暗澹のオールド・ワン

ふじさき

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第五章 風嵐都市編

第二話「七翼の聖騎士」

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「!!!」


 ジュドは気付くと〝天の架け橋エーテルブリッジ〟の乗車口前に立っていた。


「お客様…?ご乗車なされないのですか?」


 スタッフが心配そうにこちらを見つめていた。


「…あ、ああ、すまない」


 夢…?いや、でも俺は確かに落とされたはず…。
 身体に外傷はない、あるのは周りの奇異な視線だけだった。
 困惑するジュドはとりあえず列から離れる。

 考え込みながら街を歩いていると中央通りに行列ができていることに気付く。


「嵐神教会の聖教神官があんなにも…!」

「枢機卿がここへ来るらしいぞ!!」


 兵士たちが縦一列に整列し、凱旋のような演奏が流れ始めた。
 通りの奥からは枢機卿と呼ばれる最高位神官顧問と大勢の聖教神官が現れ、大衆へと手を振り返す。

 一行は道の中央で静止し、その場にいる人々に語り掛け始める。


「本日はみなに重要な命を伝えなくてはならない。我らが唯一神からの思し召しだ」


 演奏は止み、大衆は静かに聞く姿勢を取る。


「現在、各地で邪神教と名乗る異教徒集団が大規模な暴動を起こしている」

「無論、この都市もかの邪教徒たちから見れば例外ではないだろう…。だが」

「我らには風嵐神ファルファレラ様の加護がある!異端の者どもに決して臆するな!」


 一帯が決起し、風嵐神へ賞賛の渦が巻き起こる。


「俺たちにはあの方がおられる!!」

「そうよ!!あの方がいる限り、この都市は不滅よ!!」


 ジュドは場の熱に当てられ、民衆の信仰心の強さを実感する。


「私はここに…!」


 枢機卿が言葉を発した時、中央通り、神官たちの反対から弱腰の男が歩いて来た。


「ど…どうか…許してください」


「…ん?」


 枢機卿は話を止める。


「止まれ!貴様何者だ!!」


 一瞬にして武器を構えた兵士たちが男を取り囲んだ。


「私の説法に水を差すとは…。どういう行為かわかっているのかね…?」


 今にも折れそうな弱腰の男は、ガタガタと体を震わせ口を開く。


「こ…この度、わたくしは、つ…罪を犯してしまいました…どうか、この場で懺悔を…」


 続けて話そうとする男を兵士たちは取り押さえる。


「黙れ!!枢機卿のお話を妨害することは風嵐神のお言葉を妨害することと同義…!貴様のやったことは異端審問の対象となるのだ!連行しろ…!」


 兵士の隊長らしき人物が取り押さえた男の連行を指示した。


「待て」


 枢機卿がそれを止める。


「はっ!!!」


 男の拘束が解かれ、地面へと叩きつけられる。


「勇気ある若人よ。そなたが持つ類まれなる神への信仰心に免じて、聞こうではないか。申してみよ」


 枢機卿は兵士を下がらせ、男の前へと進む。


「あ…ありがとうございます…」


 男は涙を流し、頭を地につける。


「私は…この度、殺しの…罪を犯してしまいました…」

「軽い言い争いから…小競り合いになり、カッとなって勢いで…」


 ジュドが辺りを見回すと行列を成していた大衆は男に冷酷な視線を向けていた。
 この風嵐都市は砂塵の都と違い、明確な戒律が設けられており、殺しや聖教への妨害は法典で禁忌とされているのだ。


「ほう…。殺しの罪を犯してしまったのか」

「違うのです…!私は殺すつもりなどなく、自分の身を守るために…!こんな私を…風嵐神様はお許しになられるでしょうか!」


 男は枢機卿の祭服の端を掴み、必死に赦しを乞う。
 兵士たちは黙って待機していたが男を枢機卿から引き剝がした。


「若人よ。私はそなたのようなものにこそ懺悔が必要だと思っている」

「枢機卿様…!」


 枢機卿は男に笑いかけ、膝を着く。


「そなたのように下劣で、醜悪な心を持つ大罪人に懺悔させ、自らの行いを悔い改めされるために…な」


「え…」


「連れていけ、死刑は免れんだろう」


 枢機卿は膝についたゴミを払い、立ち上がった後に隊列へと戻っていく。


「…ッ、枢機…卿、様…待って、下さ…い」


 暴れる男を再び兵士たちは取り押さえ、鎮圧する。
 それを見ていた大衆も男に罵詈雑言を吐き捨て、怒号を上げ始めた。

 砂塵の都では殺しは必ずしも悪ではなかったがこれが本来の…一般的な反応なのだろう。
 ジュドは殺しを犯した彼を見て、償うべきだと心で思いつつも、目の前に広がる信仰が団結した様子にどこか異質な恐怖を感じていた。


 突然、捕らえられていた男は笑い始める。


「…ッフ。ハハハ…」


 異変に気付いた枢機卿は振り返り、男へと尋ねる


「何がおかしい?」


 男は大きく息を吸い込み、吸い込んだ息を吐き出す。


「ゆ…許してください?ハハハ…。お前たちのような権力の犬に何で僕が赦しを乞わなきゃいけないんだ…?」



 ―ブシャァァァァァ。



 男を取り押さえていた兵士の首から噴水のように血が噴き出した。


「なに!?」


 さっきまでの弱々しい雰囲気は無くなり、一気に禍々しさを増したことにジュドは気付く。
 急に男が強くなったというより周りが弱くなったような、そんな違和感を感じる。
 男の手には兵士の剣が握られており、剣先からは血が滴り落ちた。


「きゃあああああああああ!!!」


 その光景を見た民衆は叫び声をあげ、その場から逃げ出していく。
 逃げ惑う人々によって起こる大混乱を無視して、男は話を続けた。


「僕はさっきお前に懺悔した。この都市の門番を皆殺しにしたから…。なのに、それをお前は許さなかった。僕を認めないやつも僕を蔑むやつも僕を許されないやつもみんな死ねばいいんだ」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」


 横たわった死体を何度も何度も斬りつける。


「…ふぅ。落ち着かないと…。計画があるんだった…」

「誰か!こやつを取り押さえろ!!」


 枢機卿は大衆に助けを求めるが、場を包む叫び声でかき消されてしまう。


「僕は邪神教、十二使徒・パルミリオ」

「この世で一番強いものがわかるか…?信仰心なんかじゃない…恐怖だ」


 男は枢機卿へと近付いていく。
 ジュドが助けに入ろうと飛び出しかけた時、パルミリオの背後にフードの男が現れた。


「ここで終わりだ」


 歪な形をした短剣はパルミリオの心臓を捉える。
 刺さった。そう思った瞬間、パルミリオは姿を消す。
 消えたのは姿だけでない、気配すらも一切感じなくなったのだ。


「嵐神教会、その頂点であるファルファレラ直属の精鋭部隊、〝聖騎士パラディン〟。事前に聞いていた通りの汚い集団だ。不意打ちを仕掛けて来るなんて」


 どこからともなく声が聞こえてくる。


「なるほど…君の能力ギフトは〝隠密インビジブル〟か。小賢しいその性格にお似合いの能力だ」


 聖騎士は自身の能力が使えなくなっていることに気付いた。


「僕は、一定範囲内にいる対象と自分の身体状況を入れ替えることができる。能力、〝勧悪懲善〟」


 聖騎士は武器を手に襲い掛かる。

 軽々と攻撃を躱された聖騎士をパルミリオの剣が貫く。


「もちろん、入れ替わるのは能力ギフトもだ」


 枢機卿との一部始終を隠れて見ていた聖騎士は判断を誤った。
 先ほどまでは確かに弱腰で、紛れもない弱者だった男を身体能力でねじ伏せられると考え攻撃に出たのが仇となったのだ。


「ま、誰とでも入れ替えるのは無理だけどね。使徒同士では無理だったし」


 パルミリオは本命の方へ向き直す。


「…次はお前だ」


 枢機卿は腰を抜かせて動けなくなっていた。


「貴様…私を誰だと…んゴ…」


 パルミリオは至福の表情で枢機卿の口内に剣を入れていく。
 初めは痛みで激しく暴れていたが、数秒もしない内に動きが止まる。


「ハハハハハ!!いい様だよ!!内臓が抉られる気持ちはどうだ!味わったことがないだろう!」

「はぁ…弱者をいたぶるのはさいっこうに楽しいな」


 いつ次の標的になるかわからない中でジュドは一旦退却してシャステイルと合流するか、このまま戦うかの二択を迫られる。

 目の前に現れた十二使徒。今ここで仲間がいない内に倒し、仲間の仇〝フィアンデルマ〟の居場所を聞き出すか…。だがもし、〝末の光〟が盗まれてしまったら…。
 まとまらない考えがジュドを苛む。

 突如、空間が裂ける。

 見覚えのあるその裂け目からは、ずっと探していた…あの宿敵が姿を見せた。


(十二使徒・フィアンデルマ…!!!)


「聖騎士は、殺した?」


 フィアンデルマは相変わらずの無表情でパルミリオに問いかける。


「…何の用?君が任されたのはここじゃなかったはずだけど」


 パルミリオは不機嫌そうな顔で答える。


「門番殺すの、遅い。やっと、入れた」


 必死に衝動を抑えていたジュドの考えが一瞬で変わる。
 水門都市で仲間を失ったあの時を彷彿とさせる途切れ途切れの口調にジュドの感情は臨界点を迎えていた。
 怒りを叫ぶよりも早く…足が動く。


「お前を、確実に…斬るッ!!」


 最短距離で駆けるジュドの剣は、十二使徒二人に気付かれる前に喉元へと到達する…はずだった。
 殺意に気付いたフィアンデルマの首があり得ない速度でこちらを向く。

 走馬灯のように遅く感じる緊迫の中、フィアンデルマは最速で自身の目の前に裂け目を開いた。
 ジュドは勢いよく駆け出してしまったことで、速度を落としきれずに裂け目へ吸い込まれてしまう。

 二人に遅れてパルミリオが動くが、その時にはすでに襲撃者は裂け目の中だった。


「急に開いたから、近くにしか、飛ばせてない。私が、追う。ここは、あなた」


 そう言い残し、フィアンデルマはジュドの後を追って裂け目へと飛び込む。
 裂け目が閉じ、中央通りには恐怖で腰を抜かせた何人の一般人とパルミリオだけが残った。


「チッ。あいつのせいで能力を奪い損ねたじゃないか」


 裂け目があった場所を睨む。


「まぁいいよ。僕は僕で楽しませてもらうから」


 震えた足を引きずり、何とか逃げようとする女を見つめて笑う。


「誰か…助けて」


 地面を這っている肘はすでにボロボロだった。涙を流しながら助けを乞うが周りには自分と同じように恐怖に屈した者しかいない。


「待ってよ、せっかくいいところだったのに。ここからが面白いんじゃないか」



「いや…やめて、いやあああああ!!」




      ◇ ◇ ◇ 




 風嵐都市の最奥にある巨大な塔、〝神拠《サラカリス・ビオトープ》〟。
 その最上階、風嵐神ファルファレラの御前に一報が入る。


「中央通りにて侵入者を確認。七翼の聖騎士《五席》・アルバス殿と枢機卿ヴィンセント様が襲撃により死亡しました」


 ファルファレラの左前、一人の女聖騎士が応答する。


「アルバスが殺られたのか!?」


 驚いた様子で聞き返す。


「そのように報告されております。現在も襲撃者は中央通りを進んでいる模様です」


 聖騎士へ神官兵が報告している中、最奥に鎮座する人物が口を開く。


「聖騎士の二、三、四席は件の敵を迎い撃て」


 その一言で全員が膝を着き、頭を下げた。


「かしこまりました…!今より我ら、神王陛下の元を離れ、敵を迎え撃ちに参ります」


 女聖騎士は命令を了承する。
 七翼の聖騎士《二席》・レイシア、七翼の聖騎士《三席》・ラクサーシャ、七翼の聖騎士《四席》・キルシュトの三名が〝神拠〟を後にする。



 




「〝あれ〟を使う」


 通路を急ぐレイシアはあるものを取り出した。


「万象の宝球」


 それは、アルバスが砂塵の都でエデルアルトから奪っていたものだった。
 砂塵の都で多くの魂を吸収した万象の宝球をレイシアは起動する。


「《天地崩壊の断裂オーダー・スプリット》」


 指定された対象は〝風嵐都市〟と〝十二使徒〟。
 大地が激しく揺れ、地形が大きく変わり始める。
 そして、轟音と共に風嵐都市一帯が眩い光に包まれた。

 万象の宝球の効果でそれぞれノースディア、ウエスディア、サウスディア、イースディアの四つに割かれた都市は、襲撃を仕掛けた五人の邪神教・十二使徒をも各地へ分断する。


「我々も急ぐぞ」


 変動した都市を上から眺め、三人は邪神教の元へと駆けていく。




      ◇ ◇ ◇ 




 万象の宝球発動後、パルミリオは地殻変動を気にすることなく拷問を楽しんでいた。


「ハハハハ…!!楽しいなこれ」


 しばらくの間、辺り一面に転がる人間を使って拷問をあれこれ試していたが、ついに最後の一人が息絶えてしまう。
 全身が返り血まみれとなったパルミリオは愉悦感を堪能していた。

 そこへ二人の影が上空から落ちて来る。


「お前が襲撃者か」


 聖騎士のレイシア、ラクサーシャが現地へと到着した。


「ここまで暴れておいて、ただで済むと思うな」


 レイシアは円形の盾と小型の槌を構え、ラクサーシャは背の大剣を抜く。


「ラクサーシャ、援護してくれ」

「わかった」


 打ち合わせをした後、二人はパルミリオに向かって駆け出す。


「何だよ…、僕の邪魔をするなよ」


 パルミリオはアルバスから奪った能力で姿を消した。
 レイシアはそれを見て驚く。


「アルバスの能力…!なぜ」

「レイシア、盾を構えろ」


 少し後ろのラクサーシャは、独特の形状をしたクレイモアを空に向けて掲げる。
 大剣は徐々に赤色の雷を剣身に宿し、周囲に落雷を見舞った。
 いきなり行動に出たラクサーシャの意図をレイシアは理解する。


「そのまま一帯を攻撃してくれ!!」


 レイシアは即座にラウンドシールドを構え、高い魔術耐性を持つその盾で雷撃から身を守る。
 雷が周囲を襲う中、レイシアは振り向き装備していたポーンシパルで背後を殴った。


「…ッぐ!!何でわかった…!!」


 ラクサーシャは雷を止め、すぐに追撃へと転じる。


「強力な範囲攻撃の中で、私とお前だけが雷撃に晒される。雷への対抗手段も持っていないであろうお前が向かう所など、盾で雷を防いでいた私の背後以外にない!!」


 反撃してきたパルミリオの剣をレイシアは弾き返す。


「止めだ…!!」


 ラクサーシャの雷を纏った刺突がパルミリオの肩を穿つ。


「かかったな、雑魚が」


 パルミリオの能力がラクサーシャを対象に発動した。
 肩を穿たれた状態からゼロ距離で奪った能力を行使する。


「《撃滅する紫電トニトルス》」


 生身同然となったラクサーシャを雷撃が襲う。


「ッ!!」


 着ていた鎧がある程度軽減してくれたものの、致命傷を負ってしまった。


能力ギフトで強化されてはずなのに何で耐えてるんだよ」


 パルミリオは指で電撃を出し、悔しそうに話す。


「《治癒の輝きウル・ヒーリング》」


 レイシアはすぐにラクサーシャを回復する。


「敵の能力、厄介だな…。能力の略奪か入れ替えのどちらかだろう」


「何か身体に変化はあるか?」


 レイシアはラクサーシャに問いかける。


「力がまったく入らない。この調子だと強化魔術をかけてギリギリ動けるくらいだ」

「身体能力も低下しているのか」


 ラクサーシャは自己強化を施した。


「さっきまでの威勢はどうしたの?ほら、来いよ」


 パルミリオは強い能力を奪ったことで調子に乗って煽る。
 レイシアが繰り出す盾と槌の連続攻撃を易々と躱すが、こちらの攻撃も向こうへ当たらない。

 加えて、能力が奪われ弱体化したはずのラクサーシャがレイシアの援護に回って攻撃して来る。
 パルミリオは苛立ちを覚えていた。


(あれからアルバスの能力を使って来ない。もしや…能力を奪える回数は一人につき一度?)


 レイシアは一向にラクサーシャ以外の能力を使わないパルミリオに疑問を抱く。


「《迅雷の魔術大槍エル・ブリッツランス》!」


 轟く稲妻の槍が二人へと放たれる。


「《絶対防御ファランクス》」


 レイシアは完全防御で魔術を受け止めた。


(クソッ…この女だ。この女が戦いづらい)

(さっきからチクチクと攻撃してきやがって…)


 パルミリオは能力の入れ替えをできずにいた。

 レイシアの能力ギフト〝攻城堅固〟の効果は、 〝盾を装備した際の身体能力の向上〟。
 守りを主体としたこの能力は騎士の家系に生まれた彼女にとってはバランスの取れた能力になっている。
 入れ替えを行ったとしてもニ対一のこの状況ではパルミリオにとって何の役にも立たないのだ。

 対するラクサーシャの雷を操る能力は比較的に扱いやすく、破壊力もある。
 まず、どんな能力かがはっきりとわからないレイシアの能力を奪うことにリスクがあり、仮に奪えたとしても今度はラクサーシャへ高火力の能力が戻ってしまう。

 パルミリオは意外にも刻一刻と窮地に立たされていた。


「そうだ…。女を殺せばいいんだ…先に、あいつを」


 能力を入れ替えようとした瞬間、レイシアは叫ぶ。


「今だ!!」


 目前の二人が何かを仕掛けて来ると警戒したパルミリオだが、突如死角から飛来した魔術矢に頭部を撃ち抜かれた。


「これだけ離れてれば能力も発動しないみたいだね」


 〝神拠サラカリス・ビオトープ〟の屋上から放たれた一撃。

 三人目の聖騎士がそこにいた。


「キリシュトに助けられたな」


 レイシアとラクサーシャは敵が絶命したことを確認する。

 キリシュトは〝千里眼〟を持ち合わせていた。
 生まれた時にはすでに片目の視力はなく、その分がもう一つの目に注がれた結果、千里眼と成り果てる。
 その千里眼の力と能力ギフトと掛け合わせ、超遠距離射撃を可能としていたのだ。


「十二使徒を侮っていた。神王陛下の元へ戻るぞ」


 レイシアとラクサーシャは〝神拠サラカリス・ビオトープ〟へと戻っていく。
 キリシュトもそれを見て、ファルファレラの元へと急いだ。

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