異世界で狼に捕まりました。〜シングルマザーになったけど、子供たちが可愛いので幸せです〜

雪成

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 サンカルを見て眉を顰めたローガンが小さく舌打ちしたのが聞こえた。ガラが悪い。

「アリサ……あの人間は、なんだ」
「待って、それを知らないでここに来たの? え、助けに来てくれたんじゃないの?」
「助け………。俺は、アリサと話をするために探していた」
「………」


 どういうこと?
 ローガンがここに来たのは、たまたまのタイミングだったの?
 ……嘘でしょう⁉︎⁉︎


「ローガン、ねぇ、じゃあ子供達は……? すぐに子供達を助けてっ!」
「子供?」
「私が好きでここに居たと思うの⁉︎ そんなわけあるかっ! 拐われたんだよ‼︎」
「拐われた、だと?」

 ローガンの周辺の温度が下がったかのように殺気だった。いや、私の事なんてどうでもいいんだよ!

「子供達が近くにいると思うけど、わからないの……っ、私、気付いたらここに居て、お願い! 早く……っ」

 ローガンの胸元のシャツを掴んで訴える。
 すると固まったように立ち尽くしていたサンカルが突如気が触れたかのように笑い出した。

「ふ、ふふふ…っ、はははは! 無駄です、だから言ったんですよ。黒狼は子供に愛情なんて持たないと! 思った通りの獣だ!」

 ローガンのサンカルに向けられる視線が強いものに変わる。

「突出した能力の代償として、黒狼には感情に欠陥があるのがよくわかったでしょう! 自分の子供がどうなろうと、自分と番以外に関心が無い! まして他人の命なんて……っ」

 そこまでの叫ぶような声が止んだ。
 サンカルが床に突っ伏したからだ。
 ローガンではない黒尽くめの忍者の様な出立をした何者かが、彼の背中の上に膝をついて床に取り押さえていた。
 あっという間の出来事で、いつこの部屋に入ってきたのかもわからなかった。

 それを見ていたローガンは「ついてくるなと言ったのに」と呟いて私を抱えたまま溜息をついた。

「離せっ、離せ離せ離せぇぇえ‼︎ 黒狼を殺してやる‼︎ あいつの番も殺……うぐっ……っ‼︎」

 最終的に目を血走らせて暴れたサンカルの首元に手刀を叩き込み黙らせると、そのままズルズルと何処かへ引き摺って部屋を出て行ってしまった。

「え……え? な、なに、今の……」

 まって……サンカルは誰にどこへ連れて行かれたの?
 ローガンはなぜ平然としていられるの?
 まさか、あの殺し屋みたいな黒尽くめは知りあいじゃ無いよね……?

 拐われて殺されかけて怖い思いをしたけれど、この2、3分の光景の方がそれを上回るトラウマになりそうだ。お願いだから何か説明して!


「ローガン……あ、あの、ちょっとよくわからないんだけど……」
「大丈夫だよー。あれは俺の部下だからぁ」
「部下……部下……そ、そっか……え、誰⁉︎」

 また知らない人が現れた。
 部屋の扉を開けようとして鍵が掛かっていたからか、隣の穴の開いた壁からヒョッコリと顔を出したのはこの薄汚い部屋にはそぐわない金髪碧眼、キラキラしい王子様のような見た目の人間の男性だった。
 見るからに上等な服を翻して、部屋に足を踏み入れると驚いている私にニッコリと笑顔を向ける。


「こんにちは。君がワカメの子?」
「わ……? 違います人間です!」

 勢いよく否定すると、彼は瞠目してから弾かれた様に笑い出した。

「あはははは! 人間なのは見ればわかるよ! 君、思ったよりずっと面白いね! いいねぇ!」
「マリオ、何しに来た?」

 ローガンは男を『マリオ』と呼んだ。
 その凄むような声に、男はどこか揶揄うような笑顔でただコテンと首を傾げる。

「えー? だって絶対面白いと思って、我慢なんてできないよねー。やっぱり来てみて正解だったなぁ!」
「邪魔だ。帰れ」
「そんな事言えるのー? 俺が来たことに感謝してほしいな。脳筋キースは番が関わると本当にポンコツなんだから、任せといたらあの男を捕らえる前に殺しちゃいそうだもんね。あ、ワカメちゃん、残党の処理も子供の保護もコッチでやっておいたから安心してね?」
「勝手にアリサに話しかけるな」
「ほ、本当ですか⁉︎ 子供達は無事なんですか⁉︎ いま、何処に……むぐっ」

 何故かローガンの掌で口を塞がれた。
 なにすんの! 邪魔しないでっ!
 ローガンを睨み上げて、彼の手を剥がそうとするけれど磁石の様にくっついて取れない。なんでっ。

「子供達なら食堂の部屋に居たよ。あの場から消えたのは君だけで、キースはすぐに血相変えて君を探しに出て行っちゃったからさ、残された子供達は俺の部下を残してちゃんと安全に見張っているから大丈夫」

 良かった……っ!
 誰だか知りませんが、なんて頼りになる人なんだ!

 ……あれ?でも、頼っても……いいんだよ、ね?ローガンの知り合いなら、大丈夫だよね?え、でも誰……?

 安心していいやら疑っていいやらで、私はどうやら変な顔をしていたようで、それを見たキラキラした人はまた楽しそうに笑いだした。よく笑う人だ。

「ふふふ、困ってる困ってる! 君、カワイイねぇ! キースの100倍カワイイよ!」
「……マリオ……」
「なに? さっきから話しかけたくらいで嫉妬しないでよ、君は本当に面倒くさいな。ワカメちゃん、はじめまして。俺はマリオと言います。この狼の家族みたいなものだから警戒しなくてもいいんだよ?」
「家族じゃない」

 ローガンがマリオさんとの話に気がそがれている隙に、私の口元を覆っていた彼の手を漸く引き剥がすことに成功した。
 そのままの勢いで腕からも脱出しようともがくけど、ローガンに気付かれてなかなかうまくいかない。

「ねぇ、ちょっと、ローガン離して! なんでこんなにベタベタするの⁉︎」
「離したらアリサはまた何処かへ行ってしまうだろう。なんだ……嫌なのか?」
「嫌だよ!」
「‼︎」

 ローガンの表情と腕の力がストンと抜け落ちた。
 そっと離してはくれたけど無言の無表情が怖いし、なんだか気不味い。

 だって……! これまで放置されてたのに、いきなりこんなの戸惑うでしょう⁉︎


「あは、あはは! あのキースが……っ、秒で振られてんの、楽しー!」
「マジで黙れ糞王子」
「あはははは! はははは!」


 苦々しい顔で暴言を吐くローガンに、マリオさんだけは終始本当に楽しそうだった。



※※※


 食堂に戻ると、間借りしている二階の自室前にはお揃いの騎士のような制服を身に着けた人が2名、オロオロとしていた。

「君たち、そこで何してんの?」
「で、殿下……っ!」

 マリオさんが騎士風の人達に声を掛けると『ヤバイ』というような顔で慌てて振り返る。

 でんか?

「子供達の警護を命じたはずだよね? 入口で何をモダモダと……」
「申し訳ありません! その……、子供達なのですが、目を覚ました片方が結界を展開しておりまして……っ」
「結界?」
「はい! 我々はあっという間に締め出されてしまいました……!」

 部屋の中からは、微かに泣き声が聞こえてくる。多分ライラだ。ライラが泣いている。

「ライラ……っ! キース!」

 すぐさま部屋の中に駆け込もうとしたけれど、透明のガラスの様なものが入口を覆って入ることが出来ない。

 何これ⁉︎
 掌で思い切り叩いてもびくともしないし、音もならない。
 部屋の中にいるであろう子供達は見えないし、子供達も私の存在に気づいていないようだ。

「さすが子供といえど黒狼だね。もう魔法が使えるなんて……。そんな報告、聞いてないんだけど」

 マリオさんの言葉に騎士達がビクリと大袈裟に肩を揺らして「我々も知りませんでした‼︎」「本当です‼︎ 初見です‼︎」と必死の言い訳を始める。

「魔法ってなに? どうして、部屋にこんな……」

 今までこんな事はなかった。
 とても子供達がやったこととは思えない。
 でも、これが子供達のやっている事なら、無理に叩いたりしたら痛かったりするのかな⁉︎
 当たり前だけど自分には魔力なんてないからどうしていいかが分からない。

 泣き声を聞きながら狼狽えていると、ローガンがスッと長い指をガラス面に伸ばした。
 ズズズ……ッと指先から掌、そして腕を飲み込んでいく。それはローガンだけで、私が触れている面は変わらずガラスのように硬い。
 そしてあっという間に難なくローガンの身体は、結界の向こう側へと入っていった。

「⁉︎⁉︎」
「うん、ワカメちゃんの気持ちはわかるけど、アレは特殊だから追求するだけ無駄だよ。黒狼は黒狼に任せて、もうそういうものだと思うのが正解だから」

 マリオさんが悟ったように、目の前の光景に混乱する私の肩を叩いた。


 暫くして、部屋の扉を覆っていたガラスが霞のように空気に溶けて消えたのを合図に、ローガンが子供達を抱えて部屋から戻ってきた。

「抱え方……っっ‼︎」

 無表情で人形のように固まったキースの首根っこを掴んで片手にぶら下げて、未だ泣き叫ぶライラはラグビーボールのように小脇に抱えられている。

「ちょっとローガン‼︎」
「結界を俺に壊されて怯えているだけだ。怪我はない」
「いや持ち方……っ‼︎ 荷物じゃないんだからやめてよ! 返してっ!」
「うわぁぁああぁん!」
「何が不満なんだ……」

 父親の適性ゼロのローガンから子供達を奪い返すとライラもキースもホッとしたように抱きついてきた。
 子供達特有の体温の高さが無事を実感させてくれる。

「よかった……よかったよぉ……。うう、ごめんね、ごめんね」

 私がローガンみたいに強かったらもっと早く助けてあげられたのに……っ。
 結果的に、私は大変なことをしてしまったのだ。


「私……っ、子供達を助けたくて、隣国に渡す契約を交わしちゃった……。どうしよう、なんてことをしちゃったんだろう。明日にはもう契約が」
「全く、こんな事になるだろうから早くウチの国で保護しておけば良かったのにバカが」

 ホッとしたのは束の間ですぐに後悔でグズグズになっていると、マリオさんが良い笑顔で毒を吐いた。顔と言葉が全く結びついていなくてギョッとする。
 
「ああ、違うよ? ワカメちゃんに言ったんじゃなくて馬鹿はキースのことだからね。普段ならもう少し何とかなっただろうに、番しか目に入らなくなって囲い込もうとするからこうなるんだよ。でもまあ、その契約書は今頃その脳筋ストーカーのおかげで海の上で白紙だろうけど」
「は、はくし……?」
「そう、白紙。契約は無効。ワカメちゃんは知らないと思うけど、キースはこの町にいる時に君に術を複数掛けていたんだよ」

 術……魔法?
 何のことだろうと首を傾げてローガンを見上げると、サッと視線を逸らされた。
 何、その明らかに疚しいですという反応は。
 嫌な予感がするんですけど。

「術って、なんですか?」
「別にたいしたものじゃない」
「ローガンは黙ってて。マリオさん、教えてください」

 ローガンを無視して側にいたマリオさんに事情を聞くと、マリオさんは嬉々として頷いた。

「いいよぉ、まず追跡ね! これはワカメちゃんがいつもどこに居るのか把握する魔法でぇ、あとワカメちゃんの情報遮断。これが効果覿面でね、この町から君に関する情報……髪の毛一本も持ち出せないように術をかけていたみたいだよ。だからたとえ魔道具の契約書だろうと君が書いた文字さえ街の外には出られない。実際俺も君の事を何度か探ろうとしたことがあるんだけど、町を出た途端部下の記憶が全て曖昧になって、報告書は君に関する部分が白紙になった。怖くない? もうこれ魔法じゃなくて呪いだよね」
「やめろ、アリサが怯えるだろうが」
「いやこれ十分怯える案件だからね? 多分、ワカメちゃん自身もこの町からは出られないんじゃない? 試した事はある?」
「……いえ、町からは、出た事がないので……」
「そう? じゃあやってみるといいよ、きっと面白いくらいに迷って出られないから。キースは自分が居ない間、ワカメちゃんに逃げられないようにしてたんだろうけど、本人に気付かれていないだけで範囲の広い監禁だから。まじで。これ、昔は凶悪な囚人に対して使われていた上位魔法のアレンジらしいけど、普通は長期的に使うことは魔力がもたないから不可能。それを私的に難なく維持していたなんて、君も恐ろしい男に目をつけられたもんだよねぇ」
「凶悪な囚人……?」
「変な言い方をするな。すべてアリサの安全のためだ!」
「えー自分のためでしょー。だって王都にいる時は日課のようにワカメちゃんの居場所を確認してたじゃない。フラれてるのに」
「お前……もう何も言うな……」
「……」
「あれ、ワカメちゃん大丈夫? 引いてる?」

 あまりの情報量に、ちょっとついて行けていない。

 ……つまり、ローガンはこの町にいた時からずっと私を監視していたってこと?
 
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