名も無い忌子

蜘優桜

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鳴り響く運命

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水葉さんの部屋にきたとき心優が言った

 心優「夜鴉って人、知ってる?」

 わたし(響)「…!」

 心美「…ッんで…!」

少し驚いてしまった…心美も驚いたらしい

 水葉さん「うーん…そんな名前、聞いた事ないわね」

少し考え込んで答えた
心なしか残念そうに見えた

 心優「…そっか」

相変わらず心優は無表情でなんの感情も感じない声で言った

 水葉さん「でも、名前を知らないだけで見たことはあるかもしれないわ。特徴を教えてくれる?」

水葉さんは落ち着いた様子で提案してくれた

 心優「…これは、ひびちゃんのほうがよく出るんじゃない?」

急に側に寄ってきて抱きつきながらそんな事を言う心優。
いつも心優はくっ付きたい時や、近づく必要がある時だけ寄ってくる…そこが可愛い

 わたし「あっえっと…夜鴉は、黒い角が生えてて…黒くて大きい鴉みたいな羽が生えてます。それから…目は赤くて…魔力がとっても強くて…」

しどろもどろになってしまった
それを聞いて水葉さんは少し不審そうな顔をして

 水葉さん「その夜鴉って人はあなたの…心優の何なの?」

と言った
水葉さんは吸血鬼が嫌いなのかな…
なんだか悲しいし寂しい…でも言わなちゃ…‼︎

 わたし「わたしの…お兄ちゃん、みたいな人なんです…優しくて…いつも、いつも、わたしを守ってくれたんです…だから…だから‼︎」

つい力が入ってしまう

 ??「だから見つけたい」

そう言われてハッとした
その言葉を発したのは水葉さんではなく心美だった

水葉さんも少し驚いている様に見えた

 水葉さん「そう…よくわかったわ…。ごめんなさいね。角がある吸血鬼の話は有名なのよ」

そして水葉さんはそう呟いた

 わたし「…!教えてください‼︎」

何か手掛かりになるかもしれない‼︎

 水葉さん「伝承…その中に『世界の管理者』の話があるの…『世界の管理者』が一人、…それが角のある吸血鬼」

 心優「…ッ」

心優が珍しく反応した

 心美「心優、どうした?」

心美が聞く

前から思っていたが心美は心愛や心優を気にかけている
なぜなのだろう
初めて心美とあった時も心優を守っていた
何か特別な思い入れが…?
いや…今は夜鴉のことを…

 心美「___」

心優と心美が話していたらしい

内容は聞いていない(喋ってるのは知っていた)

 奈一「ひびきー?考え事?」

奈一が不思議そうに顔を覗かせている

 わたし「何よ…奈一…」

少し、心配されたのが嬉しくて…照れ臭くてそっけない態度をとってしまった
…ちょっと、お礼ぐらい言ってもよかったかな…?

 奈一「ふふ!ちょっと元気になった?」

 わたし「まぁ…うん」

別に元気がなかったわけじゃないけど、悪い気はしないな…

 わたし「まぁ、一旦夜鴉の話はここまでにしよう?」

なんだか気まずかったから…

 水葉さん「あっそう貴方達に聞きたいことがあったの」

水葉さんは少し微笑みながら言った
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