名も無い忌子

蜘優桜

文字の大きさ
上 下
35 / 62
鳴り響く運命

喧嘩

しおりを挟む
たたなくちゃ‼︎

重い体を起こし、相手に切り掛かったその時口の中に血が入った

傷が癒えていく。魔力も、身体能力も上がっている

顔をあげると敵の動きが止まっている…まるで蜘蛛の巣にかかった蝶のように
今なら、いける!

 わたし(響)「『ウォーターエル』‼︎」

 わたし「はぁ…ッはぁ…ッ」

これで終わった…そう思った

___わたしはあまかった

 心優「ひびちゃん!」

心優の声と共にわたしの視界は赤く染まった

 悪魔「お前のせいだな」

敵の言葉が冷たく胸に突き刺さる

 心優「ち…がう。」

心優が口を開く

 悪魔「何が違う?」

敵が不気味に笑いながら言った

 心優「これも作戦のうちなんだよ」

心優は静かにそう言ってわたしの目の前にきた

 心優「ごめんね」

そう心優は小さく囁きわたしに血を飲ませた
そのまま心優は倒れ込んだ

 わたし「う…うああああああ‼︎‼︎」

わたしの中の力が暴走して制御できない

 わたし?「『____」

ここでわたしの意識は途絶えた



___目を覚ますとわたしの部屋だった

 心美「___お前、自分が何したか分かってんのか?」

心美の声が聞こえた
少し気は引けるが耳を澄ませて盗み聞きをする

 心優「…」

 心美「なぁ、何とか言えよ」

心美は意外と静かに切れるらしい

 心優「…何とかって?」

怒られているのは心優のようでいつもよりキリッとした声だった 

 心美「お前、本気で言ってんのか?」

心優の発言にむかついたらしくさっきよりも声の質が怒りに近いものになっていた

 心優「…」

___パチン

 心優「何すんの?」

心美が心優を打ったみたいだ

 心愛「ちょっと心美…!やりすぎでしょ!」

いままで成り行きを見ていたのであろう心愛が心美を止めに入った

 心美「だったらお前がこいつに言えよ」

心美は落ち着いた声で言い放った
冷たい言葉だった

 心愛「…」

心愛は黙ってしまった

 心美「それでも姉ちゃんかよ」

2回目の冷たい言葉に

 心愛「ええ、そうよ!ワタシが叱るべきね。分かってる、ワタシが一番分かってる」

苦しそうに返した

___バン!

 わたし「いい加減にして‼︎」

我慢しきれずわたしの部屋のドアを開けてしまった

 わたし「痛ったた!」

まだ戦った時の傷が治っていなくって割とマジで全身いたい
しかもだけど…わたし、めちゃくちゃ成長してるし…

 奈一「響~!助けて~‼︎」

奈一がわたしに抱きついてきた

 わたし「イッタイ‼︎痛い痛い!」

痛いって言ってんのに…!

 奈一「ご、ごめん…」

奈一が申し訳なさそうにする

 わたし「で、なぁに?」

 奈一「3人がさっきから怖いの!」

奈一が泣きながらわたしに助けを求めて抱きついている

 わたし「で、貴方達何してるの!?」

堪えきれずに少し大きな声を出してしまった

 心優「…」

心優は黙ったままこちらへ近づいてきて

 心優「___」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】愛も信頼も壊れて消えた

miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」 王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。 無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。 だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。 婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。 私は彼の事が好きだった。 優しい人だと思っていた。 だけど───。 彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。 ※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

処理中です...