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14 いかのおすし
しおりを挟む「今日はね、いかのおすしを習ったの!」
縁側に腰かけた少女は、満面の笑みを浮かべて言った。
「イカのお寿司?」
最近の小学校では、そんなものまで授業で作るのかと感心していると、少女の隣に座った少年がランドセルをおろしながら「防犯教室だよ」と付け加えた。
「防犯教室?」
「うん!おまわりさんが来て、色々教えてくれたの。知らない人に連れてかれそうになったら、いかのおすしを思い出してくださいって。いかない、のらない、おおごえをだす、すぐにげる、しらせる!」
いかのおすしとは、どうやら頭文字を取ったものらしい。
指折り数えながら教えてくれる少女と、その隣で手提げ袋から漫画を取り出して読み始める少年は、春と桜という隣の家に住む双子の兄妹だ。両親が共働きの為、小学校低学年の二人に留守を任せるのは心配だという理由で、学校から帰宅した二人を善子が預かっている。
「すごい。桜ちゃん、ちゃんと覚えてるのねぇ」
「へへへっ、善ちゃんも知らない人に声をかけられたら、気をつけてね!」
「善ちゃんは大人なんだから、連れてかれるわけないだろ」
漫画を読みながらも、こちらの会話はちゃんと聞いているらしい。呆れた様に横槍を入れてきた春の言葉が気に入らなかったのか、桜は頬を膨らませた。
「もしかしたら、お金目当ての悪い人に連れてかれるかもしれないでしょ!」
「馬鹿だな、大人より子供をさらった方が楽だろ」
「なによ! 分からないでしょ!」
「考えれば分かるだろ!」
実際、善子は独り身の高齢者だ。誘拐したところで犯人は大した利益も得られないだろうし、労力を考えれば子供を連れ去る方が楽かもしれない。春の意見の方が的を得ているのだが、善意で教えてくれる桜の事を考えれば、わざわざ言う必要もないだろう。
睨みあう二人の気を逸らすべく、善子は「まぁ、まぁ」と二人の肩を叩いた。
「おやつにアイス買ってあるけど、食べる?」
「「食べる!!」」
「ミルクとチョコ、どっちがいい?」
「「チョコ!!」」
さっきまでの膨れ顔を、ぱっと笑顔に変えて声を揃える二人は何とも愛らしい。
善子はくすりっと笑って二人の頭を撫でた。
「じゃあ、手を洗って仲良く待ってること。いい?」
「分かった! いくぞ、桜!」
「うん!」
靴を脱いで洗面所に駆けていく二人を微笑ましく眺めながら、善子も台所へと向かう。
冷凍庫を開けて、カップに入ったチョコアイスを二つ取り出すと、中身をガラスの容器に入れ替えた。
そのまま出してもきっと二人は喜ぶだろう。これは、少しでも喜んで貰いたいという善子の見得だ。
おまけに缶詰のみかんを何個か添えて、溶けないうちに居間へと運ぶ。居間と繋がる縁側では、春が開く漫画を桜が覗き込むようにして、仲良く寄り添っていた。
「おやつ、できましたよ」
善子が声をかけると、二人は一目散に卓袱台へと近づいてくる。
「ミカン乗ってる!」
「これ、食べていいの?」
「もちろん」
置かれたアイスを見て二人は目を輝かせながら、いそいそとスプーンを握りしめた。
「「いただきます!」」
「はい、めしあがれ」
黙々とアイスを頬張る二人を眺めながら、善子もお茶を淹れて一息つく。
ふっと春の隣に置かれた漫画が目に入った。
「そういえば、春君は何を読んでるの?」
興味を持たれた事が嬉しいのか、春はアイスから善子に視線を移し、嬉々として「転生したら最強だったからドラゴン倒して勇者になった件。だよ!」と答えた。
「えーと、てん……?」
「はい!」
息もつかずに答えられた言葉が理解できず呆気に取られていると、春は隣に置いてあった漫画を善子に差出してきた。
甲冑を着た青年と可愛い女の子、強そうなドラゴンが描かれた表紙は何とも色鮮やかだ。
近くに置いてあった老眼鏡を手に取りかけると「転生したら最強だったからドラゴン倒して勇者になった件」という、長めのタイトルが見て取れた。
「学校で流行ってるんだ、異世界転生もの。色々あるけど、これはアニメになってて、すげー面白いんだ! 善ちゃん読んでいいよ」
差出された本を受け取って、ページを開く。
善子が読むのは新聞のコラムや小説ばかりで漫画というものには疎いのだが、軽くみた限り漢字も多く、小学生の春にこれは理解できるのだろうかと疑問を抱いた。
「かっこいい絵だねぇ。漢字も沢山あるけど、春君、これ読めるの?」
「読めるよ。ふりがな振ってあるし、俺アニメ先に見てるから大体分かるんだ。ブラック会社でこき使われてた主人公が事故で死んじゃうんだけど、女神様がかわいそうだからって主人公に最強の力をあげて、異世界に生まれ変わらせるんだ」
まさかブラック会社という単語が聞こえてくるとは思いもよらず、最近の小学生は随分と物知りだと善子は感心する。
「ブラック会社だなんて言葉よく知ってるねぇ。学校で習ったの?」
「父ちゃんが教えてくれた! でね、悪いドラゴンを倒して、働いてた時の知識をいかしたりして異世界で活躍するんだけど、主人公かっこいいし、面白いんだ!」
終始、興奮気味に話を教えてくれる春を見るに、随分とこの漫画が好きなようだ。
嬉々として語る春を余所に、アイスを食べ終えた桜が「ご馳走様でした」と手をあわせた。
「春、アイス溶けちゃうよ」
「わ、やべっ!」
桜に言われ、アイスの存在を思い出した春が慌ててスプーンを持ち直す。
そんな春を横目に、今度は桜が身を乗り出して善子に近づいた。
「桜はね、聖女だったので王子を守って幸せになります。が好きなの!」
「せ……?」
「あのね、両親を亡くして親戚にたらい回しにされてたヒロインが事故で死んじゃうんだけど、生まれかわった先が異世界で、しかも癒しの魔法を持った貴重なお姫様だったの!」
「たらい回し……桜ちゃんもお父さんに教えて貰ったの?」
「ううん、ママ! それでね、魔王と戦う王子様を癒しの力で助けて、最後は結婚するの。王子様もかっこよくて、ヒロインも強くてかわいいのよ!」
言いながら、春と同じように手提げ袋から漫画を取り出した桜は「はい!」と差出してきた。
受け取った漫画の表紙には、物語に出てくるようなお姫様と王子様が描かれている。
「二人とも、学校に漫画持っていて怒られない?」
「いつもは怒られるけど、今日は国語の時間に好きな本を紹介する事になっててね、だから持っていったの。今日だけ特別!」
「あら、素敵な授業ね」
「うん、皆の本の紹介聞くの楽しかった! だから、桜も善ちゃんに好きなこの本貸してあげる。あとで感想きかせてね」
「えぇ」
軽くページをめくると、おそらくヒロインと思われる少女が両親を亡くし涙を流すシーンだった。
細かいタッチで描かれたそのページはとても美しく、哀愁を誘う。
「なんだかブラック会社とかたらい回しとか、どっちの本も主人公が大変そうで、可哀想ねぇ」
「「だから面白いんだよ!」」
声を揃えて身を乗り出してきた二人に驚いて、善子は瞬きを繰り返す。
「そう、なの……?」
「うん! だって、最初から恵まれてる主人公が更に幸せになるより、こっちのが応援したくなるってママも言ってたし!」
「話にもよるけど、不幸な要素があったほうがより一層、主人公が際立つって父ちゃんも言ってた!」
「はぁー、よく分からないけど、そういうものなのねぇ」
「「そういうものなの!」」
春と桜の両親は、母親が本屋、父親が出版社に勤めている。二人がやけに詳しかったり、難しい言葉を知っているのは、そんな両親の影響が大きいのだろう。
「だから、桜も異世界でお姫様になってみたいけど、今とっても幸せだから無理なの」
「桜がお姫様とか、王子かわいそ」
「なによ! 春だって、勇者になんてなれないんだから!」
「そもそも、異世界なんて本当にあるわけないだろ」
「あるかもしれないじゃん!」
「無い!!」
「ある!!」
いがみ合う二人を「まぁまぁ、喧嘩しないの」と、善子は宥める。
その後は漫画の話を聞きながら、二人の迎えが来るまでの時間を過ごした。
一度帰宅した二人が、すぐに漫画の続きを持ってきたのには驚いたが「面白いから善ちゃんにも読んでほしい!」という、二人の熱意には答えたい。
一人になってから借りた漫画に目を通したが、二人の言っていた事も一理あると思うほどには、主人公達の不幸な境遇や経験には胸を打たれたし、幸せになって欲しいと願ってしまう。
不幸のおかげで幸せが際立つだなんて、なんとも言えない気持ちになるなと思いながら、善子は本を読み進めた。
「あらあら、もうこんな時間」
布団に入りながら黙々と続きを読み進めていると、深夜を告げる柱時計の音が鳴り、善子は慌てて本を閉じた。
続きは明日にしようと眼鏡を外し、電気を消して布団に潜りこむ。
(不幸じゃないと別の世界に行けないのなら、私もきっと行けないわねぇ。いつか三途の川には行くんでしょうけど、あとは閻魔様のみぞ知るって奴だわ)
せめて、桜と春が小学校を卒業するくらいまでは見守らせて欲しいと心の中で祈りながら、善子は静かに眠りに落ちた。
***
真っ暗な部屋の中、ベッドに横たわったままでグレースは天井を見つめていた。
「…………春君と桜ちゃんがこの世界を知ったら、喜ぶかしら」
今まで見ていたものが夢ではなく、前世の記憶だと自覚はしているが、懐かしさと寝起きの微睡みがないまぜになり、すぐには動き出せない。
暫し呆然と天井を見つめながら、三ヶ月寝て起きた時とどこか感覚が似ていると思ったところで、グレースは飛び起きた。
(もしかして、また三ヶ月も寝てたんじゃ……!)
慌てて壁に掛かった時計を確認すると、日付入りの時計は眠りについた日から二日後、時刻は深夜を示している。
思いの外、日が経っていない事に安堵し、この世界の時計に月日が示されているのは、こういう時の為にあるのかと身を持って理解した。
「少し、散歩でもしようかしら」
本来なら夜勤の看護師に目覚めた事を伝えるべきだろうが、もしかしたらブラムを呼び出す事になりかねない。こんな深夜に何だかそれは申し訳なく感じて、グレースは気分転換をしてから布団に戻る事にした。
体調に変化もない。声を掛けるのは朝でもいいだろう。
誰にも見つからない様に中庭に出て、少しだけ外の空気を吸って戻ってこようと、グレースは扉へと向かう。
ドアノブに手をかけたその時、外から話し声らしきものが聞こえてきた。
再度時計を確認するが、確かに時計の針は真夜中を指している。そして、この階にはグレースとあの少年しか入院していない筈だ。
(こんな時間に誰が……看護師さん?まさか、あの子が……?)
グレースは廊下に意識を向けて、そっと耳をそばだてた。
「どこにいくの?」
「大丈夫、怖がらなくて良い。外に迎えが来てるんだ」
「迎えって、兄様……?」
「あぁ、その兄様さ! 本当は昼間に来る予定だったんだが、忙しくて来れなかったそうだ」
多少聞き取りづらかったが、聞こえてきたのは低めの男性の声と、子供の声。
「どうして、兄様じゃなくておじさんが来たの?」
「兄さんは退院の手続きをしてるんだ。早く君と会いたいから、先に迎えに行ってくれって頼まれたんだよ」
「おじさんは、兄様の何?」
「友達さ!」
男性の声に覚えは無いが、子供の声は聞き覚えがある。つい二日前、恐怖を感じたあの声に間違いない。間違いない筈なのだが、どうにも違和感が拭えない。
(こんな時間に退院だなんて、特別室の子よね? でも、なんだか喋り方が違うような……。それに、どうして部屋の外に?結界は? いや、待って、それよりもこの会話……)
兄というのはヴェントの事を言っているのだろう。だが、深夜にヴェントが他人を使って、弟を迎えにくるだろうか?
会ったのは一度だけだが、弟に対する想いも知っているし、第一こんな非常識な事をする人間では無い。
グレースは、直前まで見ていた前世の記憶を思い出す。
桜と春が、防犯教室で学んでいた内容を、この世界のあの子は知っているのだろうか――
グレースの頭に浮かんだのは「誘拐」の二文字。
その二文字を確信した瞬間、グレースは反射的にドアノブを捻っていた。
「待って!」
飛び出した廊下、数歩先にいたのは見知らぬ男性と手を繋ぐ、特別室のあの少年だった。
驚いた表情を浮かべる男性と、きょとんっとした顔でこちらを見る少年。
あの時の殺意と自信に溢れる少年なら、男性を一捻りに出きるのではと思ったが、少年からはあの時のような殺意は一切感じられない。そこに居るのは、年相応の雰囲気を纏った幼い少年だった。
「だ、誰だ、あんた……!」
男性の声に、グレースは「しまった!」と、はっとする。本当に何も考えず、勢いに任せて飛び出してしまった。
一先ず男性を刺激しないよう、グレースはにっこりと微笑んだ。
「あの、いきなりごめんなさい。寝付けずに居たら会話が聞こえてしまって……」
男性は自分の方に少年を引き寄せて、伺うようにこちらに視線を向けてくる。
何とかしなければと、グレースは思考を巡らせた。
(このまま連れていかせるわけにはいかないし、見過ごしてくれるわけもない。とにかく、今出来ることは……)
「……良ければ、私も一緒に連れていってくださいませんか?」
「は……?」
誘拐に気付いているとは勘づかれないように振る舞いながら、グレースは男性に近付く。
「その子の兄、ヴェントのご友人なんですよね? 私も、彼に会いたいのです」
思いがけない申し出にたじろぐ男性に、器用に杖を使って一気に詰め寄り、空いてる手を取ると少年には聞こえないよう小さな声で囁いた。
「彼とは以前から想い合っておりまして、入院してから長く会えて居ないのです……。連れていって頂けたら、貴方様が望むだけのお礼を致しますわ。ですから、どうか……」
穏やかな口振りで、健気で物知らずな令嬢のように振る舞いながらグレースは男性の目を見つめる。咄嗟に出た嘘が男性にバレやしないかと、内心は恐怖でいっぱいだ。
だが、黙って見過ごすことは出来ない。
こんな深夜に兄の友人を語り、幼い子供を連れていくのが誘拐と言わずして何というのか。もし本当にヴェントの友人で、外にヴェントが待っているのなら、その時は嘘をついた事を謝ればいいだけの話だ。
「お礼ね……。そうだな、そこまで言われたら連れていかないわけにはいかないなぁ」
お礼という言葉に揺らいだ男性の瞳をグレースは見逃さなかった。下卑た笑みを浮かべる相手の目的は、金銭的なものなのだろう。
「本当ですか!」
「あぁ。ただし、静かにしてくれ。他の患者が起きちまうと申し訳ないからな」
「分かりました。それじゃあ、私はこの子と一緒に貴方の後ろをついていきますね」
グレースは男の手から然り気無く少年の手を離し、少年と自分の手を繋ぎ直した。
「あ、おいっ!」
「あら、いけませんか? 私、足が不自由で貴方の歩幅には合わせられませんし、三人で手を繋いで横並びで歩くより、この子と後ろをついていく方が良いかと思ったのですが」
「……チッ。それじゃあ、黙ってついてきてくれよ」
「はい」
舌打ちをする男性に頷いて、グレースは後ろを歩き始めた。
(さぁ、ここからどうしよう)
隣を見ると、不思議そうに見上げてくる少年と目があう。
「手、離さないでね?」
少年に向かって小声で囁くと、こくりっと頷き返された。
本当に、彼はあの少年だろうか?
まるで別人のような表情を浮かべている少年の手をグレースがぎゅっと握りしめると、小さな手にしっかりと握り返された。
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