名も無い忌子

蜘優桜

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響く夜空に美しき心を

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 心優「奈一、それはね___」

 心優「『魔力感知』だよ」

 水葉「『魔力感知』ですって⁉︎」

水葉は焦ったようにオレ達に聞いた

 水葉「まさか、常時発動しているの⁉︎」

水葉は目を見開きオレらに聞いた

 心愛「普通でしょ?何をそんなに___」

 水葉「全然普通じゃないわよ‼︎すごい事なの‼︎」

心愛が言い切るのを待たず、水葉は叫んだ

 心愛「…え?」

心愛は驚いた様子で声を漏らした
___その声は震えていた

 心優「私らの年齢でって事?」

心優が問いかけた

 水葉「ま、まぁそれもあるわね…」

水葉は呆れた様子でため息混じりにつぶやいた

 心優「だって心愛」

心優が心愛に語りかける
少しだけ幼い笑顔を心愛に向けていた
これが本来の心優だったのだろう
もしかしてだが心愛に安心して欲しいのか…?さっき心愛がオレ達にそうしてくれたように

 奈一「まぁ細かいことはいいよ‼︎心美が大丈夫ならトランプしよう‼︎」

どんなけトランプしてぇんだコイツは…

 響「あんた、どんなけトランプしたいのよ…」

よかった、オレの言いたいこと言ってくれる奴がいた
他のやつは…

心優は頷いてるわ、心愛はにっこり笑顔で何も言わないわ、皐月はやる気満々でトランプ探してるわ…
まぁいいか…

こんな日常も悪い感じはしねぇ

 オレ「ま、いいじゃねぇか響。遊んでやろうぜ」

 響「そうね。」

響は少し苦笑しながらも楽しそうに返事をした
響もこんな日常が好きなのだろう

 奈一「ババ抜きね‼︎」

奈一がそう言った
そうなると心優が有利すぎる
アイツは感情表現が苦手でほぼずっと無表情だ。
人を励ましたりするときは笑ったりはするんだが、ババ抜きはババ来ても抜かれても表情ひとつ変えないどころか微動打にもしねぇ
アイツにババが来たら運が相当悪くない限りアイツの勝ち抜け決定だ…
いわゆるポーカーフェイスの極みだからな…

 心優「それってボク、有利?に…ならない?」

心優はそう言った
自分の特徴は心愛がよく教えているのだろう
ただあんまし実感はねぇらしい

 奈一「まぁまぁ、それでもいいの!」

奈一は心優が有利になるのは分かってて言ってたのかそれともババ抜きがしてぇだけなのか

答えは後者だ
アイツ目泳いでんだよ、分かりやすい
コイツぜってぇババ抜き弱え
分かりやすすぎる
ババ来ても抜かれても絶対わかる

 皐月「じゃぁ初めましょう!」

トランプが見つかり早速みてぇな感じでトランプを配り始めた
全て配り終わったとこでじゃんけんをした

 一同「さいしょはぐーじゃんけんぽん!」

オレ・心愛・心優は3人ともグー、奈一と水葉はチョキ、響と皐月はパーだった
こうも綺麗に分かれることってあんだな…

 一同「あーいこーでしょー‼︎」

___結果は…
オレ・心愛・心優がグー、それ以外の奴がパーだった

 パー組「じゃぁもーいっかい、さーいしょーはぐーじゃーんけーんぽーん」

結果は…

 奈一「うおっしゃー‼︎」

盛大にガッツポーズをしながら奈一が喜んでいる
そう結果は奈一のに一人勝ちだった

 皐月「じゃぁ、手持ちのカード確認しましょう」

あぁ、あ…
これは___
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