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瀬戸際の泥棒と窓際の彼女
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先ほどの家で頂いた食パンを食べながら夜の世界を甲田は歩く。
泥棒をしていないときでも、職業柄足音は立てない。
パンを一枚食べ終わり喉の渇きを覚えた頃、甲田の目の前に一匹の黒猫が飛び出してきた。
黒猫はしなやかな動きで冷ややかな視線を甲田に向けている。夜の闇に溶け込んでいる黒猫は小さな目だけが浮かんでいた。
お互い見つめ合う。先に動いたのは甲田だった。甲田はその場にしゃがみ、腕を前に差し出して手招きする。
「おいで、ほら」ちゅちゅちゅ、と口を鳴らす。
黒猫はそんな甲田を無視して夜の闇に紛れて消えた。
ちぇ、と思いながら甲田は立ち上がる。
「あんた、本当に動物好きなんだな」
甲田の背後から声が掛けられる。甲田に驚く素振りはない。いつものことだからだ。
「河合さんこそ、本当にいつから後ろにいるんすか」
「俺はいつでもあんたを後ろから見ている」河合、と呼ばれた男は得意げに言う。
「また、盗んだのか」
「盗んだんじゃなくて取り返しただけっすよ」
「でも食糧は盗んだだろ」
「それはギブアンドテイクです」
河合は甲田と並んで歩き出した。
甲田は、河合のユサユサと揺れる出っ張ったお腹と寂しくなった頭髪が風に揺れる様を見ながら、なんでこんな典型的な中年の親父体型でも俺に気づかれずに背後に立てるんだろうか、と毎回不思議に思っていた。
甲田と河合が出会ったのは2年ほど前、丁度甲田が泥棒専門の泥棒、という仕事をやり始めた矢先だった。
河合も昔は泥棒を生業としていたらしく、泥棒業界には顔が効いた。それで、河合は甲田に泥棒業界の情報を提供している。
だが、甲田がそれを頼んだのではなく、河合が勝手に情報を提供し始めたのだ。河合曰く「若者を見ると応援したくなっちゃうんだよなぁ」との事だが、甲田はどこか胡散臭いその言葉を信じてはいない。だが、河合からの情報は確かで、未だに誤情報はなかった。
「河合さん、なんか新しい情報は入りましたか?」と甲田は言う。
だが、河合はそれには答えずにただ目の前に広がる暗がりを見つめていた。
そのまま無言で歩いて行くと、ようやく河合が口を開いた。
「あんた、いつまでこんなこと続けるつもりだ」
「いきなりなんすか」
「あんたは良くやってるよ。泥棒から泥棒するなんて並みの神経じゃできない。今まで見つかったこともないしな、奇跡みたいなもんだ。でもな、あんたのことは特定されてないが、あんたの存在は泥棒業界の中じゃ有名だ。泥棒から泥棒するやつがいる、ってな」河合はそこで一息つく。最近になり、吐く息が白くなるということがなくなるくらいには暖かくなってきた。
「あんたは敵を作りすぎた。泥棒が盗んだ物を盗み返すってのは、想像以上に敵を作る。盗んだ物をヤクザと取引するやつだっているし、海外のギャングとだって取引するんだ。あんたは、同業者の泥棒からも、ヤクザからも、ギャングからも目をつけられてる。見つかったら本当にヤバイぞ。それこそ、普通に泥棒して警察に目をつけられた方が100倍マシだ」
「大丈夫っすよ」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ。いくら上手いこと姿を隠しても、存在してる以上は見つかっちまうんだよ」
「でも」と甲田は深刻さのない声で言う。「ネッシーも雪男も見つかってないっすよ」
「あれは存在してないんだよ」
「夢、壊さないでくださいよ」
「あんた、自分が瀬戸際にいるって自覚しろよ!」と河合が声を張り上げる。閑静な世界にその声は響き渡り、星が少し揺れたのではないか、と甲田は思った。
「河合さんは情報を提供してくれればいいんです」
「俺は心配して言っ…」
「俺はあいつらを殺せるなら死んだっていいんだ」甲田の声は力強い。だが、その声には一切の熱が篭っておらず河合はその声にたじろぐ。
「俺は今まで独りで生きてきました。いろんな情報を提供してくれる河合さんには感謝してます。でも、河合さんのことを信頼してるわけじゃない。情報は信用してるけど、あくまで俺は独りでやってきたんす」心配なんていらないんす、と甲田は言った。
河合の表情は険しかった。その顔は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えた。
「じゃあ、好きにしろよ」と河合は力無く言い俯く。「あんたがずっと求めてた情報が手に入った」
甲田の体全身に力が入った。
河合から情報を聞いた甲田は、もう一仕事しようかと一人歩きながら思っていた。たぶん、長年追い求めていた情報がようやく手に入り、高揚していたということもあったのだろう。仕事をして、落ち着かせようと考えた。
やって来たのは住宅街から少し離れた場所にある家だった。周りに民家は少なく、どちらかといえば木々が目立っており、近くには大きな川が流れている。家はかなり大きく庭が広い。豪邸と言っては言い過ぎだが、普通の家よりはなかなか大きい。その割に玄関先はコンクリートで防犯用の砂利などが敷かれておらず、辺りは人気もない、いかにも、泥棒に狙われそうな家だった。
だが、今回は盗みが目的ではない。この家に住んでいるのは泥棒ではない。甲田が以前泥棒から盗んだ物をこの家に返しに来たのだ。
盗み、よりも返す方が楽だった。
出先で、尿意は無いがトイレがあるから一応行っておく。そんな感覚で、甲田はその家に忍び込んだ。
鍵穴に針金を差し込む。ガチャッと鳴る。音というよりも、指先から伝わる振動に近かった。
ドアを人一人分ほど開け体を滑り込ませる。
目の前に続く廊下を見る。闇。
持て余すほどの静寂の中に漂う闇。
空気すらも暗い色に染まり、静寂と闇に同化していた。
この家に人はいない。甲田は確信した。経験から来る感覚だった。玄関に一足も靴が無いことも、甲田の感覚を裏付けた。
だが生き物はいる可能性は捨てきれない。犬か猫か。
犬は吠えられれば厄介だが、番犬であるならば俺が入ってきている時点で吠えられているだろうから、とりあえずは大丈夫だ、と甲田は判断した。
歩みを進め、少し長い廊下の突き当たりの扉を開ける。
部屋には折り畳み式の足がついた小さいテーブルと本棚と黒い革製のソファが真ん中にポツンと置かれているだけだった。元々部屋は広いが、物がほとんど置かれていないことで、実際よりもかなり広く感じられる。
隣接する台所にも生活感は感じられない。
ここの家主は、かなり長い間留守にしているのか? 甲田は考える。
まったく音のしない室内。寂しい静寂だ、と甲田は思った。
楽しいという感覚や賑やかという感覚を忘れてしまった静寂。
二年間の泥棒作業でこのような家は何件か当たったことがある。どれも長いこと家主が留守にしていた家だったが、この家は群を抜いていた。
そして、孤独なのだ。孤独な静寂。
そんなことを甲田が考えていると突然、ギュッと音が鳴った。ソファから鳴った音だった。
この部屋にも、音はあったのかと甲田はどこか安心感を覚えながらもソファを見る。
闇の中で、黒いなにかが蠢いていた。その黒いなにかが甲田を見つめる。
深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗く。
どこかで聞いたことのある言葉を甲田は思い出したが、もちろん、蠢めく黒いなにかは深淵では無い。生き物だった。
甲田の表情は少し和らぎ、口角が勝手に上がる。
「クッションかと思ってたよ。お前、隠れるの上手いなぁ」と甲田は言い黒いなにかに近づき撫でた。
黒いなにかはクゥーンという甘い声を出した。
「黒柴の子供か。飼い主はどうしたんだよ?」
クゥーンと黒柴はもっと撫でてくれと言わんばかりに頭を甲田の腕に押し付ける。甲田を見つめる黒柴の目は淡く湿り気を帯びて光っていた。
「餌はどうしてるんだ? こんな家に独りきりじゃ寂しいだろう。首輪もしてないし、名前もわからないな」
「クロよ」
「クロって言うのか、お前」と甲田はクロを撫で続ける。
おぉーしよしよし、と手を止めない。額から一粒の汗がツーっと甲田の顔を滴る。
今の声って、誰?
甲田は恐る恐る声のした方を振り返る。
「あなた、誰?」
白いセーターにジーンズを履いた女性が窓際に立っていた。
クロは甲田の手が止まったからか、ソファから飛び降りその女性の足元に尻尾を振って歩いていく。
雲に隠れていた月が顔を出したのか、外が少し明るくなる。カーテンの隙間から漏れる光が女性を照らす。黒く長い髪に白い肌。
漏れる光は更に伸び、まるで意思があるかのように甲田も照らした。
月明かりに照らされてしまった泥棒は戸惑い、光から逃れようと一歩後退りをする。床がギィッと音を立てる。
クロが大きな欠伸をして甲田を見ていた。
二流だな。と言っているように見えた。
泥棒をしていないときでも、職業柄足音は立てない。
パンを一枚食べ終わり喉の渇きを覚えた頃、甲田の目の前に一匹の黒猫が飛び出してきた。
黒猫はしなやかな動きで冷ややかな視線を甲田に向けている。夜の闇に溶け込んでいる黒猫は小さな目だけが浮かんでいた。
お互い見つめ合う。先に動いたのは甲田だった。甲田はその場にしゃがみ、腕を前に差し出して手招きする。
「おいで、ほら」ちゅちゅちゅ、と口を鳴らす。
黒猫はそんな甲田を無視して夜の闇に紛れて消えた。
ちぇ、と思いながら甲田は立ち上がる。
「あんた、本当に動物好きなんだな」
甲田の背後から声が掛けられる。甲田に驚く素振りはない。いつものことだからだ。
「河合さんこそ、本当にいつから後ろにいるんすか」
「俺はいつでもあんたを後ろから見ている」河合、と呼ばれた男は得意げに言う。
「また、盗んだのか」
「盗んだんじゃなくて取り返しただけっすよ」
「でも食糧は盗んだだろ」
「それはギブアンドテイクです」
河合は甲田と並んで歩き出した。
甲田は、河合のユサユサと揺れる出っ張ったお腹と寂しくなった頭髪が風に揺れる様を見ながら、なんでこんな典型的な中年の親父体型でも俺に気づかれずに背後に立てるんだろうか、と毎回不思議に思っていた。
甲田と河合が出会ったのは2年ほど前、丁度甲田が泥棒専門の泥棒、という仕事をやり始めた矢先だった。
河合も昔は泥棒を生業としていたらしく、泥棒業界には顔が効いた。それで、河合は甲田に泥棒業界の情報を提供している。
だが、甲田がそれを頼んだのではなく、河合が勝手に情報を提供し始めたのだ。河合曰く「若者を見ると応援したくなっちゃうんだよなぁ」との事だが、甲田はどこか胡散臭いその言葉を信じてはいない。だが、河合からの情報は確かで、未だに誤情報はなかった。
「河合さん、なんか新しい情報は入りましたか?」と甲田は言う。
だが、河合はそれには答えずにただ目の前に広がる暗がりを見つめていた。
そのまま無言で歩いて行くと、ようやく河合が口を開いた。
「あんた、いつまでこんなこと続けるつもりだ」
「いきなりなんすか」
「あんたは良くやってるよ。泥棒から泥棒するなんて並みの神経じゃできない。今まで見つかったこともないしな、奇跡みたいなもんだ。でもな、あんたのことは特定されてないが、あんたの存在は泥棒業界の中じゃ有名だ。泥棒から泥棒するやつがいる、ってな」河合はそこで一息つく。最近になり、吐く息が白くなるということがなくなるくらいには暖かくなってきた。
「あんたは敵を作りすぎた。泥棒が盗んだ物を盗み返すってのは、想像以上に敵を作る。盗んだ物をヤクザと取引するやつだっているし、海外のギャングとだって取引するんだ。あんたは、同業者の泥棒からも、ヤクザからも、ギャングからも目をつけられてる。見つかったら本当にヤバイぞ。それこそ、普通に泥棒して警察に目をつけられた方が100倍マシだ」
「大丈夫っすよ」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ。いくら上手いこと姿を隠しても、存在してる以上は見つかっちまうんだよ」
「でも」と甲田は深刻さのない声で言う。「ネッシーも雪男も見つかってないっすよ」
「あれは存在してないんだよ」
「夢、壊さないでくださいよ」
「あんた、自分が瀬戸際にいるって自覚しろよ!」と河合が声を張り上げる。閑静な世界にその声は響き渡り、星が少し揺れたのではないか、と甲田は思った。
「河合さんは情報を提供してくれればいいんです」
「俺は心配して言っ…」
「俺はあいつらを殺せるなら死んだっていいんだ」甲田の声は力強い。だが、その声には一切の熱が篭っておらず河合はその声にたじろぐ。
「俺は今まで独りで生きてきました。いろんな情報を提供してくれる河合さんには感謝してます。でも、河合さんのことを信頼してるわけじゃない。情報は信用してるけど、あくまで俺は独りでやってきたんす」心配なんていらないんす、と甲田は言った。
河合の表情は険しかった。その顔は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えた。
「じゃあ、好きにしろよ」と河合は力無く言い俯く。「あんたがずっと求めてた情報が手に入った」
甲田の体全身に力が入った。
河合から情報を聞いた甲田は、もう一仕事しようかと一人歩きながら思っていた。たぶん、長年追い求めていた情報がようやく手に入り、高揚していたということもあったのだろう。仕事をして、落ち着かせようと考えた。
やって来たのは住宅街から少し離れた場所にある家だった。周りに民家は少なく、どちらかといえば木々が目立っており、近くには大きな川が流れている。家はかなり大きく庭が広い。豪邸と言っては言い過ぎだが、普通の家よりはなかなか大きい。その割に玄関先はコンクリートで防犯用の砂利などが敷かれておらず、辺りは人気もない、いかにも、泥棒に狙われそうな家だった。
だが、今回は盗みが目的ではない。この家に住んでいるのは泥棒ではない。甲田が以前泥棒から盗んだ物をこの家に返しに来たのだ。
盗み、よりも返す方が楽だった。
出先で、尿意は無いがトイレがあるから一応行っておく。そんな感覚で、甲田はその家に忍び込んだ。
鍵穴に針金を差し込む。ガチャッと鳴る。音というよりも、指先から伝わる振動に近かった。
ドアを人一人分ほど開け体を滑り込ませる。
目の前に続く廊下を見る。闇。
持て余すほどの静寂の中に漂う闇。
空気すらも暗い色に染まり、静寂と闇に同化していた。
この家に人はいない。甲田は確信した。経験から来る感覚だった。玄関に一足も靴が無いことも、甲田の感覚を裏付けた。
だが生き物はいる可能性は捨てきれない。犬か猫か。
犬は吠えられれば厄介だが、番犬であるならば俺が入ってきている時点で吠えられているだろうから、とりあえずは大丈夫だ、と甲田は判断した。
歩みを進め、少し長い廊下の突き当たりの扉を開ける。
部屋には折り畳み式の足がついた小さいテーブルと本棚と黒い革製のソファが真ん中にポツンと置かれているだけだった。元々部屋は広いが、物がほとんど置かれていないことで、実際よりもかなり広く感じられる。
隣接する台所にも生活感は感じられない。
ここの家主は、かなり長い間留守にしているのか? 甲田は考える。
まったく音のしない室内。寂しい静寂だ、と甲田は思った。
楽しいという感覚や賑やかという感覚を忘れてしまった静寂。
二年間の泥棒作業でこのような家は何件か当たったことがある。どれも長いこと家主が留守にしていた家だったが、この家は群を抜いていた。
そして、孤独なのだ。孤独な静寂。
そんなことを甲田が考えていると突然、ギュッと音が鳴った。ソファから鳴った音だった。
この部屋にも、音はあったのかと甲田はどこか安心感を覚えながらもソファを見る。
闇の中で、黒いなにかが蠢いていた。その黒いなにかが甲田を見つめる。
深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗く。
どこかで聞いたことのある言葉を甲田は思い出したが、もちろん、蠢めく黒いなにかは深淵では無い。生き物だった。
甲田の表情は少し和らぎ、口角が勝手に上がる。
「クッションかと思ってたよ。お前、隠れるの上手いなぁ」と甲田は言い黒いなにかに近づき撫でた。
黒いなにかはクゥーンという甘い声を出した。
「黒柴の子供か。飼い主はどうしたんだよ?」
クゥーンと黒柴はもっと撫でてくれと言わんばかりに頭を甲田の腕に押し付ける。甲田を見つめる黒柴の目は淡く湿り気を帯びて光っていた。
「餌はどうしてるんだ? こんな家に独りきりじゃ寂しいだろう。首輪もしてないし、名前もわからないな」
「クロよ」
「クロって言うのか、お前」と甲田はクロを撫で続ける。
おぉーしよしよし、と手を止めない。額から一粒の汗がツーっと甲田の顔を滴る。
今の声って、誰?
甲田は恐る恐る声のした方を振り返る。
「あなた、誰?」
白いセーターにジーンズを履いた女性が窓際に立っていた。
クロは甲田の手が止まったからか、ソファから飛び降りその女性の足元に尻尾を振って歩いていく。
雲に隠れていた月が顔を出したのか、外が少し明るくなる。カーテンの隙間から漏れる光が女性を照らす。黒く長い髪に白い肌。
漏れる光は更に伸び、まるで意思があるかのように甲田も照らした。
月明かりに照らされてしまった泥棒は戸惑い、光から逃れようと一歩後退りをする。床がギィッと音を立てる。
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