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78:吉兆か凶兆か(4)
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「そうっすよ。ほらニナちゃん、上見て上」
「?」
ラオの人差し指の先を追って、空を仰ぐと、ちょうど星が流れた。
「わあ、流れ星!」
「前途が明るいってことっすよ、きっと。神さまもそう言ってるっす」
「そうだといいんですけど……」
(……でも、流れ星を吉兆か凶兆かで捉えるかは国や時代によって違うとか聞いたことがあるような……)
この世界では流れ星は吉兆らしいが、さてどうだろうか。
(……吉兆でありますように)
無意識に腹の上で手を組んでいた。
祈らずにはいられない。
本当は新菜だって戦闘なんてしたくない。
ただの平和を愛する一人のメイドでいたい。
たとえば木漏れ日の中、ハンモックの上でハクアとトウカが一緒に眠るような、そんな平和が一番良い。
「……あ、ハクア様たちが帰って来るなら、ミミも帰ってきますね」
新菜は思い出して呟いた。
トウカが溺愛している黒猫は、一体何を思ったのか、ハクアたちについて行ってしまっていた。
王都に着いたときに、荷物の中に紛れ込んでいるのをメイドが発見し、ちょっとした騒ぎになったそうだ。
ミミがいないと半泣きで屋敷中を探し回っていたトウカはその一報を聞いて怒っていた。
安心したのだろう、怒りながら泣く姿に新菜は苦笑して頭を撫でた。
この三日間、新菜はミミの代わりを果たすべく、トウカとずっと行動を共にしていた。
親鳥の後を追う雛のように新菜について回り、無邪気に新菜の手を引くトウカはそれはそれは可愛かった。
もう夜も遅く、トウカは今頃眠っていることだろう。
起きたらすぐにハクアたちが帰って来ると伝えたい。
きっとトウカは可憐な笑顔の花を咲かせ、ふわふわの尻尾を大いに振るだろうから。
「?」
ラオの人差し指の先を追って、空を仰ぐと、ちょうど星が流れた。
「わあ、流れ星!」
「前途が明るいってことっすよ、きっと。神さまもそう言ってるっす」
「そうだといいんですけど……」
(……でも、流れ星を吉兆か凶兆かで捉えるかは国や時代によって違うとか聞いたことがあるような……)
この世界では流れ星は吉兆らしいが、さてどうだろうか。
(……吉兆でありますように)
無意識に腹の上で手を組んでいた。
祈らずにはいられない。
本当は新菜だって戦闘なんてしたくない。
ただの平和を愛する一人のメイドでいたい。
たとえば木漏れ日の中、ハンモックの上でハクアとトウカが一緒に眠るような、そんな平和が一番良い。
「……あ、ハクア様たちが帰って来るなら、ミミも帰ってきますね」
新菜は思い出して呟いた。
トウカが溺愛している黒猫は、一体何を思ったのか、ハクアたちについて行ってしまっていた。
王都に着いたときに、荷物の中に紛れ込んでいるのをメイドが発見し、ちょっとした騒ぎになったそうだ。
ミミがいないと半泣きで屋敷中を探し回っていたトウカはその一報を聞いて怒っていた。
安心したのだろう、怒りながら泣く姿に新菜は苦笑して頭を撫でた。
この三日間、新菜はミミの代わりを果たすべく、トウカとずっと行動を共にしていた。
親鳥の後を追う雛のように新菜について回り、無邪気に新菜の手を引くトウカはそれはそれは可愛かった。
もう夜も遅く、トウカは今頃眠っていることだろう。
起きたらすぐにハクアたちが帰って来ると伝えたい。
きっとトウカは可憐な笑顔の花を咲かせ、ふわふわの尻尾を大いに振るだろうから。
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