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46:ドロシー・ユーグレースの事情(2)
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「んー、まあ、彼女の存在も戦争の一因ではあったわね」
ドロシーはティーカップをソーサーに置き、曖昧に言葉を濁した。
「でもね、彼女だけじゃなく、『始まりの魔女』の転生体はほとんど全員が狙われたの。唯一転生体ではなく、オルガに作られた『始まりの魔女』そのものであるあたしも例外じゃなかった。なんたってあたしは不老不死、これほど知的好奇心が刺激される存在はなかなかないでしょう? 人間の科学者、研究者、学者、時の権力者――ありとあらゆる人間があたしを捕まえようと躍起になった。同胞の魔女すらもあたしの敵だった。全く、神様も厄介な魔法を授けてくれたもんだわ」
なんと声をかければよいのかわからず黙っていると、ドロシーは長い三つ編みの先端を指先で弄った。
「ま、あたしの話はおいといてさ。戦争当時の『魔力増幅』の魔法を持つ魔女の転生体はフリーディアと同じくらい優しい子だったから、自分のせいで争いが起きることに耐えられなくて死んじゃったの。あたしは彼女が生まれ変わるのを待った。運よく巡り会えたときには戦争から百年以上の年が過ぎてた。彼女――フィーナは小さな島国で暮らしてて、珍しい男性の魔女の恋人がいた。恋人は第五王子で、将来結婚するんだって、幸せそうに笑ってた。でもフィーナの恋人はフィーナを愛してなんかいなかった。本当に好きな相手は他にいた。フィーナは第五王子が他の王子を蹴落とすために利用されるだけ利用されて、国王となったそいつにゴミみたいに捨てられた。用無しになった道具でも他人に利用されたら困るからと、身勝手な理由で投獄された挙句、ありもしない罪をでっちあげられて処刑された」
ドロシーは眉間に皺を作り、心底忌々しそうに吐き捨てた。彼女の手の中で三つ編みが無残に潰れている。
「…………」
言葉が出なかった。愛した人に裏切られて殺されて。フィーナはどれほど無念だっただろう。
リュオンが無言で私を抱き寄せた。彼の肩に自分の頭を乗せ、濡れた目元を拭う。
高まった内圧を下げるようにドロシーは息を吐き出し、潰れた三つ編みを手放して再び口を開いた。
「あたしがそれを知ったのはフィーナが殺された一年後。あたしはいつもそう。気づいたときにはいつだって手遅れ。フリーディアが死んだときもあの子の傍には居られなかった……なにせ、こんな身体だからね」
ドロシーは自嘲するように言って目を伏せた。
『居られなかった』――そうか、決して成長しない肉体を持ったドロシーは一か所に留まることはできないんだ。
長く留まると見た目が変わらないことを周りの人間や魔女に怪しまれてしまう。
彼女が変身魔法を学んだのも必要に駆られてだったのだろう。
「『魔力増幅』の魔法を持つ魔女が幸せな一生を送れることは滅多にない。フィーナの例が示す通り、大抵が悪党に狙われて使い潰され、悲惨な死を遂げる。そこで今回は傍観者でいることを止めて、思い切って干渉することにしたの。セラの傍にいるリュオンがどんな魔女なのか見定めようと思ったのよ。あたしが知りたかったのはセラを狙う強敵が出現したときのリュオンの反応。口だけなら何とでも言えるし、人間って極限状態に置かれたときにこそ本性を現すものでしょう? だから、悪いとは思ったけど悪役を装って攻撃させてもらった。リュオンが我が身可愛さにセラを差し出したり、尻尾を巻いて逃げるような奴ならあたしの手元でセラを保護しようと思ったんだけど……余計なお世話だったわね。いくらあたしに勝てないからって、まさか自爆攻撃してくるとは思わなかったわよ。セラのこと愛しすぎでしょ、あんた。聞けばセラのために天災級の魔獣を三頭も倒したって? もはや感心を通り越して呆れるわ。あんまり無茶ばっかりしてると、そのうち本当に死ぬわよ?」
ドロシーはリュオンの額に巻かれた包帯を見て苦笑した。
「待って。自爆攻撃って……リュオンは一体どんな魔法を使おうとしたの?」
私は青ざめてドロシーに尋ねた。
ずっと気になっていた。
《魔力環》が赤く変色する事例など見たことも聞いたこともない。
「セラ、もう終わったことだ。こうして無事なんだし、気にしなくても――」
「黙ってろ」
ユリウス様がリュオンの言葉を断ち切った。
ノエル様にも冷たく見つめられて、リュオンは気まずそうに目を逸らした。
「教えてくれ、ドロシー」
ユリウス様やノエル様の視線を受けて、ドロシーは素人にもわかりやすいよう嚙み砕いた説明を始めた。
「そうね、水槽を想像してみて。水槽の最下部には絶えず水が湧き出る泉があるの。おかげで水槽からはいつも水が溢れてる。水槽の中の水は生命力で、溢れた水は魔力。あたしたち魔女は溢れた水の余剰分を魔力として使ってるから、どんなに魔法を使っても大丈夫ってわけ」
彼女はぴっと人差し指を立てた。
「それを前提とした上で、リュオンが唱えた呪文を思い出してみなさい。『魔と生命を隔てる境は壊れよ』――要するにこの子は水槽そのものをぶっ壊して、生命力を丸ごと魔力に変換しようとしたの。あたしが禁じ手だって言った理由がわかったでしょ? この子がやろうとしたのは自殺よ。片方の《魔力環》が赤く変色してしまったのは身体からの警告。生命力と魔力の境目が曖昧になっちゃったから、このまま魔法を使ったら危険です、下手すりゃ死にますよって言ってるのよ」
私は遠くなりかけた意識を気力で繋ぎとめた。
全ては私のための行いだ。私には知る義務がある。
「次にこの子が使おうとした禁止魔法はさらにタチが悪い、ってかハッキリ言って最悪よ。本人が言ってたでしょ、『業報の呪詛』だって。あれは自分の命を代償に因果律を捻じ曲げ、あらゆる防御を貫通して対象の命を奪う心中魔法よ」
「……お前……」
ユリウス様はリュオンを睨みつけ、硬く拳を握った。
本気で殴られると思ったのか、怯えたようにリュオンが小さく身を引く。
「いや、だって、単純な攻撃魔法だとドロシーの近くにいた皆を巻き添えにしてしまうだろ? 誰にも被害を与えず、確実にドロシーを倒すにはあの魔法を使うしかなかったんだよ」
「ああそうだな。元々死ぬ気な訳だから自分の命を代償にしても問題ない。確かに最適だったな」
「悪かったって……許してくれ。二度と使わない。約束するから」
リュオンの態度は、まるで兄に叱られた弟みたいだ。
そういえば誕生日はユリウス様のほうが早かったな、と酷い目眩と頭痛に苛まれながら思い出す。実際のリュオンの誕生日は不明なので、あくまで書類上での話だが。
「ドロシー、リュオンは大丈夫なの? 魔法を使わなければ《魔力環》は金に戻るの?」
私は泣きそうになりながら尋ねた。
「ええ。傷ついた身体と同じで、魔力と生命力を隔てる境目――便宜上、膜とでも呼びましょうか。膜にも自己回復能力があるからね。一か月くらい魔法を使わなければ治ると思うわ」
「本当に!?」
「ええ。過去に似たような馬鹿をやって片目の《魔力環》が変色してしまった魔女を知ってるから間違いないわ。安心しなさい」
「良かった……」
私は脱力して長椅子の背もたれに背中を預けた。
「エンドリーネ伯爵の許可も取ったことだし、あたしはこれからしばらくここに滞在してリュオンの代わりに街を守る。あんたはその間、一切魔法を使っちゃダメよ」
ドロシーはリュオンの右目に浮かぶ赤い《魔力環》を見ている。
「リュオン、魔法を使っては駄目よ。何があっても絶対絶対駄目だからね!!」
背もたれから背を離し、リュオンの腕を強く握る。
「了解」
「どうしてそこで嬉しそうな顔をするの! あなた自分が危険な状態だってことわかってる!?」
「わかってるって」
「セラに心配されて嬉しいんだろうな……」
「もう病気だね……」
私が怒る一方で、ユリウス様たちは呆れていた。
ドロシーはティーカップをソーサーに置き、曖昧に言葉を濁した。
「でもね、彼女だけじゃなく、『始まりの魔女』の転生体はほとんど全員が狙われたの。唯一転生体ではなく、オルガに作られた『始まりの魔女』そのものであるあたしも例外じゃなかった。なんたってあたしは不老不死、これほど知的好奇心が刺激される存在はなかなかないでしょう? 人間の科学者、研究者、学者、時の権力者――ありとあらゆる人間があたしを捕まえようと躍起になった。同胞の魔女すらもあたしの敵だった。全く、神様も厄介な魔法を授けてくれたもんだわ」
なんと声をかければよいのかわからず黙っていると、ドロシーは長い三つ編みの先端を指先で弄った。
「ま、あたしの話はおいといてさ。戦争当時の『魔力増幅』の魔法を持つ魔女の転生体はフリーディアと同じくらい優しい子だったから、自分のせいで争いが起きることに耐えられなくて死んじゃったの。あたしは彼女が生まれ変わるのを待った。運よく巡り会えたときには戦争から百年以上の年が過ぎてた。彼女――フィーナは小さな島国で暮らしてて、珍しい男性の魔女の恋人がいた。恋人は第五王子で、将来結婚するんだって、幸せそうに笑ってた。でもフィーナの恋人はフィーナを愛してなんかいなかった。本当に好きな相手は他にいた。フィーナは第五王子が他の王子を蹴落とすために利用されるだけ利用されて、国王となったそいつにゴミみたいに捨てられた。用無しになった道具でも他人に利用されたら困るからと、身勝手な理由で投獄された挙句、ありもしない罪をでっちあげられて処刑された」
ドロシーは眉間に皺を作り、心底忌々しそうに吐き捨てた。彼女の手の中で三つ編みが無残に潰れている。
「…………」
言葉が出なかった。愛した人に裏切られて殺されて。フィーナはどれほど無念だっただろう。
リュオンが無言で私を抱き寄せた。彼の肩に自分の頭を乗せ、濡れた目元を拭う。
高まった内圧を下げるようにドロシーは息を吐き出し、潰れた三つ編みを手放して再び口を開いた。
「あたしがそれを知ったのはフィーナが殺された一年後。あたしはいつもそう。気づいたときにはいつだって手遅れ。フリーディアが死んだときもあの子の傍には居られなかった……なにせ、こんな身体だからね」
ドロシーは自嘲するように言って目を伏せた。
『居られなかった』――そうか、決して成長しない肉体を持ったドロシーは一か所に留まることはできないんだ。
長く留まると見た目が変わらないことを周りの人間や魔女に怪しまれてしまう。
彼女が変身魔法を学んだのも必要に駆られてだったのだろう。
「『魔力増幅』の魔法を持つ魔女が幸せな一生を送れることは滅多にない。フィーナの例が示す通り、大抵が悪党に狙われて使い潰され、悲惨な死を遂げる。そこで今回は傍観者でいることを止めて、思い切って干渉することにしたの。セラの傍にいるリュオンがどんな魔女なのか見定めようと思ったのよ。あたしが知りたかったのはセラを狙う強敵が出現したときのリュオンの反応。口だけなら何とでも言えるし、人間って極限状態に置かれたときにこそ本性を現すものでしょう? だから、悪いとは思ったけど悪役を装って攻撃させてもらった。リュオンが我が身可愛さにセラを差し出したり、尻尾を巻いて逃げるような奴ならあたしの手元でセラを保護しようと思ったんだけど……余計なお世話だったわね。いくらあたしに勝てないからって、まさか自爆攻撃してくるとは思わなかったわよ。セラのこと愛しすぎでしょ、あんた。聞けばセラのために天災級の魔獣を三頭も倒したって? もはや感心を通り越して呆れるわ。あんまり無茶ばっかりしてると、そのうち本当に死ぬわよ?」
ドロシーはリュオンの額に巻かれた包帯を見て苦笑した。
「待って。自爆攻撃って……リュオンは一体どんな魔法を使おうとしたの?」
私は青ざめてドロシーに尋ねた。
ずっと気になっていた。
《魔力環》が赤く変色する事例など見たことも聞いたこともない。
「セラ、もう終わったことだ。こうして無事なんだし、気にしなくても――」
「黙ってろ」
ユリウス様がリュオンの言葉を断ち切った。
ノエル様にも冷たく見つめられて、リュオンは気まずそうに目を逸らした。
「教えてくれ、ドロシー」
ユリウス様やノエル様の視線を受けて、ドロシーは素人にもわかりやすいよう嚙み砕いた説明を始めた。
「そうね、水槽を想像してみて。水槽の最下部には絶えず水が湧き出る泉があるの。おかげで水槽からはいつも水が溢れてる。水槽の中の水は生命力で、溢れた水は魔力。あたしたち魔女は溢れた水の余剰分を魔力として使ってるから、どんなに魔法を使っても大丈夫ってわけ」
彼女はぴっと人差し指を立てた。
「それを前提とした上で、リュオンが唱えた呪文を思い出してみなさい。『魔と生命を隔てる境は壊れよ』――要するにこの子は水槽そのものをぶっ壊して、生命力を丸ごと魔力に変換しようとしたの。あたしが禁じ手だって言った理由がわかったでしょ? この子がやろうとしたのは自殺よ。片方の《魔力環》が赤く変色してしまったのは身体からの警告。生命力と魔力の境目が曖昧になっちゃったから、このまま魔法を使ったら危険です、下手すりゃ死にますよって言ってるのよ」
私は遠くなりかけた意識を気力で繋ぎとめた。
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「……お前……」
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「いや、だって、単純な攻撃魔法だとドロシーの近くにいた皆を巻き添えにしてしまうだろ? 誰にも被害を与えず、確実にドロシーを倒すにはあの魔法を使うしかなかったんだよ」
「ああそうだな。元々死ぬ気な訳だから自分の命を代償にしても問題ない。確かに最適だったな」
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ドロシーはリュオンの右目に浮かぶ赤い《魔力環》を見ている。
「リュオン、魔法を使っては駄目よ。何があっても絶対絶対駄目だからね!!」
背もたれから背を離し、リュオンの腕を強く握る。
「了解」
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