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44 雨と共に
しおりを挟む夜も深く、家族はそろそろ布団に入ったであろう時間に一人、グレースは机へと向かっていた。
読みかけの本のページを捲る手が止まらず、ようやっと辿り着いた最後の一ページ。
作者のあとがきまで残さず読み切り、大切に本を閉じるとグレースは大きく伸びをした。
「んーっ、面白かった。けど、思ったより読むのに時間がかかっちゃった」
以前ならば、一冊読み終えるのに三日と掛からなかったのだが、今までの生活で読書へ充てていた時間は、今やリヴェルと過ごす時間へと代わっていた。
「まぁ、楽しいから全然良いのだけれど」
グレースは席を立ち、リヴェルの部屋に繋がる扉を静かに開いた。
音を立てないようにベットの方を確認する。すると、寝台の小さな灯りに照らされた布団の膨らみが寝息とともに上下しているのが見えた。
(良かった。今日は大丈夫そう)
リヴェルは時折、就寝中に魘されている事があった。グレースとアーティで様子を見てはいるが、最近は来たばかりの頃より魘されている回数も減ってきたように思う。
(ブラム先生が言うには、精神的な不安が原因らしいけど、少しずつ落ち着いてきているのかしら)
静かに眠るリヴェルを確認して、グレースは扉を閉めた。
不意に、肌寒い空気を感じてグレースは腕を擦る。
読書に夢中で気づかなかったが、雨で気温が下がってきているのだろう。椅子の背凭れに掛けておいたストールを羽織り、寝る前に温かい飲み物でも飲もうと、グレースは灯りを手に部屋を出た。
暗い廊下に、そぼ降る雨の音が静かに響いている。
「これなら朝には止みそうね」
窓の外から聞こえてくる雨音は、降り始めた時より随分と小さい。
明日は、晴れたら外でお茶会をしようとリヴェルと約束していたのだが、この調子なら約束を果たせそうだ。
窓の方を一瞥し、グレースが厨房へと向かうべく一歩踏み出そうとした。その時――
コツンっ――……
雨音に紛れて、確かに別の音が耳に飛び込んできた。
「?」
辺りを見回すも、周囲には誰も居ない。
気のせいかとも思ったが、はっきりと聞こえた音がその可能性を否定してくる。
(何の音かしら? 何か、堅いものがぶつかるような)
周囲をきょろきょろと見回していると、再び先程と同じ音が聞こえてきた。
「外……?」
音がした窓の方を向き直ると、今度は小さな何かがぶつかるのが見えた。
(どうしよう、誰か呼んでくるべきかしら……。でも、風で何かがぶつかっただけかもしれないし)
グレースは少しの逡巡のあと、灯りを消して足元に置き、壁に隠れて少しだけ顔を覗かせるように窓の外を伺い見た。
「!」
そこには、黒いローブを羽織り、暗闇の中で一人佇む人影があった。
瞬間、グレースの脳裏に浮かんだのはリヴェルが襲われた時の事。
どくんっと心臓が大きな音を立て、全身から血の気が引いていく。
(落ち着いて、とりあえず皆に知らせないと――)
速くなる心音を落ち着けるべく、大きく息を吸うと、コツンっとまた窓に何かが当たる。
きっと小石か何かを窓に向かって投げているのだろう。控えめなその音にグレースは、ふっと疑問を抱く。
(どうして襲ってこないのかしら)
病院の時と同じ犯人ならば、こんな風にこちらを伺う行動を取るだろうか。
もしも外の人物がリヴェルの存在に気付いてやってきたのならば、病院の時と同じように強引に近づいてくるのではないだろうか。
降ってわいた疑念に、グレースは再度恐る恐る窓の外を伺い見た。
ローブを被った人物は俯いて、片手で頭を掻いている。
それはまるで、何か困っているような仕草だ。
すると人影は掌の上に小さな光球を産み出し、顔の辺りに掲げるように片手を上げた。
「!」
暗闇で見えなかった人影の顔が明かりで照らされたかと思うと、その人物は周囲を見回し、踵を返してその場を立ち去ろうとした。
一瞬だが見覚えのあるその風貌に、グレースは隠れることを止め、窓を開いて叫んでいた。
「ヴェントさん!」
立ち止まりこちらを向いた顔は、見知った丸眼鏡の青年。
この国の第一王子、アーヴェントの変装した姿だった。
「どうして――」
驚き、身を乗り出して言葉を紡ごうとしたグレースに向けて、アーヴェントは口の前でひと指し指を立てる。
はっとしたグレースが口を両手で覆うと、アーヴェントは頭の上で大きな丸を作った。すると今度は、両方の掌をグレースに向ける形で前に数回押し出し、数歩後ずさった。
(えっと、後ろに下がれって事かしら)
グレースは、窓枠から手を離して後ずさる。
アーヴェントはグレースが窓から離れたのを確認すると、軽く助走をつけて思いっきり飛び上がった。
勢いをつけすぎて窓に衝突しないよう、力を調整し、グレースがいた窓枠へと着地する。
「!?」
「と、あっぶね」
一瞬体勢を崩しつつも、器用にバランスを取って立て直し、アーヴェントはグレースに向けて片手を上げた。
「気付いてくれて助かった。久しぶり、グレース」
「お、お久しぶりです…………いや、じゃなくて……!」
まるで普段通りの挨拶を交わすかのように小声で喋るアーヴェントにつられ、グレースも小声で挨拶を返したが、我に返ったかのように頭を振り、身を乗り出す。
「ここ、二階ですよ!?」
「悪い、行儀が悪いのは分かってるんだが、急いでて……。やっぱり、玄関から来るべきだったよな」
「そうじゃなくて、危ないでしょう!? 落ちたらどうするんですか!」
グレースの叱咤は思いがけないもので、アーヴェントは驚きで目を見開いた。
アーヴェントは王宮から離れた場所に、いくつかの建物を個人的に所有している。
それは小さな一軒家だったり、宿屋の一室だったり、山小屋だったり。城から扉を繋げて魔法で移動する為の、言うなれば秘密基地のような場所だ。
元は前国王である祖父から母に伝えられた場所だが、今はアーヴェントとサイラスのみが知る場所となっている。
今日もその秘密基地を使い、城からグラバー領の近くまで来たのだが、オルストン邸までの移動手段は自らの脚のみ。
徒歩では大分時間がかかると踏み、肉体強化と身体能力向上の魔法をかけ、全力でここまで駆け抜けてきた。屋根の上を走り、木々から木々へ飛び移って森を突っ切り、小川を飛び越え。
そんな道中を通って来た為に、今のアーヴェントには建物の二階に飛び上がる程度、造作もないことだった。
眉根を寄せて怒るグレースの表情が心配によるものだと気付き、改めて、今の自分の感覚が普通とずれてしまっている事を自覚した。
「そっか、そうだよな。肉体強化して飛ばしてきたもんだから、感覚がおかしくなってた。……悪い。心配してくれて有難う」
素直に頭を下げるアーヴェントに、グレースははっとする。
相手が王族という事を一瞬忘れ、まるで子供を叱るかのように声を荒げていた事に気付いたのだ。
「あ……、ご、ごめんなさい! 私ったらつい……! えっと、ひとまず中に入ってください。体を拭くものを持ってくるので」
「いや、大丈夫だ。濡れないように結界張って来たから」
見れば、アーヴェントの羽織るローブはまったく濡れていない。
「すごい、 結界ってそういう使い方も出来るんですね」
「魔力は常に消費し続けるから、傘の方が良いけどな」
アーヴェントは苦笑しながら「お邪魔します」と呟いて、廊下に足を降ろした。
開いたままの窓を閉めて、グレースに向き直る。
「先ずは、こんな時間に無礼な方法で邸を訪ねた事、心から謝る。本当に申し訳ない」
被っていたローブのフードが外され、露わになった紺色の髪。
アーヴェントはグレースに向かって頭を下げた。
「!? あ、頭を上げてください……! 何か事情があるんですよね?」
戸惑うグレースに、アーヴェントはおずおずと頭をあげる。
「言い訳にしかならないが、急な事で訪問の知らせを出してる暇も、城を出る許可も取れなくてな。陽が昇ってからじゃ間に合わないから、強行突破で城を出て来たんだ」
「それはつまり……」
「リヴェルに会うためのお忍び訪問、だな」
察したグレースに、アーヴェントはそう言って頷く。
「お忍び……サイラスさんは一緒じゃないんですか?」
「サイラスは、俺が抜け出したのを悟られないように城に残ってくれてる。だから、用事を済ませて急いで戻らないといけない」
「用事って、リヴェル君にですよね?」
「あぁ、リヴェルに直接伝えなきゃいけない事があるんだ」
「しかも急ぎという事は、両親を起こしてゆっくり挨拶を。というわけにはいかないんですね?」
「悪い……弟が世話になってる身で、失礼な事ばかりしてるのは分かってるんだが……」
形の整った眉が八の字に下がり、心底申し訳なさそうな表情を浮かべ続けるアーヴェント。
(……お父様とお母様に知れたら、大目玉を食らうわね)
王太子とはいえ、独り身の男性を夜中に邸に招き入れることがどういう事かグレースとて分からないわけではない。例えそういう意図はなくとも、良しとされる事ではないのは重々承知している。
しかし、王太子相手にマナーを説けるほど高尚な人間でもなければ、事情を呑み込めず叱りつけるほど冷淡な人間でも無いつもりだ。
グレースは数秒の間を置いて「分かりました」と頷き、足元に置いたままの灯りを手に取った。
「どうぞ、こちらへ」
そう言って、自身の部屋の扉を開いた。
「此処は?」
「私の部屋です」
「グレースの!?」
「しーっ!!」
思わず大声を上げたアーヴェントに、グレースは慌てて口の前で指を立てる。
アーヴェントは急いで口を塞ぎ「何故グレースの部屋に!?」と言わんばかりの視線をグレースに向けた。
「私の部屋の隣がリヴェル君の部屋、更にその隣が私の弟の部屋。三部屋とも自由に行き来できるように、扉をつけて続き部屋にしてあるんです」
グレースはリヴェルの部屋に続く扉を指さしながら説明する。
「廊下からリヴェル君の部屋に入ることもできますけど、そうするとすぐ隣の弟に気付かれる可能性があります。万が一にでも弟に見つかったら、言葉を発する前にヴェントさんに拳が飛んでくるかもしれません」
アーティは、姉であるグレースの目から見ても姉思いの優しい弟だ。
もしかしたら少しばかり、その思いは強めかもしれないが。
深夜、見知らぬ男が家に忍び込み、姉と話している。そんな場面を見たら、何事かと思考する前に確実に拳を握るだろう。いや、もしかしたら拳では無く、飛んでくるのは足かもしれない。
「弟は少々、家族愛が強めでして。なので、気づかれないように私の部屋から行きます。良いですね?」
「わ、分かった」
こくこくと頷くアーヴェントに「くれぐれも大きな音は立てないように」と付け加え、グレースはリヴェルの部屋へと続く扉をゆっくりと開いた。
静かにベッドへと近づくと、規則正しい寝息が聞こえてくる。
「リヴェル……」
丸まって小さくなりながら眠るリヴェルを見て、アーヴェントは呟いた。
「起こすの、可哀想だな」
ベッドの横にしゃがんで、リヴェルの寝顔を眺めるアーヴェントの視線は優しい。
その温かな視線にグレースは「起こすの止めますか?」と微笑んだ。
「止めたいとこだが、そういう訳にもいかないからな……頼んでも良いか?」
「えぇ」
アーヴェントは立ち上がって一歩下がり、グレースに場所を譲った。
リヴェルを驚かさないように、グレースは優しく声をかけ、軽く肩を叩く。
「リヴェル君、リヴェル君」
「……ん」
「ごめんね。起きれるかな」
身じろぎして、うっすらと瞼を開くリヴェルに視線を合わせてグレースは声をかける。
「おねえ、さん……?」
「うん。起こしちゃって、ごめんね」
「んーん……、だいじょぶ。どうしたの?」
「リヴェル君にお客さんが来てるの」
眠たげな声で目をこすりながら、体を起こすリヴェル。
グレースはリヴェルから離れて、アーヴェントの方を見るように促した。
「? おきゃくさ――」
半分閉じていた瞳がアーヴェントを捉えるやいなや、大きく見開かれる。
「にぃ――」
「おっと」
兄様と、叫ぶ前にアーヴェントはリヴェルの口を手で塞ぎ「皆が起きちゃうから、静かにな」と告げる。
リヴェルが頷いたのを確認して、アーヴェントは手を離す。
「久しぶり。元気そうで良かった」
「……っ」
「変装もよく維持できてるな。簡単にやり方を伝えただけだったのに、うまいもんだ」
アーヴェントがそう言うと、リヴェルは堪え切れなくなったかのように、アーヴェントに抱き付いた。
何も言わず、アーヴェントにしがみ付くリヴェルの肩は微かに震えている。
優しく手を回し、アーヴェントはリヴェルを宥めるように頭を撫でた。
「色々、リヴェルが頑張ってるってブラムから聞いたよ。転移魔法も使えるようになったって。ほったらかしてばっかな、駄目な兄貴でごめんな」
リヴェルはアーヴェントの服に顔を埋めたまま、何度も首を横に振る。
「どうして、俺の部屋に来なかったんだ? 病院には行けたんだろ?」
(そういえば……)
アーヴェントからの手紙には、確かに病院のブラムの部屋の他に、もう一枚、アーヴェントの部屋が描かれた絵葉書が入っていた。
転移魔法の扱い方を覚え、行こうと思えばいつだって訪れることが出来た筈だ。しかし、グレースの目には、リヴェルが何故だか行くのを躊躇っているように見えた。
「……お部屋、行こうとしたけど、だめかと思って」
「駄目? どうしてそう思ったんだ?」
「行ったら……父様にも、母様にも会いたくなるから……でも、きっと母様、僕をみたら困るから……」
小さな声でたどたどしく話すリヴェルの言葉に、アーヴェントの表情が厳しいものに変わる。
しかしすぐにその表情を打ち消して、アーヴェントは「そっか」と柔らかな声音で呟いた。
「じゃ、俺が会いに来る。頻繁には厳しいかもしれないが、この部屋の事も覚えたから、城から繋げて来れるしな」
「本当!?」
「お、やっと顔見せた」
勢いよく顔を上げて、アーヴェントを見上げるリヴェル。
涙で真っ赤になったリヴェルの顔をみて、アーヴェントは得意げに笑った。
「あぁ。勿論、ちゃんとグレースとオルストン伯爵に許可貰ってからな。今日は急いできたから、伯爵達には内緒なんだ。だから、リヴェルも今日のことは皆に内緒だぞ?」
「うんっ。でも、どうして内緒で来たの?」
「それは――」
リヴェルの問いに、アーヴェントは一瞬だけ言いよどむ。
その反応にグレースは、席を外すべきかとアーヴェントを伺い見た。
「あの、私は席を外しましょうか?」
「いや、居てくれて構わない。どうせ、明日になれば国中に発表されるからな」
リヴェルの体を離すとアーヴェントは居住まいを但し、覚悟したように小さく息を吸う。
「リヴェル、お前の誕生式典の開催が決定した」
「!」
「期日は予定通り、お前の十の誕生日。国内外に第二王子リヴェル・レイ・アルバディオンの姿を示す」
「僕の、姿……」
狼狽するリヴェルは俯いて、視界に入る自身の体を見つめる。
魔法で時が止まっているため、身体が成長していないと言われても理解はできなかった。
魔法を使っているつもりなどない。けれど、同年代の子供より明らかに小さな身体だという事実には、薄々気が付いていた。
「本当ならもっと早くに決定を下して、王の口から伝えるのが正当な手順だ。けれど、お前の今の姿と心体ともに不安定な状態では、と反対も多くあった。それは知ってるな?」
「……はい」
「俺も最初は心配で延期した方が良いと思ってた。でも、お前がここに来て元気にやってると聞いて、もしかしたら大丈夫かもしれないと思ったんだ。たとえ見た目が十に満たなくても、生きてきた時間は確かに満たしてる。魔力だって充分王族のそれだ。あとはお前の心次第」
「…………」
「嫌なら、嫌と言っていい。俺は、昔した約束をお前がいくつになったって叶えてやるつもりでいるしな」
アーヴェントの言葉に、リヴェルはゆっくりと顔をあげた。
向けられた真剣な眼差しが優しい笑みへと変わる。
幼い頃にした約束。
それは、転移症を発症する前、両親とアーヴェントと誕生式典が楽しみだと笑いあっていた日々の事。
十歳になれば、正式に王族として責務を果たす立場になる証として式典で冠が贈られる。
本来なら王である父の役目だが、それを大好きな兄の手で頭に乗せて欲しいと言った。
両親は笑って許しをくれ「任せろ」と笑うアーヴェントに大喜びで抱きついたのを覚えている。
(とっくに忘れられてると、思ってた)
転移症を発症してから、全てが変わってしまった。
アーヴェントだけは変わらず接してくれたが、昔より一緒にいる時間は少なくなった。
大人達には王族に相応しくないと囁かれ、誰もが奇異と恐怖の目を向ける。
優しかった母は抱きしめる事も、目すら合わせてくれなくなった。
自分はもう、愛されることも、ここに生まれた事も許されないのだと――
「……いいの?」
「?」
「僕が、誕生式典に出てもいいの……?」
視界が溢れる涙でじわじわと歪んでいく。
けれど、視えなくてもアーヴェントがどんな表情を浮かべているのか、リヴェルにはなんとなく分かっていた。
「当たり前だろ」
そう言うと、アーヴェントは自身の服の袖でリヴェルの涙を拭いとる。
「お前の誕生日なんだから」
そこには強くて優しい、幼いころから変わらない大好きな兄の笑顔があった。
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