妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

星名柚花

文字の大きさ
上 下
26 / 47

26:黒猫とのお喋り(2)

しおりを挟む
 そんな風に考え、顔を曇らせてしまったためだろう。
 レイゾンが「国境まであと少しだ」と白羽を励ますように言う。白羽が頷くと、

「食事はちゃんととっているのか」

 白羽に尋ね、続けて、控えているサンファを見る。
 遠征に出て以来、レイゾンはたびたびこの質問をするが、ここ数回は白羽にというよりもむしろサンファに向けて尋ねている様子だった。
 それは、白羽が声を出せないためではなく、白羽の侍女であり、この遠征では厩務員の仕事も担っているサンファの方が正しい答えを知っている、とレイゾンが思っているからだろう。レイゾンは、白羽がやせ我慢をするとわかっているのだ。

 確かに、白羽はレイゾンに大丈夫かと尋ねられれば大丈夫でなくとも大丈夫と答えてしまいがちだ。彼を心配させたくなかったし、弱い騏驥だと思われたくなかったから。
 だが、こと今回の遠征については、ユーファからアドバイスを受けたこともあって、食事についても普段より頑張って食べるようにしていた。疲れすぎていて食べられないと思っていても、無理をしてでも何か口に入れるようにしていた。
 もし万が一、空腹のせいで翌日に動けなくなるような醜態を見せてしまえばレイゾンに恥をかかせることになる。それも騎兵や他国からの客人のいる前でだ。そんなことは絶対にしたくなかった。ただでさえ、馬体が純白の自分は目立つのだから。
 
 そして、サンファのおかげで、今のところはなんとかそれが叶っている。
 彼女がついてきてくれて本当によかった。レイゾンがそれを許してくれて本当によかった。
 付け焼刃だが、遠征の心構えを事前に学習していたのもよかったのだろう。
 食べられる時に食べて休めるときには休む——。今まで未経験の遠征生活だが、これを徹底しているためか、疲れはしても大きく体調を崩すこともない。
 
 レイゾンに尋ねられたサンファは「はい」としっかりと頷いて続けた。
「休憩ごとに、餌も食事も摂られています。体重の減少もありませんし、疲労はあっても体調に大きな問題はないかと」

「そうか」

 サンファの答えを聞くと、レイゾンは改めて白羽を見つめてくる。白羽も頷くと、レイゾンは安堵したように頷いた。

「お前は煩いと思うかもしれないが、初めての遠征は気を遣うものだ。ましてや騎士である俺も初めてだからな……。騎士学校で学んではいたが、実際は何もかも手探りだ。だが、ツェンリェン殿や騏驥からの助言が役に立っているようだな。王都に戻ったら礼を言っておこう。俺もなんだかんだと助かっている。ユゥも世話になったようだし、急なことで大変だったが、得るものも大きな遠征になっている……」

 そして続けるレイゾンの声は、しみじみと穏やかだ。
 そう。ツェンリェンの訪問は、レイゾンの従者にもいい影響を与えていたようだった。
 白羽は詳しくは知らないのだが、互いの従者同士も親しくなったらしい。そこで得た色々な知識をサンファとも共有し、情報交換をしているようで、特に白羽の馬装についてなどは、二人で相談することもあるようだった。

(これが……騎士と騏驥の遠征なのだ……)

 白羽は、天幕の外から伝わってくる普段とは違う賑やかさを感じながら改めて思う。
 行き交う人々の多さ。その声、聞きなれない言葉。足音。武具や剣の触れ合う音。煮炊きの香り。そしてなにより、進むごとに次々と現れる新たな景色……。
 踊り子として一座の者たちと旅をしていた昔を思い出すようだ。

 人であった頃の記憶をどの程度維持できるのかは騏驥によるようだが、白羽はわりと記憶している方だと思う。次第に薄れていってはいるものの、ふとした折に思い出す。
 そして、忘れない——忘れられないこともある。
 
 今のこの遠征は、普段とはまるで違う生活だ。
 けれどこうして長い時間を一緒に旅していると互いの絆は確かに強くなるような気がする。お互いを労わり合って励まし合って、気遣って……。
 闘う予定のない遠征だから、こんなに悠長なことが言えるのだろうか。
 ——そうかもしれない。
 戦闘が待つ遠征なら、レイゾンももっとぴりぴりしているだろう。いや……それ以前に、そんな遠征なら自分は彼の騏驥として同行できないのではないだろうか。

(闘う……)

 そんなことが、自分にできるのだろうか。
 白羽は考えてみる……。がわからない。 
 けれど、今後もレイゾンの騏驥であるなら、その可能性は当然考えなければならないことだ。

 今後。
 今後の自分。そして今後の自分たち。

 遠征から帰ったら自分たちはどうなるのだろう。
 声のこともある。
 治るまでは面倒を見ると言っていたけれど、これほど長引いているのだ。もう治らないのかもしれない。希望は持っていたいけれど。

 それに、レイゾンの騎士としての今後を思えば、騏驥は自分ではない方がいいだろう。
 つまり——。
 白羽を返上したい彼と、彼から離れた方がいいだろうと思う自分との希望は合致している、ということだ。

 でも……。

(レイゾンさまと、離れる……)

 以前は強く願っていたことなのに、今それを再考すると胸の奥がきりきりするのだ。
 互いのためにその方がいいのだろうとわかっていても、割り切れない。
 この遠征で、その気持ちを一層強くした。
 彼は無骨で愛想に乏しく綺麗な物とも縁がない。どちらかと言えば無粋だし、優美さを絵にかいたような普通の騎士たちとはまるで違う。
 けれど——。騏驥に乗る騎士としては本当に優れているのだ。白羽が騏驥として未熟だからこそ、なおさらそう感じる。彼は、騏驥の能力を自然と上げてくれるような乗り方をしてくれる。
 野性的な風貌からは想像もできないような細やかさで、こちらの負担を軽くしてくれている。今まで、調教の時に乗ってもらったときにもそれは感じていたが、長く乗ってもらって一層そう感じるのだ。
 そしてそれを感じるたびに、もっともっと——彼に乗ってもらいたい、彼と一緒にいたいと……そう思ってしまう。
 
(これは……わたしが騏驥だからなのだろうか……)

 たまらなく彼に惹かれて瞬間があることに、白羽はもう気付いている。
 と、

「そうだ。——白羽、これを」

 レイゾンの声がした。
 はっと見ると、彼は懐から何か取り出し、白羽に差し出してくる。
 手から手に渡されたそれは、二つの布袋だ。一つを開けると、そこには白羽の好きな干し果実が入っていた。
 驚いてレイゾンを見ると、彼は「あと一息だからな」と微笑んだ。

「王都から持ってきていたのだ。初日から渡してもよかったのだが、あまり数多く手に入らなくてな……いつ渡そうか迷っていた」

 彼は幾分すまなそうに言うが、白羽は彼の心遣いに嬉しさしかなかった。
 出立前は彼も忙しかったのに、白羽の好きなものを覚えていてくれて用意してくれていたなんて。
 すぐに[ありがとうございます]と書き、[嬉しいです]と書き添え、声に出せなくてもそう伝える。サンファも驚いた顔で喜んでいる。
 そしてもう一つの袋はといえば、小石のような塊が入っていた。色は優しい乳色。小石と違うのはそれよりも柔らかいことだ。そしてすべすべしている。
 
 なんだろう……? と目を瞬かせる白羽に、レイゾンは「それは薬効のある塗り薬らしい」と説明してくれた。
 薬、という言葉が気になったのだろう。サンファが近づいてくる。レイゾンはそれを特に咎めることもなく、さらに続けた。

「騎兵のものたちが、馬の蹄に使ってているもののようだ。温めると少しずつ溶けて、蹄の補強になるらしい」

「これを塗る、ということでしょうか」
 サンファが尋ねる。

「ああ。使ってるのを見たが、蹄の辺りを何度かなぞるようにしていたな。力加減を工夫すればマッサージにもなるようだ。自分の手で溶かして馬の足を撫でてやっている者もいた」

 レイゾンの言葉に、サンファは小さく感嘆の声を零す。
 白羽が差し出したそれを受け取り、しばらく撫でたり眺めたりしては、物珍しそうに目を輝かせている。
 再び白羽の手にそれが戻ると、レイゾンは「使ってくれ」と微笑んで言った。

「騏驥なら、人の姿の時にも使えるかもしれないな。どう使うかは、お前に任せる。香りはないようだが、白羽が気にするようなら無理に使う必要もないだろう」

 最後の言葉は、サンファに向けてだ。今は白羽の厩務員として体調管理をしてくれている彼女は、「かしこまりました」と丁寧に頭を下げる。
 白羽も「ありがとうございます」と声に出さずに頭を下げた。
 手中にすっぽり収まるそれは、その柔らかさが心地良いからか、なんだかずっと持っていたいほどだ。
 すると、
 「本当なら、騏驥の身の回りのことは俺がやってやりたいところなのだがな……」

 レイゾンは微かに苦笑しながら言う。
 白羽は頭を振ると、

[気になさらないでください。人目があります]
 と書き記す。

 騎士は騎士になるための知識の一つとして、騏驥の世話の方法を学ぶ。だからやろうと思えば厩務員としての仕事も一通りできるはずだが、実際に騎士になったのちにそれをやる騎士などいないのが実情だ。
 騎士は騏驥に命令し、騎乗し、従わせる者なのだ。そんな騎士が、甲斐甲斐しく世話を焼くような真似はしない。
 
 白羽の言葉を見て、レイゾンは、わかっている、というように「ああ」と頷く。けれどどこか残念そうだ。

「だが、できるなら何もかも自分でやりたいというのが本音だ。世話は厩務員に任せておけという者もいるし、その意見もわかるが……俺にとっても初めての遠征だからな。騏驥の変化を——お前の変化をつぶさに知りたいという望みもあった……」

 噛み締めるように語られる声は、白羽の胸にゆっくりとしみ込んでくる。
 
 と同時に、じわじわと過日が思い起こされた。彼に触れられた様々な時のことが。
 疲れた脚を労わるように撫でさすってくれた、彼の手。心地よかった。
 この道中も、彼に首筋を慰撫されるとたまらなく気持ちが良くて……。

 思い出すたびに、じわじわと耳が熱くなる。
 頬まで熱くなっている気がして俯きかけた時。

(?)

 不意に、天幕の外にそれまでになかった気配を感じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました

青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。 しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。 「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」 そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。 実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。 落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。 一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。 ※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜

ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。 エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。 地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。 しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。 突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。 社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。 そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。 喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。 それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……? ⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎

聖なる言霊を小言と馬鹿にされ婚約破棄されましたが、普段通りに仕事していたら辺境伯様に溺愛されています

青空あかな
恋愛
 男爵令嬢のポーラは、詩を詠うことで願った現象を起こす【言霊】という珍しいスキルを持っていた。 スキルを活かし、家の離れで人々の悩みを解決する”言霊館”というお店を開いて、家計を助ける毎日を送る。  そんなポーラは婚約者と義妹たちにも【言霊】スキルで平穏な日々を願っていたが、ある日「小言が多い」と婚約破棄され、家を追い出されてしまう。  ポーラと同じ言葉のスキルを持つ義妹に店を奪われ、挙句の果てには、辺境伯のメイドに勝手に募集に出されていた。  “寡黙の辺境伯”という、誰とも話さず、何を考えているのかわからないと恐怖される辺境伯の屋敷に……。  ポーラは恐れながら屋敷へ行くも、【言霊】スキルの特別な力を示し、無事メイドとして勤めることになる。  屋敷で暮らすようになってから、フェンリルの病気を癒したり、街の火事を静めたり、枯れそうな古代樹を救ったり……ポーラは【言霊】スキルで屋敷の問題を次々と解決する。  日々、他人のため、そして辺境伯のために頑張るポーラを、“寡黙の辺境伯”は静かに溺愛し始める。  一方、義妹たちの毎日は、ポーラを追い出してから少しずつ暗い影が差す。  お店をポーラから奪うも、最初のお客さんである少女の大切な花を枯らして泣かす始末。  義妹のスキルは他人を不幸にするスキルだった。  ついには王様の持病をも悪化させ、瀕死の状態にさせてしまう。 ※HOTランキング2位、ありがとうございます!

【完結済】どうして無能な私を愛してくれるの?~双子の妹に全て劣り、婚約者を奪われた男爵令嬢は、侯爵子息様に溺愛される~

ゆうき
恋愛
優秀な双子の妹の足元にも及ばない男爵令嬢のアメリアは、屋敷ではいない者として扱われ、話しかけてくる数少ない人間である妹には馬鹿にされ、母には早く出て行けと怒鳴られ、学園ではいじめられて生活していた。 長年に渡って酷い仕打ちを受けていたアメリアには、侯爵子息の婚約者がいたが、妹に奪われて婚約破棄をされてしまい、一人ぼっちになってしまっていた。 心が冷え切ったアメリアは、今の生活を受け入れてしまっていた。 そんな彼女には魔法薬師になりたいという目標があり、虐げられながらも勉強を頑張る毎日を送っていた。 そんな彼女のクラスに、一人の侯爵子息が転校してきた。 レオと名乗った男子生徒は、何故かアメリアを気にかけて、アメリアに積極的に話しかけてくるようになった。 毎日のように話しかけられるようになるアメリア。その溺愛っぷりにアメリアは戸惑い、少々困っていたが、段々と自分で気づかないうちに、彼の優しさに惹かれていく。 レオと一緒にいるようになり、次第に打ち解けて心を許すアメリアは、レオと親密な関係になっていくが、アメリアを馬鹿にしている妹と、その友人がそれを許すはずもなく―― これは男爵令嬢であるアメリアが、とある秘密を抱える侯爵子息と幸せになるまでの物語。 ※こちらの作品はなろう様にも投稿しております!3/8に女性ホットランキング二位になりました。読んでくださった方々、ありがとうございます!

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

この野菜は悪役令嬢がつくりました!

真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。 花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。 だけどレティシアの力には秘密があって……? せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……! レティシアの力を巡って動き出す陰謀……? 色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい! 毎日2〜3回更新予定 だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!

【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
 婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!  ――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。 「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」  すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。  婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。  最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ ※2022/05/10  「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過 ※2022/02/14  エブリスタ、ファンタジー 1位 ※2022/02/13  小説家になろう ハイファンタジー日間59位 ※2022/02/12  完結 ※2021/10/18  エブリスタ、ファンタジー 1位 ※2021/10/19  アルファポリス、HOT 4位 ※2021/10/21  小説家になろう ハイファンタジー日間 17位

処理中です...