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28:一人では越えられない夜でも
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「……ラザフォード嬢。どうして君がここにいるんだ?」
ややあって、ユリウスがこちらを向いた。
「はい。朝目覚めたら、ドロシー・ユーグレースという魔女が私の部屋にいたのです。彼女はユリウス様がエリシアと対峙していると教えてくれました。私はそれを聞いて居ても立ってもいられず、魔法でここまで連れてきてもらいました」
見回しても、やはり路地に彼女の姿はない。
彼女のことだから、魔法を使って見守っているのかもしれないが。
「ドロシーが……」
「ユリウス様はドロシーの友人なのですか?」
ドロシーは彼のことを気に入っていると言っていた。
「……友人……みたいなものかな」
ユリウスは苦笑したものの、それ以上の情報は教えてくれなかった。
「私のために駆け付けてくれてありがとう。エリシアに説教してくれたことも。私のことを愛しているなどと嘘までついて――」
「嘘ではありません。私は真実ユリウス様を愛しています」
淑女としての慎みも恥じらいもぶん投げ、ド直球で言う。
「………………え?」
さすがにこれは予想外だったらしい。ユリウスは目をぱちくりさせた。
「もう一度言ったほうが良いでしょうか。エマ・ラザフォードはユリウス・エンドリーネ様のことが好きです。率直に言って結婚したいと思っております」
「…………」
畳み掛けられて頭痛でも覚えたのか、ユリウスはこめかみを押さえた。
「ラザフォード嬢。誰を想おうと君の自由だが、君と私が結婚する未来はありえない」
「どうしてですか? ユリウス様は私のことがお嫌いですか?」
「いや、嫌いとかそういう話ではなくて……仕方ない。確定事項ではないため言うつもりはなかったのだが。実は昨日、侯爵は君と第三王子との縁談が持ち上がっていると――」
「ユリウス様。たとえお父様の命令であろうと、私は王子と結婚するつもりはありません。貴方以外の人と結婚するくらいなら死にますわ」
さらりと言う。
「ちょっと待て!! 簡単に死ぬなどと言うんじゃない!!」
ユリウスは血相を変えてエマの両肩を掴んだ。
「いえ、本気ですわ」
エマは真顔だった。
「………………。何故私の周囲にいる人間は命を軽々しく扱う傾向にあるんだ……?」
ユリウスは虚空を見つめて何やら遠い目をしてから、こほんと咳払い。
「ええと。だから……ラザフォード嬢。君は十五歳とまだ若い。君はこれからますます美しくなり、社交界の華として多くの男性を魅了するだろう。一時の感情に囚われ、私に執着してはいけない。様々な人と出会い、人を見る目を磨きなさい。君には私よりも素晴らしい男性と幸せになって欲――」
「ユリウス様より素晴らしい男性など存在しません」
無礼と知りつつ、切って捨てる。
ユリウスと出会った夜会には大勢の貴族男性が集まっていた。
でも、誰もが厄介ごとに巻き込まれるのはご免だとばかりに、大公爵に連れ去られようとしているエマを見て見ぬふりをした。
同情。哀れみ。そんな視線を向けるだけで、誰一人助けてはくれなかった。
足を止めてくれたのはユリウスだけ。
エマを救うべく行動してくれたのは、ユリウスだけだった。
「……。わかった。ハッキリ言おう。私は女性が怖い。どんなに優しくされようと、何を言われようと、根底では女性を信じ切れないんだ。もう私には女性を愛する自信がない」
ユリウスは悲しそうに笑ったが。
「では私が信じさせてみせましょう」
一歩も引くことなくエマは言った。
「ユリウス様に信じて頂けるように、私はこれから毎日、雨の日も風の日も伯爵邸に通い、ユリウス様の目を見て愛していると伝えますわ」
「…………はは」
驚き顔でエマを見ていたユリウスは、どこか乾き切った――影のように暗い、嘲るような笑い声を上げた。
「そんなの無理に決まっているだろう。魔獣や賊に襲われる危険を冒し、毎日往復二時間かけて婚約者でも何でもない男の屋敷に通う? 侯爵が許すものか。君はラザフォード侯爵家とエンドリーネ伯爵家を敵対させたいのか。何を言うかと思えば、くだらない……」
「いいえ。私はやると言ったらやる女です。決して伯爵家に迷惑はかけません。お父様を説得し、一年だろうと五年だろうと毎日通ってみせますわ」
苦しげな表情で俯いたユリウスの手を掴み、紫の瞳を見つめて微笑む。
「ユリウス様はいま暗い夜の中におられるのでしょう。どこまでも続く闇に囚われ、一人では乗り越えられないというのならば私が支えます。何があろうと、私は貴方の手を離しません。貴方の心に再び光が差し込むまで――いいえ、貴方の心が温かな光に包まれたその後も。私は、エマ・ラザフォードは。ユリウス様のお傍にいます。ずっと」
掴んだ手を強く握って訴える。
「貴方を愛しています」
「…………」
心からの言葉に、ユリウスは無言。
信じた恋人に裏切られ、愛を信じることができなくなった彼は、ともすれば泣き出しそうな、飽和寸前の無表情でエマを見ている。
「不動の愛を。永遠の愛を。――私が証明してみせますわ」
エマはユリウスの頬に顔を寄せて口づけをした。
「――っ!?」
ぎょっとしたようにユリウスは身体を引いた。
その顔は耳まで真っ赤だ。
「あら、ユリウス様は意外と純情なのですね。可愛らしい」
背後で手を組み、ふふっと笑う。
「か、からかわないでもらえるか……私は君より年上なんだぞ」
ユリウスは憮然とした表情で言った。
「……もしかしてエリシアとキスすらしていませんの?」
「なっ――」
「わかりました。その反応だけで十分です」
苦笑して手を振る。
さっきから、表面上は余裕たっぷりな態度を保っているエマだが――
(やったわ!! ユリウス様との初キスは私のものよ!!)
内心では、自分の大胆な言動に身悶えたり喜びに飛び跳ねたりしているのだった。
ややあって、ユリウスがこちらを向いた。
「はい。朝目覚めたら、ドロシー・ユーグレースという魔女が私の部屋にいたのです。彼女はユリウス様がエリシアと対峙していると教えてくれました。私はそれを聞いて居ても立ってもいられず、魔法でここまで連れてきてもらいました」
見回しても、やはり路地に彼女の姿はない。
彼女のことだから、魔法を使って見守っているのかもしれないが。
「ドロシーが……」
「ユリウス様はドロシーの友人なのですか?」
ドロシーは彼のことを気に入っていると言っていた。
「……友人……みたいなものかな」
ユリウスは苦笑したものの、それ以上の情報は教えてくれなかった。
「私のために駆け付けてくれてありがとう。エリシアに説教してくれたことも。私のことを愛しているなどと嘘までついて――」
「嘘ではありません。私は真実ユリウス様を愛しています」
淑女としての慎みも恥じらいもぶん投げ、ド直球で言う。
「………………え?」
さすがにこれは予想外だったらしい。ユリウスは目をぱちくりさせた。
「もう一度言ったほうが良いでしょうか。エマ・ラザフォードはユリウス・エンドリーネ様のことが好きです。率直に言って結婚したいと思っております」
「…………」
畳み掛けられて頭痛でも覚えたのか、ユリウスはこめかみを押さえた。
「ラザフォード嬢。誰を想おうと君の自由だが、君と私が結婚する未来はありえない」
「どうしてですか? ユリウス様は私のことがお嫌いですか?」
「いや、嫌いとかそういう話ではなくて……仕方ない。確定事項ではないため言うつもりはなかったのだが。実は昨日、侯爵は君と第三王子との縁談が持ち上がっていると――」
「ユリウス様。たとえお父様の命令であろうと、私は王子と結婚するつもりはありません。貴方以外の人と結婚するくらいなら死にますわ」
さらりと言う。
「ちょっと待て!! 簡単に死ぬなどと言うんじゃない!!」
ユリウスは血相を変えてエマの両肩を掴んだ。
「いえ、本気ですわ」
エマは真顔だった。
「………………。何故私の周囲にいる人間は命を軽々しく扱う傾向にあるんだ……?」
ユリウスは虚空を見つめて何やら遠い目をしてから、こほんと咳払い。
「ええと。だから……ラザフォード嬢。君は十五歳とまだ若い。君はこれからますます美しくなり、社交界の華として多くの男性を魅了するだろう。一時の感情に囚われ、私に執着してはいけない。様々な人と出会い、人を見る目を磨きなさい。君には私よりも素晴らしい男性と幸せになって欲――」
「ユリウス様より素晴らしい男性など存在しません」
無礼と知りつつ、切って捨てる。
ユリウスと出会った夜会には大勢の貴族男性が集まっていた。
でも、誰もが厄介ごとに巻き込まれるのはご免だとばかりに、大公爵に連れ去られようとしているエマを見て見ぬふりをした。
同情。哀れみ。そんな視線を向けるだけで、誰一人助けてはくれなかった。
足を止めてくれたのはユリウスだけ。
エマを救うべく行動してくれたのは、ユリウスだけだった。
「……。わかった。ハッキリ言おう。私は女性が怖い。どんなに優しくされようと、何を言われようと、根底では女性を信じ切れないんだ。もう私には女性を愛する自信がない」
ユリウスは悲しそうに笑ったが。
「では私が信じさせてみせましょう」
一歩も引くことなくエマは言った。
「ユリウス様に信じて頂けるように、私はこれから毎日、雨の日も風の日も伯爵邸に通い、ユリウス様の目を見て愛していると伝えますわ」
「…………はは」
驚き顔でエマを見ていたユリウスは、どこか乾き切った――影のように暗い、嘲るような笑い声を上げた。
「そんなの無理に決まっているだろう。魔獣や賊に襲われる危険を冒し、毎日往復二時間かけて婚約者でも何でもない男の屋敷に通う? 侯爵が許すものか。君はラザフォード侯爵家とエンドリーネ伯爵家を敵対させたいのか。何を言うかと思えば、くだらない……」
「いいえ。私はやると言ったらやる女です。決して伯爵家に迷惑はかけません。お父様を説得し、一年だろうと五年だろうと毎日通ってみせますわ」
苦しげな表情で俯いたユリウスの手を掴み、紫の瞳を見つめて微笑む。
「ユリウス様はいま暗い夜の中におられるのでしょう。どこまでも続く闇に囚われ、一人では乗り越えられないというのならば私が支えます。何があろうと、私は貴方の手を離しません。貴方の心に再び光が差し込むまで――いいえ、貴方の心が温かな光に包まれたその後も。私は、エマ・ラザフォードは。ユリウス様のお傍にいます。ずっと」
掴んだ手を強く握って訴える。
「貴方を愛しています」
「…………」
心からの言葉に、ユリウスは無言。
信じた恋人に裏切られ、愛を信じることができなくなった彼は、ともすれば泣き出しそうな、飽和寸前の無表情でエマを見ている。
「不動の愛を。永遠の愛を。――私が証明してみせますわ」
エマはユリウスの頬に顔を寄せて口づけをした。
「――っ!?」
ぎょっとしたようにユリウスは身体を引いた。
その顔は耳まで真っ赤だ。
「あら、ユリウス様は意外と純情なのですね。可愛らしい」
背後で手を組み、ふふっと笑う。
「か、からかわないでもらえるか……私は君より年上なんだぞ」
ユリウスは憮然とした表情で言った。
「……もしかしてエリシアとキスすらしていませんの?」
「なっ――」
「わかりました。その反応だけで十分です」
苦笑して手を振る。
さっきから、表面上は余裕たっぷりな態度を保っているエマだが――
(やったわ!! ユリウス様との初キスは私のものよ!!)
内心では、自分の大胆な言動に身悶えたり喜びに飛び跳ねたりしているのだった。
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