだけど……」
「大丈夫だよー。あれは俺の部下だからぁ」
「部下……部下……そ、そっか……え、誰⁉︎」
また知らない人が現れた。
部屋の扉を開けようとして鍵が掛かっていたからか、隣の穴の開いた壁からヒョッコリと顔を出したのはこの薄汚い部屋にはそぐわない金髪碧眼、キラキラしい王子様のような見た目の人間の男性だった。
見るからに上等な服を翻して、部屋に足を踏み入れると驚いている私にニッコリと笑顔を向ける。
「こんにちは。君がワカメの子?」
「わ……? 違います人間です!」
勢いよく否定すると、彼は瞠目してから弾かれた様に笑い出した。
「あはははは! 人間なのは見ればわかるよ! 君、思ったよりずっと面白いね! いいねぇ!」
「マリオ、何しに来た?」
ローガンは男を『マリオ』と呼んだ。
その凄むような声に、男はどこか揶揄うような笑顔でただコテンと首を傾げる。
「えー? だって絶対面白いと思って、我慢なんてできないよねー。やっぱり来てみて正解だったなぁ!」
「邪魔だ。帰れ」
「そんな事言えるのー? 俺が来たことに感謝してほしいな。脳筋キースは番が関わると本当にポンコツなんだから、任せといたらあの男を捕らえる前に殺しちゃいそうだもんね。あ、ワカメちゃん、残党の処理も子供の保護もコッチでやっておいたから安心してね?」
「勝手にアリサに話しかけるな」
「ほ、本当ですか⁉︎ 子供達は無事なんですか⁉︎ いま、何処に……むぐっ」
何故かローガンの掌で口を塞がれた。
なにすんの! 邪魔しないでっ!
ローガンを睨み上げて、彼の手を剥がそうとするけれど磁石の様にくっついて取れない。なんでっ。
「子供達なら食堂の部屋に居たよ。あの場から消えたのは君だけで、キースはすぐに血相変えて君を探しに出て行っちゃったからさ、残された子供達は俺の部下を残してちゃんと安全に見張っているから大丈夫」
良かった……っ!
誰だか知りませんが、なんて頼りになる人なんだ!
……あれ?でも、頼っても……いいんだよ、ね?ローガンの知り合いなら、大丈夫だよね?え、でも誰……?
安心していいやら疑っていいやらで、私はどうやら変な顔をしていたようで、それを見たキラキラした人はまた楽しそうに笑いだした。よく笑う人だ。
「ふふふ、困ってる困ってる! 君、カワイイねぇ! キースの100倍カワイイよ!」
「……マリオ……」
「なに? さっきから話しかけたくらいで嫉妬しないでよ、君は本当に面倒くさいな。ワカメちゃん、はじめまして。俺はマリオと言います。この狼の家族みたいなものだから警戒しなくてもいいんだよ?」
「家族じゃない」
ローガンがマリオさんとの話に気がそがれている隙に、私の口元を覆っていた彼の手を漸く引き剥がすことに成功した。
そのままの勢いで腕からも脱出しようともがくけど、ローガンに気付かれてなかなかうまくいかない。
「ねぇ、ちょっと、ローガン離して! なんでこんなにベタベタするの⁉︎」
「離したらアリサはまた何処かへ行ってしまうだろう。なんだ……嫌なのか?」
「嫌だよ!」
「‼︎」
ローガンの表情と腕の力がストンと抜け落ちた。
そっと離してはくれたけど無言の無表情が怖いし、なんだか気不味い。
だって……! これまで放置されてたのに、いきなりこんなの戸惑うでしょう⁉︎
「あは、あはは! あのキースが……っ、秒で振られてんの、楽しー!」
「マジで黙れ糞王子」
「あはははは! はははは!」
苦々しい顔で暴言を吐くローガンに、マリオさんだけは終始本当に楽しそうだった。
※※※
食堂に戻ると、間借りしている二階の自室前にはお揃いの騎士のような制服を身に着けた人が2名、オロオロとしていた。
「君たち、そこで何してんの?」
「で、殿下……っ!」
マリオさんが騎士風の人達に声を掛けると『ヤバイ』というような顔で慌てて振り返る。
でんか?
「子供達の警護を命じたはずだよね? 入口で何をモダモダと……」
「申し訳ありません! その……、子供達なのですが、目を覚ました片方が結界を展開しておりまして……っ」
「結界?」
「はい! 我々はあっという間に締め出されてしまいました……!」
部屋の中からは、微かに泣き声が聞こえてくる。多分ライラだ。ライラが泣いている。
「ライラ……っ! キース!」
すぐさま部屋の中に駆け込もうとしたけれど、透明のガラスの様なものが入口を覆って入ることが出来ない。
何これ⁉︎
掌で思い切り叩いてもびくともしないし、音もならない。
部屋の中にいるであろう子供達は見えないし、子供達も私の存在に気づいていないようだ。
「さすが子供といえど黒狼だね。もう魔法が使えるなんて……。そんな報告、聞いてないんだけど」
マリオさんの言葉に騎士達がビクリと大袈裟に肩を揺らして「我々も知りませんでした‼︎」「本当です‼︎ 初見です‼︎」と必死の言い訳を始める。
「魔法ってなに? どうして、部屋にこんな……」
今までこんな事はなかった。
とても子供達がやったこととは思えない。
でも、これが子供達のやっている事なら、無理に叩いたりしたら痛かったりするのかな⁉︎
当たり前だけど自分には魔力なんてないからどうしていいかが分からない。
泣き声を聞きながら狼狽えていると、ローガンがスッと長い指をガラス面に伸ばした。
ズズズ……ッと指先から掌、そして腕を飲み込んでいく。それはローガンだけで、私が触れている面は変わらずガラスのように硬い。
そしてあっという間に難なくローガンの身体は、結界の向こう側へと入っていった。
「⁉︎⁉︎」
「うん、ワカメちゃんの気持ちはわかるけど、アレは特殊だから追求するだけ無駄だよ。黒狼は黒狼に任せて、もうそういうものだと思うのが正解だから」
マリオさんが悟ったように、目の前の光景に混乱する私の肩を叩いた。
暫くして、部屋の扉を覆っていたガラスが霞のように空気に溶けて消えたのを合図に、ローガンが子供達を抱えて部屋から戻ってきた。
「抱え方……っっ‼︎」
無表情で人形のように固まったキースの首根っこを掴んで片手にぶら下げて、未だ泣き叫ぶライラはラグビーボールのように小脇に抱えられている。
「ちょっとローガン‼︎」
「結界を俺に壊されて怯えているだけだ。怪我はない」
「いや持ち方……っ‼︎ 荷物じゃないんだからやめてよ! 返してっ!」
「うわぁぁああぁん!」
「何が不満なんだ……」
父親の適性ゼロのローガンから子供達を奪い返すとライラもキースもホッとしたように抱きついてきた。
子供達特有の体温の高さが無事を実感させてくれる。
「よかった……よかったよぉ……。うう、ごめんね、ごめんね」
私がローガンみたいに強かったらもっと早く助けてあげられたのに……っ。
結果的に、私は大変なことをしてしまったのだ。
「私……っ、子供達を助けたくて、隣国に渡す契約を交わしちゃった……。どうしよう、なんてことをしちゃったんだろう。明日にはもう契約が」
「全く、こんな事になるだろうから早くウチの国で保護しておけば良かったのにバカが」
ホッとしたのは束の間ですぐに後悔でグズグズになっていると、マリオさんが良い笑顔で毒を吐いた。顔と言葉が全く結びついていなくてギョッとする。
「ああ、違うよ? ワカメちゃんに言ったんじゃなくて馬鹿はキースのことだからね。普段ならもう少し何とかなっただろうに、番しか目に入らなくなって囲い込もうとするからこうなるんだよ。でもまあ、その契約書は今頃その脳筋ストーカーのおかげで海の上で白紙だろうけど」
「は、はくし……?」
「そう、白紙。契約は無効。ワカメちゃんは知らないと思うけど、キースはこの町にいる時に君に術を複数掛けていたんだよ」
術……魔法?
何のことだろうと首を傾げてローガンを見上げると、サッと視線を逸らされた。
何、その明らかに疚しいですという反応は。
嫌な予感がするんですけど。
「術って、なんですか?」
「別にたいしたものじゃない」
「ローガンは黙ってて。マリオさん、教えてください」
ローガンを無視して側にいたマリオさんに事情を聞くと、マリオさんは嬉々として頷いた。
「いいよぉ、まず追跡ね! これはワカメちゃんがいつもどこに居るのか把握する魔法でぇ、あとワカメちゃんの情報遮断。これが効果覿面でね、この町から君に関する情報……髪の毛一本も持ち出せないように術をかけていたみたいだよ。だからたとえ魔道具の契約書だろうと君が書いた文字さえ街の外には出られない。実際俺も君の事を何度か探ろうとしたことがあるんだけど、町を出た途端部下の記憶が全て曖昧になって、報告書は君に関する部分が白紙になった。怖くない? もうこれ魔法じゃなくて呪いだよね」
「やめろ、アリサが怯えるだろうが」
「いやこれ十分怯える案件だからね? 多分、ワカメちゃん自身もこの町からは出られないんじゃない? 試した事はある?」
「……いえ、町からは、出た事がないので……」
「そう? じゃあやってみるといいよ、きっと面白いくらいに迷って出られないから。キースは自分が居ない間、ワカメちゃんに逃げられないようにしてたんだろうけど、本人に気付かれていないだけで範囲の広い監禁だから。まじで。これ、昔は凶悪な囚人に対して使われていた上位魔法のアレンジらしいけど、普通は長期的に使うことは魔力がもたないから不可能。それを私的に難なく維持していたなんて、君も恐ろしい男に目をつけられたもんだよねぇ」
「凶悪な囚人……?」
「変な言い方をするな。すべてアリサの安全のためだ!」
「えー自分のためでしょー。だって王都にいる時は日課のようにワカメちゃんの居場所を確認してたじゃない。フラれてるのに」
「お前……もう何も言うな……」
「……」
「あれ、ワカメちゃん大丈夫? 引いてる?」
あまりの情報量に、ちょっとついて行けていない。
……つまり、ローガンはこの町にいた時からずっと私を監視していたってこと?
15
お気に入りに追加
2,018
あなたにおすすめの小説
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

『えっ! 私が貴方の番?! そんなの無理ですっ! 私、動物アレルギーなんですっ!』
伊織愁
恋愛
人族であるリジィーは、幼い頃、狼獣人の国であるシェラン国へ両親に連れられて来た。 家が没落したため、リジィーを育てられなくなった両親は、泣いてすがるリジィーを修道院へ預ける事にしたのだ。
実は動物アレルギーのあるリジィ―には、シェラン国で暮らす事が日に日に辛くなって来ていた。 子供だった頃とは違い、成人すれば自由に国を出ていける。 15になり成人を迎える年、リジィーはシェラン国から出ていく事を決心する。 しかし、シェラン国から出ていく矢先に事件に巻き込まれ、シェラン国の近衛騎士に助けられる。
二人が出会った瞬間、頭上から光の粒が降り注ぎ、番の刻印が刻まれた。 狼獣人の近衛騎士に『私の番っ』と熱い眼差しを受け、リジィ―は内心で叫んだ。 『私、動物アレルギーなんですけどっ! そんなのありーっ?!』

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。

【完結】そう、番だったら別れなさい
堀 和三盆
恋愛
ラシーヌは狼獣人でライフェ侯爵家の一人娘。番である両親に憧れていて、番との婚姻を完全に諦めるまでは異性との交際は控えようと思っていた。
しかし、ある日を境に母親から異性との交際をしつこく勧められるようになり、仕方なく幼馴染で猫獣人のファンゲンに恋人のふりを頼むことに。彼の方にも事情があり、お互いの利害が一致したことから二人の嘘の交際が始まった。
そして二人が成長すると、なんと偽の恋人役を頼んだ幼馴染のファンゲンから番の気配を感じるようになり、幼馴染が大好きだったラシーヌは大喜び。早速母親に、
『お付き合いしている幼馴染のファンゲンが私の番かもしれない』――と報告するのだが。
「そう、番だったら別れなさい」
母親からの返答はラシーヌには受け入れ難いものだった。
お母様どうして!?
何で運命の番と別れなくてはいけないの!?
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる