名も無い忌子

蜘優桜

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鳴り響く運命

何?

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___敵が病院を襲撃し、わたしたちは怪我をしたにも関わらず退院することができた


___神社

 わたし(響)「ふあぁ…おはよう」

いつも通りの朝だった。
___だったはずだった

おかしいのは心優が起きていない事
いつもこの時間なら絶対に起きてる

___ガタン

その時二階から大きな音がした

 わたし「何ッ‼︎」

わたしは階段を駆け上がり、音のした部屋に入った

 わたし「何が…おこってるの…⁉︎」

そこには血を流している心優と心愛と
返り血を浴びた心美がいた

 心美「こっちへ来るなっ‼︎」

心美がこっちを見て鋭く叫んだ
その時に気づいた

___心美は泣いているのだと
何故こんなことを…?何があった…?
たくさんの疑問と不安が頭をうめつくしている

 わたし「どう…し…て…?こ…んな…ことッ」

言葉に出てしまった…怖くて怖くてしかたがなかった

 心美「んな事言ってねぇでッ…さっさと…ッ逃ッ…げろ…ッ‼︎」

苦しそうに顔を歪ませている。
その時に気がついた目が赤く光っている

 心優「ほんとに逃げた方がいい」

落ち着いた様子でわたしにそう言った

 わたし「分かるように…言ってよ」

わからないよ…そんなの…

 心愛「これは心美の意思じゃない」

聞こえるか聞こえないかぐらいの声量で言った

 心優「能力が…暴走してる…あと___」

なんだか嫌な予感がする…これから…
今じゃ無いかもしれないけど…ずっと先かもしれないけど…

 心優「これは余計、だったね」

優しく微笑む心優…どうして笑うの…?
___本当は1番悩んでるんでしょ…この状態の心美を1番…ッ
___操ろうと苦しみを消そうと思えばできる…
でも…
そんなことを考えていたらあの子が現れた

 奈々「?どした?こんなシリアスな。」

またこの子は…本当に…シリアスなって言いながらこの子はシリアスな空気じゃない…
ふふッ可愛いわね、ある意味
って考えてる場合じゃないわね…

 心愛「はぁ…おさまらない…か。仕方ないね」

悲しそうな表情だった

 奈々「何するの?」

奈々が場の雰囲気とはまったくそぐわない顔で言った

 心愛「ふッ!」

心愛は頷き手に力を入れ、心美の首を強く叩いた

 心美「ぅうッ」

それと同時に心美は弱々しい声と共にたおれた

 奈々「何したの?」

場の空気にそぐわない様子のままその質問を投げた

 心愛「気絶させたの…。本当はおさまるのを待ちたかったけど…」

と答えた

それを真剣に聞く奈々は魅惑的で美しかった。気高い王女のように…女神のように
しかし、彼女は美しいだけではない…
いや…なんならそれのせいで美しさが半減される…

 奈々「じゃあ…とりあえず、朝ごはん食べよう‼︎」

そう…ボケを挟んでくるのである

 わたし「何が…とりあえずよ…」

半分呆れている___訳ではない
ただつっこまないと特に心優がそういう思考になるかもしれない…
それは避けないと…っていう事でいつもわたしがツッコミ担当をしている…

 心優「心美はどうする…?」

心優が静かに言った
うーん…難しい…

 心優「布団に寝かせる?」

 心愛「そうしましょう…」

わたしが心美をおぶって部屋まで運んだ…のはいいんだけど…

心美の部屋の机の上にはパソコンとたくさんのモニター、イヤホン、ヘッドホン、何かの通信機器が置かれている
モニターの数は五つ。パソコンは閉じられ誰にも見せない、見せたくないと言う意思が感じられる…
イヤホンは持ち歩き用なのかカバンの近くに置いている
ヘッドホンはパソコンと接続してあり、電源が付いていた
何かの通信機器は画面が割れ、壊そうとした痕跡があった
それ以外はとても綺麗で自然な部屋だった…

 奈々「なんのパソコンかなぁ?開けちゃおっかな~」

また、そんなことを言う

 わたし「何言ってんのよ…」

またツッコミを入れないいけなくなった…

 心美「ッ‼︎何してんだ‼︎お前らッ」

心美が飛び起き、わたしたちに言った

 心優「…別に」

落ち着いている様子で

心愛「貴方が倒れたから部屋に運んでただけ」

と続けた

 奈々「何かやましいことでもあんの~?」

意地悪そうに言った
 心美「___」

心美は奈々を睨んだ___
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