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公爵令嬢視点1
しおりを挟む私はエレーミア・フィスター、公爵令嬢だ。
ピンクの瞳にピンクブロンドのふわふわの長い髪で、家族や使用人には可憐で愛らしい容姿だと言われている。
もう15歳だというのに153cmしかない身長のせいで、小さな妖精の様だとも言われている。黙っていれば。
そう、黙っていれば、である。
喋ったり、動いたりしてはいけないらしい。
そうしてしまうと、私は大変残念な令嬢になってしまうらしい。
私の事を可愛がってくれている家族でさえ、
「エレーミアは可愛いんだけれど、淑女教育をもう少し頑張らないといけないね。」
と言ってしまう程らしい。
私にはもちろんそんな自覚はなく、人より少し好奇心が旺盛で動物が大好きなだけなのに。と思っている。
確かに、幼い頃から動物が大好きで屋敷を守ってくれている自分よりも大きい猟犬に飛びついて咬まれそうになったり、熊を見てみたくて家族で森でピクニック中に脱走してみたりと色々としたことはある。
けれど、そんな物は幼い子供の好奇心でありそんなに残念な行動ではないと思う。
しかし、公爵令嬢としては良くないということも理解はできる。
幸いにも私には優秀な兄二人と姉が一人いるため、公爵令嬢という身分にも関わらず、政治的にはそんなに頑張らなくてもいいと言われていた。
なので、貴族学院入学までに淑女教育を頑張ればいいとのんびりと構えていたのである。
まぁ、そこは腐っても公爵令嬢。私は15歳には家での振る舞いはともかく、外に出れば全く恥ずかしくない貴族令嬢になることができた。
そうして挑んだ入学式、私は一目で恋に落ちた。
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