玉石混交の玉手箱

如月さらさら

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いつもの日常、いつかの日常

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蒸し暑さを微塵も感じないクーラーによる冷え感。
誰も、温度を上げようとしない。22℃という異常性を指摘しようともしない。
涼しくて良いじゃ無い、と言う呑気な声も聞こえない。
それでも、この温度に慣れてしまった私はいつものようにテレビを付け、いつものようにざぶとんをいくつか並べ、いつものように…

去年の夏のある時をすぎてから
トイレの鍵を閉めるとか、
おみやげを買って帰るとか、
もう誰もいないのにまた「いつものように」を繰り返す。
線香の煙が冷風になびいて姿をくらます。
爪切りの音がやけに部屋中に響く気がした。
好きだったミニカーは全部捨てた。
学校に持っていくバッグは埃をかぶっている。
また、ティッシュペーパーが切れている。
昼ごはんのカロリーを少しでも減らすかのように、深いため息で外に逃がした。
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