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しおりを挟む陣痛が来たのは満月の夜だった。
あれ、嘘、ちょっとまって! 思ってたより時期が早い⁉︎ まだ妊娠して半年なんだけど⁉︎ と、最初は驚きで目を白黒させていたけど、すぐに痛みでそんな事はどうでもよくなった。
本当は時期が近付いたらオリエさんのお家にお邪魔して付き添ってもらう予定だったのに、真夜中だからもちろん居ないし自力で助けを呼びにいく余裕もない。
ああ、人間だから十月十日だと思ってた私のバカっ!
でも獣人とのハーフなんて産んだ知り合い周りにいないからわかんないよー!
自室のベッドの上でのたうち回りながら、久しぶりにあの綺麗な顔を思い出して『なんで私だけこんな苦しい思いしなきゃいけないの⁉︎』『ヤるだけヤッて逃げやがって』『ローガンの馬鹿野郎ぉおぉ!』と、これから産まれてくる子供にはとても聞かせられないような罵りの言葉を吐き続けて、朦朧とする意識を無理やりつなぎとめた。
翌朝、オリエさんが仕込みをするために店に出勤すると二階から赤ん坊の弱々しい鳴き声が聞こえてきて、慌てて部屋に駆け込んだときにはすでにグッタリとした私と男女の赤ん坊が居たそうだ。
子供は双子だった。
少し垂れた三角の耳とまだ小さな尻尾は黒毛。私と同じ黒髪だ。
ローガンの白銀の毛色と蒼い瞳を受け継ぐ事はなかった。別に残念だなんて思ってない。もう戻らない彼の子である証拠なんて必要ないんだから。
男の子は『キース』。
女の子は『ライラ』と名付けた。
キースは英雄で、ライラは女神の名前らしく、巷では名付けの際に人気なんだって。なかなか素敵だと思う。うん、うちの子にピッタリ。
名前がすんなり決まったので、双子をオリエさんのお家で預かってもらい役所に届けに行くと、サウザンさんの甥っ子さんが対応してくれた。
「こんにちは、ミドと申します。叔父から話は聞いていますよ」
「はじめまして、アリサです。お世話になります」
ミドさんはウサギの獣人青年だ。茶色の髪の間から白くて長い耳が生えている。
漁師のサウザンさんよりも線が細く、垂れ目がちで柔和な赤い瞳を細めて親切に対応してくれた。
「まだ体調も万全ではないでしょう? すぐに申請書を用意しますので、お掛けになってお待ち下さい」
「ありがとうございます」
産後の肥立ちはすこぶる万全だ。
産む時は死ぬかと思ったけどそれでも私は安産と言えるような部類だったらしく、産んだ後も回復が早くてすぐに歩くことができた。
それは子供達が思っていたよりも小さく生まれてきたからなのかもしれない。
オリエさんが言うには狼の獣人の子ならこの位が普通サイズらしいけれど、生まれたばかりの頃は1キロくらいしかない子供達に獣人の常識を知らない私は「未熟児⁉︎」とまたパニックになりかけて、とにかくとても心配した。
「あ、双子なんですね。それなら給付金も二人分出ますよ」
ミドさんが申請書に書かれた子供達の名前を見て言った。
ちなみに私は片仮名で書いていても、何故か相手には異世界の文字に変換されて見えるらしい。不思議。
「えっ、本当ですか?」
「はい。アリサさんが育児で休職をされる期間は給付金のほかに子供達の医療費も免除されます」
「そんなに手厚いんですか⁉︎」
「ええ、この町は田舎で子供が少ないですからね。出来るだけ定住して頂けるように福祉は充実している方だと思います。困った事があれば声を掛けてください。町がお手伝いできる事が他にもあるかもしれません」
なんと素晴らしい制度だろう。
この町で子育てできるのは本当にラッキーだ。
子育てが落ち着いたら、恩を返すつもりでまた頑張って働いてきちんと税金を納めようと思う。
※※※
オリエさんから譲り受けたベビーベッドは、6人の子を支えてきただけあって木製のしっかりとした作りだった。
でも、ひとり用だから双子を寝かすには少々狭い。
双子の身体はまだ小さいとはいえ少しだけ窮屈そうにお互いに引っ付いて、たまに片方の手がもう片方の顔に当たったりすると、叩かれた方が大泣きして叩いた方も大泣きするという負の連鎖が起こる。
今日は日用品の買い物に行かなくてはならない。
少し迷ったけれど、双子を普段自分が寝ているベッドに移動させた。
まだ寝返りもうてないし、少しの時間なら大丈夫だよね?
ゆったりとした空間に子供達が手足をバタつかせるのを微笑ましく思いながら、部屋を出た。
15分ほどして店の裏口から部屋に戻るための階段を上り始めると、子供達の鳴き声が聞こえてきた。
またどちらかの腕でも当たって大泣きしているのだろうかと扉を開けると、キースがベッドから落ちて床にうつ伏せて泣いていたのだ。
「キースっ⁉︎」
慌てて駆け寄って抱き上げた。
普段は白いほっぺが、片方薄らと赤く腫れている。
ライラは⁉︎ とベッドの上を見ると、ライラもキースの鳴き声につられるように、えぐえぐと苦しそうに涙を流していた。
ふたりを抱き上げて一階の店に降りていくと、オリエさんが夕方からの営業分の仕込みをしていた。
「オリエさん! どうしよう、キースが……っ、ベッドから落ちたみたいで、顔が腫れてるんです! 頭を打ってたらどうしようっ、病院……っ! 子供を見てくれる病院はありますか⁉︎」
「キースが? どれ、こっちに見せてみな。ライラは?」
「ライラは落ちてないんですけど、でも、いっぱい泣いて苦しそうなんです! 私が……っ、柵のないベッドにふたりを寝かせて出かけてしまったんですっ。少しなら大丈夫だなんて、どうして思っちゃったんだろう……っ」
「アリサ落ち着いて。アンタまで泣いてどうすんのさ。ほら、キースをこっちに寄越してごらん」
「ううう、オリエさん~」
キースをオリエさんに手渡すと、オリエさんは泣いているキースの顔を覗き込んだ。
「あらまあ、お顔をぶつけたんだね。ほっぺと掌が擦れて少し血が滲んでいるよ。首は……大丈夫そうだね」
「首っ⁉︎」
「赤ん坊は柔らかいからね。大きな怪我はないようだけど、一応診てもらうかい?」
「病院があるんですか⁉︎」
「治療院なら町外れに一軒だけあるんだよ。王都で引退した治癒師が気紛れに院を開いてるんだ」
「行きます‼︎」
首、首はまずい。
そういえば、元の世界でも首が据わるまでは抱っこも気をつけなきゃいけないって聞いたことあるような、ないような。
私はオリエさんにライラを預けて、キースを抱えて町外れの治療院へ急いだ。
家を出るときにオリエさんに抱かれたライラがより激しく泣く声が聞こえてきて、やっぱりライラも一緒に連れて行こうと一度戻ったら、オリエさんに『今はキースを早く連れていきな!』と追い出された。
キースは泣き疲れたのか、しばらくすると私の胸元のシャツを小さな両手で掴んで『くぅくぅ』と頼りなく喉を鳴らしていた。
黒い耳も尻尾も垂れて、私の走る振動で揺れている。小さな命が、私に一生懸命しがみついている。
泣いている場合じゃない。この子を私が守らなきゃいけない。
強く前方だけを睨みつけて歩みを早めた。
「アリサさん? どうしたんですか?」
すれ違い様に一度通り過ぎた三輪バイクが私に声を掛けてきた。白くて長い耳を持つ役所の職員ミドさんだった。
「治療院に行かなきゃいけないんです! ごめんなさい、急いでいるので!」
「えっ⁉︎ それなら送りますよ!」
確かにミドさんのバイクなら倍以上早く到着するかもしれない。でも。
「キースがいるんです、キースを抱っこしてバイクには乗れません」
「キースくんは僕が抱っこします! その抱っこ紐を貸してください!」
「で、でも……っ」
「大丈夫です、絶対に落としたりしません。しっかり括り付けますから!」
ミドさんはキースを私から奪って、あっという間に手慣れた様子で自分の胸の前に括り付けた。
えええ⁉︎
「よく甥っ子もこうして抱っこしてるんですよ」
私が驚いていると、ニコッと人好きのする笑顔を浮かべて何でもないことのように言うけど、ちょっと強引すぎませんか⁉︎
「ほら、アリサさんも早く後ろに乗って!」
「う、あの、キースを……」
「早く!」
急かされてバイクの後ろに乗ると、ミドさんはアクセルをふかしてすぐに加速した。
「ひえええ……っ!」
ミドさんのバイクは元の世界で例えれば50CCの三輪スクーターのような形状をしている。
二輪よりは穏やかな見た目なのに思ったよりもスピードが出て、ミドさんの胸の前にいるキースを後ろから抱え込んだ。
死んでも落とさないからね⁉︎ と、ギュッとしがみつくとミドさんが少しだけたじろいだ気がした。
※※※
「大事に至らなくて良かったですね」
「はい、本当にありがとうございました」
ミドさんまでホッとしたように息を吐いているのがなんだか可笑しくて、小さく笑ってしまった。
無事に治療院について、キースの怪我がたいした事ないことが分かった。
治癒師のご厚意で頬と掌の擦り傷も魔法で癒してもらい、元の白いほっぺに戻ったキースは私の腕の中でスヤスヤと眠っている。
実は、この世界には魔法が存在する。
使えるのは限られた者だけで、そのほとんどが王族や上級国民と呼ばれる者達。
この国の生活に必要な動力は殆ど魔力によるものなので、魔力を扱えるというのはそれだけで特権となるのだ。
でも、一般人は魔力を持っていないのが普通で、用途に応じて魔力を溜めた電池のようなものや魔力入りの液体を購入することで生活を賄っている。
たまに魔力を持つ者が一般人で生まれても、すぐに国に保護されて魔法教育を受けるために王都近くで過ごすことになるので、この辺りで魔法を扱える者は滅多に見かけない。
治療院にいた治癒師は人間のおじいさんで、やっぱり元は王都で働いていたらしい。
歳をとって引退後は田舎でゆっくり過ごそうと、このモフルン町に移り住んで治療院を開業し、趣味程度に軽い怪我や病気を癒して小遣い稼ぎをしているそうだ。
「こりゃあ珍しい! 黒狼の子かい?」
キースを見た治癒師のおじいちゃん先生は、開口一番にキラキラと目を輝かせてそう言った。
「いいえ、普通の狼の子です。髪が黒いのは私の遺伝で……」
「いいや、この坊やは希少な黒狼だろう! 今はまだ小さくて分からないかもしれないが、きっと将来は魔力も強くなるぞ。生きているうちにまた黒狼に会えるなんてワシはラッキーじゃな!」
だから黒狼じゃないんだけどな……と、思いながらも興奮気味のおじいちゃん先生に水を差すのも憚られて黙っていた。
なんだかよくわからないが喜んでくれているなら良い。それより早くキースを診て欲しい。
「元々獣人はワシら人間と違って身体が丈夫だからの。多少落っこちても屁でもないわ」
「でもすごく泣いていて」
「ビックリしただけじゃろ。擦り傷はあるが、首も骨もなんともないぞ」
「本当ですか? 良かったぁ」
「この程度の傷なんてほっとけばその内治る。獣人が多いこの町ではワシの商売は上がったりじゃ」
突き放すようにそう言いながらも、おじいちゃん先生はキースの頬と手の擦り傷を魔法で癒して綺麗にしてくれた。
お代は分割でも大丈夫だろうか。
お支払いしようと料金を恐々と伺ったら、付き添ってくれていたミドさんが「それは役場で負担しますので大丈夫ですよ」と言ってくれた。
忘れていたけど、そう言えば給付金申請時にそんな制度があるとは確かに聞いた。
でも治癒魔法は本来高額なものだと聞くし、本当に医療費免除の対象に入るのだろうかと不安に思っていると、おじいちゃん先生が「今日は初診サービスだから要らん」と謎のキャンペーンを打ち出してきた。
「そんなサービス有るんですか?」
ミドさんも困惑顔だ。
きっとそんなものは普通は無いのだろうけど、おじいちゃん先生は「ワシは退職金ががっぽりあるから金には困っとらん。それに黒狼の子供を見れて今日は気分が良い」と、下手くそなウィンクをかまして、本当にタダにしてくれた。
この町の人たちは、何故こんなに親切なんだろう。
それにキースは黒狼じゃないから、騙しているようでちょっと申し訳ない。
傷も治り、時折『ぷぅ』と鼻を鳴らしながら眠るキースの頭を皺皺の手で撫でてくれるおじいちゃん先生に、後できちんとお礼を持ってこようと心に決めて、ご厚意を有り難く受け取ることにした。
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