名も無い忌子

蜘優桜

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奈々という存在

わかってた

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___数分後

 私(響)「ナ、ナー…?」

起きたナーの体は成長し、背中には小さな羽が浮かび、頭には天使の輪っかのようなもの。それにユニコーンのような角と耳が生えていた

(そうだよね…)

___

時間の問題だった
そんな事、本当はわかってた
こんな隠し事いつかはバレる…___
でもどうせなら、バレるまで…ってそう思ってた
正直、バレるのも怖かったでも本当に恐れていたのは…
『みんなと今までと同じようにできなくなる』こと
きっと、みんなは気づいてた。
私の魔力はすごく大きい
だから、あの時思ったんだ

___なんで私なんかの事誇りに思うの?

私はみんなに
___隠してるのに…‼︎‼︎
あーあ…
今まで隠してきたの、意味なかったんだ…


 私(奈々)「心…優…?」

心優は何も言わず、私を見つめている

 私「やっぱり、怖い…?それとも…気持ち悪い…?」

ただ不安で、心優の目が冷酷に見えて
けれど案外心優は

 心優「そんな事ないけど?別に外見とか種族とか、どうでもいい。」

すんなりと、優しい言葉を言ってくれた

 心優「見た目が変わったらなーちゃんが変わる、なんて事ないでしょ?」

当然だと言うふうに、不思議だと言うふうに呟いた

 私「じゃあ…心愛は…?」

心愛も、優しいのは知ってるけどこれまた不安だった

 心愛「別に…ワタシは気にしないって言うか…気にする事じゃないと思うけど…___あなたの場合は」

心愛の言い方は引っかかるとこがある…どこか寂しげな声と顔が頭から離れそうにない
その時病室のガラスが勢いよく割れた


___ッ

??????…違う、この人は
___もう1人の私『やっと一つになれる』

本能が、あの人が、魔力の使い方を教えている
私の真の力の使い方、あの人の声、あの人…
いや___あの人は私…苦しくて、忘れたくて、切り離した記憶を管理するための人格
全てを思い出した今もう必要ない___私に戻っていい
魔力を組み立てて…

 私「『魔力銃』」

打って撃って撃って‼︎

 私「『大地よ‼︎敵を閉じ込めよ‼︎』」

大地も、思う通り操れる…‼︎
___みんなを守れるッ‼︎

 心優「なーちゃん、ただ力を振り回すんじゃダメ、有効な力の使い方…いや、感覚で力を使えッ‼︎」

言っている事は正しい___感覚…?
…‼︎思い出したよ‼︎

 私「わかった‼︎」

頭の中から思いついていく行動をする
あーだこーだ考えるより、敵は焦ってる

 私「『神眼』」

遠くまで見える、全てを見とうせる‼︎

___ッ

 私「あ、ぐう…‼︎な、何が…ッ‼︎」

頭が体が全身が痛い

 心優「なーちゃん‼︎無理は禁物。あとはボクたちに任せるべき」

心優は私のことを心配してくれてるでも‼︎

 私「でも…‼︎がはッ」

何これ……ッ血?口から血が…

 心優「なーちゃん、休んでて」

心優…‼︎声が出ない…私はみんなに…‼︎

 心優「敵さん、ごめんね。君たちの事操らしてもらうよ」

心優…?何を…!?
敵はみんな下がっていった

 心優「なーちゃんッ大丈夫じゃ…⁉︎」

心優⁈
血がいっぱい出て

 心優「くっそ…傷口開いたか…」

苦しそうな表情を浮かべ吐血している心優

 響「ころ⁉︎大丈夫?休んでないと…‼︎」

そこに響が駆け寄る

 心優「大丈夫…だからッ…気にしないで…!」

心優が優しげに笑う。大丈夫なわけないじゃん

 響「はぁ…仕方ないね…」

響が呆れたように私と心優を見ていった

 響「ナー…ころ…二人は寝ていなさい…」

その瞬間視界が揺らぎ、意識が遠のいていった

___バタン‼︎

ふたり(ナーところ)が勢いよく倒れた
わたし(響)が眠らせた
手荒なやり方だったけどこれでみんなが楽になるのなら___
だってあの時誓ったから、『みんなを自由に』って
その記憶は何故かおぼろげだけど誓いは忘れてない
みんなを自由に‼︎絶対‼︎わたしを救ってくれたみんなに___
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