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16:弟は好きですか
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昼食の後片付けを終えると、洗濯物が乾くまではしばらく手持ち無沙汰になる。
ブードゥー様のお屋敷にいた頃はこういった暇な時間は皆で掃除をしていたのだが、この屋敷には掃除魔法がかかっている。
気になる埃やちょっとした汚れを見つけたら近くの窓を開ければ良い。
埃や汚れは吸い込まれるように窓の外へと飛んでいき、風に吹き散らされてそのままどこかへ消えていく。
つくづく便利な魔法である。
もし同じ効果を持つ魔法道具が安価で販売されたなら、世の主婦は泣いて喜ぶに違いない。
屋敷の外、庭の手入れは伯爵家お抱えの庭師が行ってくれる。
素人の手伝いはむしろ庭師の手間を増やすだけだ。
たまに廊下や部屋の窓を開けることで掃除をしつつ、ぶらぶらと屋敷を歩き回っていた私は、庭から花でも摘んできて花瓶に活けようと思い立った。
園芸用の鋏を片手に庭に行き、さてどの花を摘もうかなと花壇を見回して――そして気づく。
ガラス張りの温室の隣に赤いスカーフを巻いた黒猫がいた。
ユリウス様が眺めている方向にはラスファルの大通りが走っている。
大通りのさらに向こう――ラスファルの街を囲う高い城壁の遥か先にはスタンレー卿が治める広大な領地がある。
ノエル様や伯爵夫妻はその領地内のどこかにあるスタンレー卿の屋敷で他の有力貴族を交えて会食をしているはずだった。
泣き出しそうな空の下、緩やかな風に吹かれながら、黒猫はじっと黙ったまま動かず、街の外を見ている。
声をかけるべきか否か。
誰しも一人になりたいときはある。
迷った末に、私は手に持っていた鋏を花壇の横に置いてユリウス様に近づいた。
足音に反応して、黒猫の耳がぴくりと動く。
黒猫は身体を捻ってこちらを見た。
「……ユリウス様。良かったら私とお話しませんか」
ユリウス様の負担にならないように、私は会話には少し遠い距離で足を止めた。
「どんな話を?」
試すような口調でユリウス様が言う。
「ノエル様のお話はいかがでしょう」
ユリウス様の耳がまたぴくっと動いた。
個人の深い事情に踏み込みたいなら、こちらもまた話をするのが礼儀だ。
私は覚悟を決めて、ユリウス様に自分の過去を打ち明けた。包み隠さず、全てを。
「……というわけで、私は双子の妹と仲たがいしたまま国を出ることになりました。私たち姉妹の関係の修復は不可能です」
私が無意識に『他人の魔力を増幅する魔法』 を使い、イノーラを《国守りの魔女》にしていた事実を知ったら、イノーラは私に感謝するどころか逆上するだろう。
お前にそんな力があっていいはずがないと取り乱し、胸倉を掴んで喚き、私を傍に縛り付けようとする。
それこそ、どんな手段を使ってもだ。
口元に乾いた笑みが浮かぶ。
――ああ、やっぱり。
私を見下し、罵倒し、利用しようとする姿は容易に想像できるのに、イノーラが私を愛する姿など全く想像できない。
「私と妹が分かり合える日は永遠に来ないでしょう。でも、ユリウス様とノエル様は違うのではないでしょうか。差し出がましいこととは存じますが、私は別館はもちろん、本館でも聞き込みをしました。お二人は、昔はとても仲が良かったのですよね?」
兄弟の間に亀裂が生じたのは、ユリウス様が七歳を迎え、本格的に貴族としての教育を受け始めた頃だ。
大好きな兄にいつもついて回っていたノエル様は、ユリウス様が帝王学を学ぶときも同じ部屋にいることを望んだ。
四歳の子どもが理解するには難解すぎる内容だったため、すぐに退屈して逃げるだろうと家庭教師やエンドリーネ伯爵夫妻は踏んでいた。
しかし、予想に反してノエル様はおとなしく椅子に座り、家庭教師の言葉に耳を傾けた。
その日の夜、晩餐の席でノエル様はたった一度聞いただけの教師の言葉を一言一句違わず復唱してみせ、エンドリーネ伯爵夫妻や使用人たちの度肝を抜いた。
ノエル様は非常に優秀な子どもだった。
要領が良い上に頭も良く、人当たりも良いため誰からも愛される。
四歳にして完璧な行儀作法を身に着け、専門書を読み、流暢な外国語を話す。
ユリウス様が教師の問いに間違えれば横から正答し、ときには教師と一緒になって解説することもあった。
たまったものではなかっただろうが、ユリウス様もノエル様に悪気がないことはわかっていた。
だから笑ってノエル様を褒めた。
調子に乗ったノエル様は勉学にのめり込み、真綿が水を吸うようにあらゆる知識を吸収し、周りの人間から神童として持て囃された。
事あるごとに弟と比較され、ノエル様が兄だったら良かったのにという家庭教師や使用人たちの心無い言葉を受け流し、ユリウス様は耐えた。
耐えて耐えて耐え続けて――三年が経ち、とうとうユリウス様に我慢の限界が訪れる。
ユリウス様は授業中、無邪気に間違いを指摘してきたノエル様を突き飛ばし、涙ながらに罵倒した。
呆気に取られているノエル様を残してユリウス様は屋敷を飛び出し、ラスファルの公園へと向かった。
ユリウス様は猫が好きで、疲れたときはこっそり公園へ行き、そこに棲みついた野良猫たちに癒されていた。
公園のベンチで野良猫を抱え、自己嫌悪で死にそうになっていたユリウス様は一人の魔女に声をかけられる。
黒髪に印象的な銀色の瞳を持つその魔女の名前はドロシー・ユーグレース。
彼女は当時国内に二人しかいなかった『大魔導師』だった。
ドロシーはユリウス様の浮かない表情を見て、猫になることを持ちかけた。
天才の弟と比較されることに疲れ切り、変身魔法が禁止魔法だと知らなかった十歳のユリウス様はその問いに頷いてしまい、猫になった。
後は私の知る通り。
一年後にユリウス様がリュオンの手により人間に戻っても、兄弟の関係はぎくしゃくしたまま。
ユリウス様は弟に負い目を感じ、ノエル様は兄の前では一切笑わなくなった。
「ユリウス様はノエル様をどう思っておられるんですか? 本当はいまでも大好きで、仲直りしたいのではないんですか?」
「…………」
ユリウス様は長いこと黙り込んだまま何も言わなかった。
風が何往復もして、黒猫はやっと口を開いた。
「今朝のあいつの顔を見ただろう。猫になった俺を見下しきった、あの瞳が答えだ。俺があいつをどう思おうと無駄なんだ。嫌いという感情を通り越して、ノエルは俺を軽蔑してる」
「答えになっていません。私が聞いているのはユリウス様の気持ちです」
無礼なのはわかっていた。
侍女の分際で何を偉そうに、と自分でも思う。
でも、私は冷え切った二人の関係をどうにかしたいのだ。
ユリウス様の境遇を自分のそれに重ねているのもある。
優秀すぎる弟に劣等感を覚えた兄――ああ、まるで私とイノーラを見ているようだ。
私はいつだってイノーラと比較され、無能と謗られた。
ブランシュ家は魔女の家系であることに誇りを持っていて、いくら勉強が出来ても魔法が使えない魔女はゴミ扱いだった。
もし泣いていたときにドロシーが現れ、そんなに辛いのなら人間を辞めて猫になるかと聞かれたら。
私はきっと、頷いていた。
「教えてください。ユリウス様はノエル様のことがお嫌いですか」
肯定されたらどうしようと怯えつつ、私は尋ねた。
「……好きに決まってるだろう」
「良かったー!!」
思わず私は素で叫んでいた。
驚いたのか、ユリウス様がこちらを向く。
「それなら後は簡単ですね!! ノエル様のお気持ちを確認するだけですから!!」
私は大喜びして両手を握った。
「簡単って……あいつに俺が好きかどうか聞いたところで、嫌いと即答されて終わるだけだろう。嫌いどころか『死ねばいい』と冷たく言い放ってもおかしくはないぞ」
「ノ、ノエル様はそんなことを言われたりしませんよ」
「どもったじゃないか。あいつなら言いかねないと思ったんだろう。改めて俺に現実を思い知らせてどうするんだ。お前には人を虐めて喜ぶ加虐趣味でもあるのか」
黒猫は紫の瞳を細めた。
「ありませんよそんなの! とにかく私に任せてください! きっとお二人の仲を修復してみせます!」
ブードゥー様のお屋敷にいた頃はこういった暇な時間は皆で掃除をしていたのだが、この屋敷には掃除魔法がかかっている。
気になる埃やちょっとした汚れを見つけたら近くの窓を開ければ良い。
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つくづく便利な魔法である。
もし同じ効果を持つ魔法道具が安価で販売されたなら、世の主婦は泣いて喜ぶに違いない。
屋敷の外、庭の手入れは伯爵家お抱えの庭師が行ってくれる。
素人の手伝いはむしろ庭師の手間を増やすだけだ。
たまに廊下や部屋の窓を開けることで掃除をしつつ、ぶらぶらと屋敷を歩き回っていた私は、庭から花でも摘んできて花瓶に活けようと思い立った。
園芸用の鋏を片手に庭に行き、さてどの花を摘もうかなと花壇を見回して――そして気づく。
ガラス張りの温室の隣に赤いスカーフを巻いた黒猫がいた。
ユリウス様が眺めている方向にはラスファルの大通りが走っている。
大通りのさらに向こう――ラスファルの街を囲う高い城壁の遥か先にはスタンレー卿が治める広大な領地がある。
ノエル様や伯爵夫妻はその領地内のどこかにあるスタンレー卿の屋敷で他の有力貴族を交えて会食をしているはずだった。
泣き出しそうな空の下、緩やかな風に吹かれながら、黒猫はじっと黙ったまま動かず、街の外を見ている。
声をかけるべきか否か。
誰しも一人になりたいときはある。
迷った末に、私は手に持っていた鋏を花壇の横に置いてユリウス様に近づいた。
足音に反応して、黒猫の耳がぴくりと動く。
黒猫は身体を捻ってこちらを見た。
「……ユリウス様。良かったら私とお話しませんか」
ユリウス様の負担にならないように、私は会話には少し遠い距離で足を止めた。
「どんな話を?」
試すような口調でユリウス様が言う。
「ノエル様のお話はいかがでしょう」
ユリウス様の耳がまたぴくっと動いた。
個人の深い事情に踏み込みたいなら、こちらもまた話をするのが礼儀だ。
私は覚悟を決めて、ユリウス様に自分の過去を打ち明けた。包み隠さず、全てを。
「……というわけで、私は双子の妹と仲たがいしたまま国を出ることになりました。私たち姉妹の関係の修復は不可能です」
私が無意識に『他人の魔力を増幅する魔法』 を使い、イノーラを《国守りの魔女》にしていた事実を知ったら、イノーラは私に感謝するどころか逆上するだろう。
お前にそんな力があっていいはずがないと取り乱し、胸倉を掴んで喚き、私を傍に縛り付けようとする。
それこそ、どんな手段を使ってもだ。
口元に乾いた笑みが浮かぶ。
――ああ、やっぱり。
私を見下し、罵倒し、利用しようとする姿は容易に想像できるのに、イノーラが私を愛する姿など全く想像できない。
「私と妹が分かり合える日は永遠に来ないでしょう。でも、ユリウス様とノエル様は違うのではないでしょうか。差し出がましいこととは存じますが、私は別館はもちろん、本館でも聞き込みをしました。お二人は、昔はとても仲が良かったのですよね?」
兄弟の間に亀裂が生じたのは、ユリウス様が七歳を迎え、本格的に貴族としての教育を受け始めた頃だ。
大好きな兄にいつもついて回っていたノエル様は、ユリウス様が帝王学を学ぶときも同じ部屋にいることを望んだ。
四歳の子どもが理解するには難解すぎる内容だったため、すぐに退屈して逃げるだろうと家庭教師やエンドリーネ伯爵夫妻は踏んでいた。
しかし、予想に反してノエル様はおとなしく椅子に座り、家庭教師の言葉に耳を傾けた。
その日の夜、晩餐の席でノエル様はたった一度聞いただけの教師の言葉を一言一句違わず復唱してみせ、エンドリーネ伯爵夫妻や使用人たちの度肝を抜いた。
ノエル様は非常に優秀な子どもだった。
要領が良い上に頭も良く、人当たりも良いため誰からも愛される。
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ユリウス様が教師の問いに間違えれば横から正答し、ときには教師と一緒になって解説することもあった。
たまったものではなかっただろうが、ユリウス様もノエル様に悪気がないことはわかっていた。
だから笑ってノエル様を褒めた。
調子に乗ったノエル様は勉学にのめり込み、真綿が水を吸うようにあらゆる知識を吸収し、周りの人間から神童として持て囃された。
事あるごとに弟と比較され、ノエル様が兄だったら良かったのにという家庭教師や使用人たちの心無い言葉を受け流し、ユリウス様は耐えた。
耐えて耐えて耐え続けて――三年が経ち、とうとうユリウス様に我慢の限界が訪れる。
ユリウス様は授業中、無邪気に間違いを指摘してきたノエル様を突き飛ばし、涙ながらに罵倒した。
呆気に取られているノエル様を残してユリウス様は屋敷を飛び出し、ラスファルの公園へと向かった。
ユリウス様は猫が好きで、疲れたときはこっそり公園へ行き、そこに棲みついた野良猫たちに癒されていた。
公園のベンチで野良猫を抱え、自己嫌悪で死にそうになっていたユリウス様は一人の魔女に声をかけられる。
黒髪に印象的な銀色の瞳を持つその魔女の名前はドロシー・ユーグレース。
彼女は当時国内に二人しかいなかった『大魔導師』だった。
ドロシーはユリウス様の浮かない表情を見て、猫になることを持ちかけた。
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私はきっと、頷いていた。
「教えてください。ユリウス様はノエル様のことがお嫌いですか」
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「……好きに決まってるだろう」
「良かったー!!」
思わず私は素で叫んでいた。
驚いたのか、ユリウス様がこちらを向く。
「それなら後は簡単ですね!! ノエル様のお気持ちを確認するだけですから!!」
私は大喜びして両手を握った。
「簡単って……あいつに俺が好きかどうか聞いたところで、嫌いと即答されて終わるだけだろう。嫌いどころか『死ねばいい』と冷たく言い放ってもおかしくはないぞ」
「ノ、ノエル様はそんなことを言われたりしませんよ」
「どもったじゃないか。あいつなら言いかねないと思ったんだろう。改めて俺に現実を思い知らせてどうするんだ。お前には人を虐めて喜ぶ加虐趣味でもあるのか」
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