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生き残りを賭けた1週間
第1話 世界の変わった日
しおりを挟む《やぁ!僕の名はアスキアス、何処にでもいる神さ!》
「ぁ?」
俺……海月耶倶矢はその言葉に呆然とした。
その直後に此処が体育館ではないことに気付いた。
俺は某県某市の#済灘__すみなだ_#高校に通う2年生だ。
その2年生の中で俺は周りから嫌われる程醜いらしく、まともな友人がいなかった。
俺の家族は両親共に蒸発し、妹1人をバイトの掛け持ちで支えていた。しかし、その妹には嫌われている。
クラスメイト達に嫌われるのは別に構わない。
だが、クラスメイト達は俺を蔑ろにする癖に、行事や面倒な事になると俺に仕事を押し付けてくる。
妹が俺をどう思おうが構わない。
だが、両親に頼むと言われているため、妹が嫁に貰われて幸せになるまでは守り通したいのに、妹から友達を呼べないから出て行けとか、彼氏とエッチ出来ないから出て行け、と。
なにかと俺を家から追い出そうとする。
両親が蒸発した真実を知る俺からしてみたら、両親に頼まれなかったらとっくに出て行っていたと思う。
そんな辟易とした生活からどれ程逃げたいと思ったことか。
そんな最中、ある日の全校朝礼の時、体育館に全校生徒が揃う中、床に巨大な魔法陣が現れ……………………………………………この現状となった。
《そろそろ落ち着いたかな?
あぁ、急にこんな所に連れてこられて混乱してると思う。でもね、重要な措置なのさ。
君達の住む世界……地球はたった今、僕のいた世界……ダルタンドと合併してしまった。
その原因が邪王によるものだと判明した。邪王についてはあやふやでなんでも出来るの一言しか言えない。その邪王がそちらの世界の何処かにいるはずだ。何時とは言わないけど何時か倒したら本来の世界に戻るはず。
それで、君達を此処に半強制的に呼んだのは他でもない。ダルタンドの魔獣の大群が町中を活発に動いてる。君達だって殺されたくないだろ?
だから魔獣に対抗する力……ステータスとそれ相応の武具を渡す。この力は使いようによっては邪王に届きうる力だ。力に呑まれるな。呑んで理性的に使ってくれ。》
神を名乗るものから現状を教えられ、力……ステータスを渡すと言われた。
だが、釘を刺された。それは、ゲーム感覚で人を傷つけるなと言っているのだろう。
《よし、それじゃあ楽しいステータス設定を各自で考えようか!!!
今から身体を動かせる様にするけど暴れないでね?現状の問題は人類の存続がかかってるんだから。
あ、質問に関しては各自で教えてあげる。ん?この空間にいるのが済灘?高校の者だけか?ここ以外……僕以外の神々もこの事に関与して、ここ以外に君達と同じ世界に住む者達を避難しせてるよ。多分戻ったら色々と変化があると思う。それじゃあ、ステータスオープンって言うか念じて!後は各自で考えてね!それまで僕は他の神の様子を見てくるから!ほいっ!これで自由になったはずだから!》
俺たち以外の地球人はこの神とは別の神に保護されてるっぽい。
とにかく俺は念じた。
“ステータスオープン”
念じたら、目の前にホログラムが現れた。他の人も出ていた。
俺の今のステータスはこんな感じだ。
✲✲✲
海月耶倶矢・17歳・男・Lv.5
種族:人族
天職:---
職業:学生
HP:900/900
MP:1200/1200
VIT:1400/1400
ATK:90
DEF:50
AGL:120
INT:450
特技:---
技能:---
加護:---
称号:---
SP:10000
AP:10000
✲✲✲
である。
更にマニュアルがあって、それには
HP=生命力、MP=魔力、VIT=精神力
ATK=攻撃力、DEF=防御力
AGL=便乗力、INT=知識力
特技=特異技能
SP=ステータスポイント
AP=アビリティポイント
※特技に関しては人に合ったものが選別されているため、その中から最大五つ選べる。5個以下の者はAPが加算されている。
としか載って無かった。
まず、特技の所を押して俺固有の能力を得よう。
特技の欄をポチッと押すと開く。
俺が得れる特技は……
無質錬成
極少の魔力消費で任意の武具を生成する。MP消費量によっては神器も可能。
AP・850
双流
左右で異なる武具を扱える。しかし、両手で持つ物は大きさ相応のVITが必要。
AP・150
千里眼
隠蔽されたものを含めた全てを鑑定し、VIT消費量に応じて超長距離を見通し、物理や概念を含めて隔てる物の先を透視し、MPとVITの消費量に応じて過去・未来を見ることが出来る。
AP・1500
不老
老いを含めた全状態異常を無効化する。洗脳を受けたり、デバフを受けることが無い。だが、致命傷を負えば死ぬ事がある。
AP・2500
以上の4つだけだった。最後のAPは消費量だろう。……うん。全部取り寄せるは普通。
APを計5000も消費するのは痛手だが、相応のスペックは誇る。
次に技能を開こうか。
技能の欄をポチッと押す。すると、ズラリと文字の羅列があり、読むのが面倒くさくなった。
剣術、槍術、弓術、斧術、棍術、杖術
棒術、体術、銃術、盾術、暗殺術
火魔法、炎魔法、火炎魔法、神焔魔法
水魔法、氷魔法、水氷魔法、神海魔法
風魔法、雷魔法、風雷魔法、神天魔法
土魔法、鉄魔法、土鉄魔法、神重魔法
光魔法、聖魔法、光聖魔法、神聖魔法
暗魔法、闇魔法、暗闇魔法、神焉魔法
経験値二倍、経験値五倍、経験値十倍
経験値二十倍
鑑定、隠蔽、索敵、
気配察知、気配遮断、魔力察知、魔力遮断、罠察知、罠遮断
全属性耐性、神性耐性、重々耐性、
火耐性、炎耐性、水耐性、氷耐性、
風耐性、雷耐性、光耐性、聖耐性、
暗耐性、闇耐性、毒耐性、麻痺耐性、
睡眠耐性、洗脳耐性、精神耐性
魔力操作、魔力耐性
とある。
武術系は全部初期段階だけしかなく、AP消費量は5だ。俺は特技で双流があるため、全部取っておく。
550減って残りが4450。
魔法系は全四段階あり、火魔法は1で炎魔法は10と、1段階上に上がる毎に十倍増える。
あと、経験値も同じ。
その中から、APを60支払って、各属性2段階目を取る。経験値は奮発して1000支払うことで経験値二十倍を取る。残りAP・3390。
察知遮断系は全部20ずつなので全てとる。
耐性は各耐性が30で、全属性耐性と神性耐性が100。
俺は、不老によって状態異常が無効化するのでこれは取らない。
魔力系は両方150なので取る。
次に加護……と行きたいのだが、これは次の称号と同じで、自分で決めるものではない気がする。
一応押してみたが、やはり反応はしなかった。
称号もだ。それなら天職と種族に行こう。
ポチッとな!
双操士new!
異なる動作を同時並行出来る猛者。全武術と属性を手に入れると開花する。
剣聖、賢者、勇者、聖女、闘士…………
あ、はい。そいつが合うと言いたいのですね。素直にそうします。
人
人族、小人族、巨人族
獣
犬人族、猫人族、狼人族、虎人族
狐人族、獅子人族、熊人族、龍人族
精
サラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ドワーフ、エルフ、インプ、スプリガン、ケット・シー
とある。この中から選ぶのか。ん?ハーフも可能か。
素早さ特化で行きたいから全体的に見てスピード寄りの狐人族と魔力系隠密系共に良いケット・シーのハーフにするか。
残り1590ポイント。
残りはステータスに割り振……れない。APはアビリティ……技能の獲得や強化にしか使えないっぽい。
とりあえずSPを割り振るか。
✲✲✲
海月耶倶矢・17歳・男・Lv.5
種族:狐精族
天職:双操士
職業:学生
HP:2900/2900
MP:3200/3200
VIT:3400/3400
ATK:1100
DEF:1000
AGL:3120
INT:500
特技
無質錬成
双流
千里眼
不老
技能
剣術Lv.1 槍術Lv.1
弓術Lv.1 斧術Lv.1
棍術Lv.1 杖術Lv.1
棒術Lv.1 体術Lv.1
銃術Lv.1 盾術Lv.1
暗殺術Lv.1
炎魔法Lv.1 氷魔法Lv.1
雷魔法Lv.1 鉄魔法Lv.1
聖魔法Lv.1 闇魔法Lv.1
経験値二十倍Lv.1
気配察知Lv.1 気配遮断Lv.1
魔力察知Lv.1 魔力遮断Lv.1
罠察知Lv.1 罠遮断Lv.1
魔力操作Lv.1 魔力耐性Lv.1
加護
太陽神の加護・精霊王の加護
称号
天照の現身
SP・0
AP・1590
✲✲✲
だいたいこんなもんか。皆はまだ悩んでいる様だし、これで登録して、少しでも力に慣れるためにアビリティを試したりするか。
《ただいま!んぉ?皆真剣に悩んでるね~。まぁ将来に関わる物だから真剣なのは当たり前か。1人出来てるようだね。…………はい!登録完了。あ、姿はもう代わってるから確認したかったら鏡よ!って念じてね?》
言われた通りに念じたら、手元に手鏡が届いた。
それを覗いたら、美少女がいた。
「待て。」
もう一度確認する。やはりそこには美少女がいた。
前の俺は黒髪黒目の中背中肉。筋力は上々、何処にでもいるようなモブ1だった。
それが今や、砂金の様にサラサラとした腰辺りまである長髪、やや眠たげな半目を開く紅い瞳、顔立ちは10人中15人が振り返る程の美少女となっていた。
咄嗟に股に手を添えたら、きちんとあったため、男なのは確か。
背丈は前より若干低く、身体は華奢で肌は色白。臀部には1つのフカフカとした尻尾があった。あ、これは癖になる。って、消せるのかよ。
精霊でもあるからか、体の一部を霊体に出来た。これなら戦闘時に邪魔にはならない。
頭の上にある突起物も俺の感情に併せてピコピコ動くから面白い。
それじゃあ早速慣らしに動きますか。済灘の皆が邪魔だったので少し離れた位置に移動して動く。
無質錬成でギミック入の2mの木棒を創る。魔力消費量は1だ。
俺は早速動く。
まずは突き、引いて突きから薙ぎ払い。それを続けたら、槍術のレベルが1つ上がった。
空想相手の薙ぎ払う蹴りを躱して槍を三節棍に変形させて近距離で突く様に動き、そこで武具を剣と鎖鎌にして動く。
しばらくしたら、神から声がかけられた。
《おし、これで全員登録したね。それから、みんなに言うことがあるんだけどさ、ゲーム感覚でしてたら直ぐに死んじゃうからね?先に言うけど最初、召喚される直前までいたところにしか戻せない。これは不変だからね?
そして、君達はこれからちゅーとりある?とかいってゴブリンを倒す!て、息巻いてるけど、君達のいた体育館だっけ?そこには黒龍が占領してるから、まずは逃げ切ることをオススメする。
それじゃあ、君達の先に幸がありますように!》
急速に済灘高校の者達からステータスなどによる熱気が覚めたところで元いたところに飛ばされた。
そこには、俺たちが来ることが分かってたのか、仁王立ちした黒龍。
「う、うわぁあぁぁぁぁぁあ!?!?!?」
1人の悲鳴と共に悲劇は始まった。
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