名も無い忌子

蜘優桜

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鳴り響く運命

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 心優「2人とも___一回落ち着いたら?」

心優が言った

 心美「…なんだよ。さっきまで何も言わなかったくせに」

少し怒っている様だった

 心愛「心美いい加減にしなさいよ」

心愛は今の発言が頭にきたらしくピリついた言い方をした

 心美「あ?」

 心愛「本当は冷静なくせして、なんであんな言い方するわけ?」

心愛が煽り気味にキレている

 心美「…なんだよ、何が言いてぇんだよ」

心美は顔を歪め、少し…焦っている様に見えた

 心愛「ひびちゃん、もっと辛くなる様な言い方すること無いんじゃない?」

…あ

 心美「…それ、響の前で言うことか?」

…あぁ
全部わたしのせいだ…!
わたしが…___

ちっ…違う‼︎こんなの…わたし…望んで…でも結局、…わたしのせいで…みんなが…!

 わたし(響)「…めんな…い…」

 心優「?」


 響「ごめんなさい‼︎」

大声で響は謝った

 心愛「ちょっ!」

心愛が慌てている

響は走って自室にこもってしまった
なんでこう、オレの周りの奴は一人で悩むんだ?

はあ…
いつもアイツは笑っていて、オカンみたいにツッコミ入れたり…
でもきっと、色んなことを考えてる
あと…

___優しくされたあとアイツは考え事をする
優しさが痛いのか…?
だとしたら、心優はそれをわかっているのか…?

心優は、暖かい
それは優しさとは別で、でも…それでもきっとアイツからしたらきっと痛くてたまらないんだ

 心優「心美。」

心優がオレを呼んだ

 オレ(心美)「なんだよ」

 心優「追いかけないの?」

 オレ「…きっとアイツは優しさが痛いんだ」

 心優「うん、知ってる…本当はね全部知ってる。でも私は…あの子を救えない」

コイツはきっと、思い詰めてる
誰かを救う___それがコイツの心優の願いだ

 オレ「…?」

でも救えないなんて

 心優「きっと私に対して、劣等感を抱いてる。それに今行動を起こしてもそれはその場しのぎでしかない…ひびちゃんを本当に救えるのは___」

オレ「…」

そうかもしれない…
だが、救う方法はあるのだろう?心優

 心優「夜鴉を救った時」

そうか…だったらオレもアイツを救えない



___どうしてこうなっちゃったんだろう…
わたし、みんなの優しさが嬉しいのに…
それなのに痛くて、受け入れられなくて…
わたしのせいで心美と心優は喧嘩しちゃって…
わたしは…

夜鴉に、あの頃のみんなに捨てられたのは…わたしが足手纏いで邪魔だったから?
あぁまた捨てられちゃう…‼︎
頑張らなくちゃ…

…___この写真
わたしは机に置いていた写真を手に取った
みんな…
消えてしまった大切な人
でもすぐに置いた見ても仕方ない

ただ虚しくなる

___神具、こんな所に置いてたっけ?
でももう関係ない…
使う資格なんて無いのだから


 ??「ご飯できたよ」

そう声をかけたのは心優だった

 わたし「要らない…」

食欲がなかった
でも悪いことしちゃった

 心優「扉の前に置いとくね。」

 心優「あと___」
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