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13話(幕間①)-なんでもない話
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学園内で、よくアルザードとアイリスがふたりで並ぶ姿を見つけるようになった。彼女の天真爛漫さに、アルザードがほだされているのか、それとも、払うのすらわずらわしいから側にいさせてやっているのか、それは定かではない。
ただ、アルザードが特定のだれかと共にいるような状況というのは、入学以来ほとんど初めてだったらしく、一学年上の私の元まで、不穏なざわめきが漂っていた。アルザードに袖にされ続けた人間たちからしてみれば、面白くないだろう。
アルザードが、アイリスを見る。
見つめる、というほど強くはないが、かといって視界から外しているわけでもない。なるほどたしかに、珍しい。私に向けるには無機質な、それでいて他者に向けるほどには険のないそれに、ヒロインの強さを見た気がした。
「……あれ、どう思う?」
一日の講義の終わり、すれちがいざま。さりげなさをよそおって声をかけてきたのは、シュウェルツだった。
回廊のなか、中庭のベンチ。黒とピンクのふたりが、なにかを会話しながらたたずんでいる。一つの本を覗きこんで、なにかを言い合っている。おおかた、講義についてのなにかしらをアルザードが教え伝えているのだろうけれど、まさかあの書庫の日以来、ずっとそうしてやっているとでも言うのか。あのアルザードが。
なんだか笑えてきて、愉快な気持ちのままかれの問いへといらえを返した。「恋じゃないですか?」愉快であったはずなのに、ふしぎとうまく、声に感情が乗らなかった。
廊下の柱にもたれながら、シュウェルツはこちらをちらと見た。私ははやく寮にでももどって身体を休めたい気分だったのに、かれはまだ喋り足りないらしい。このひとがこうして人目のあるところで声をかけることはなかなかないし、それほど異様な光景に映っているのかもしれなかった。
「どっちが?」
「……さあ。どちらでしょうね」
判然としない口調の私に、かれはなおも問いを重ねた。
「きみ自身はあれをみて、なにを思うの?」
「なに、とは……」
「きみにとって、よろこぶべき光景ではない?」
アルザードの執着を、大なり小なり悟っていて、なおかつ私のアレへの嫌悪を知っているからの問いだった。私は隣にならんだそのひとの横顔を眺めながら、自分の心と向き合う。喜んでいるように見えないのか、私は。だとしたらそれは、前の生のわたしの影響だろう。
おだやかな金の髪が、風に揺れた。
「アルザードは、こう、潔癖だと思っていたな。きみ以外を寄せられないのかと」
「そんなわけないでしょう」
「うん。そうみたい。でもきみはしらないだろうけど、きみが復学するまえの彼は、ずいぶんとこう……ひどかったよ」
「ひどい……?」
「まあ、俺にもいろいろと、……」
言葉を濁しながらも、おうつくしいひとみが、ほそめられる。
にこりと、完璧な笑顔。すべて計算され尽くしたようなそんな顔が、私ではなく、とおくにいるアルザードのほうに向いていた。……かがやかしいばかりの笑顔なのに、目が笑っていない気がする。
「……なにかあなたにご迷惑でも……?」
「うん? どうだろうねえ」
「……申し訳ありません」
「どうしてきみが謝るのさ。……ああでも、きみのせいでもあるのか」
元婚約者というだけで、目の敵にされていたから、とかれはいった。
「そうだな、じゃあ……仕返しといこうか。きみにひとつ意地悪を言ってもいい?」
かれはさっと周囲を見渡して、声が拾えるほどちかくに、誰もいないことを確認して、私の耳元にくちびるを近づける。ふんわりとお日さまみたいなにおいが香った。よろしくない距離感だった。
……アルザードがこちらに気付かないといい。
「俺が、きみと再会した日、あるだろう。きみに復学を持ち出した日。あの日、俺たちの距離がこれくらいになったの、おぼえてる?」
「……もちろん」
腕を引かれた、あのときのことだった。
なにを言い出すのか見当つかず、むしろ私の方が首をかしげたかった。かれの瞳を見ようにも、この近い距離で向いては、まるで恋人のように見られそうで、なんともない表情を浮かべながら、かれの言葉を待つほかなかった。近距離にほかにひとがいないといっても、視認できるところにはアルザードや、ほかの生徒だっているのだ。露骨にこちらを見てくることはないが、その存在をまるごと無視できるほど、かれの地位はやさしいものでもない。くだらない噂が流れるのはごめんだった。
「あのとき、きみからライラックの香りがしたよ。アルザードの香りだ。……きみたち、もしかして姉弟で寝ているの?」
「……っ」
私がばっと振り向いたときには、彼はへらりと笑ってあっさりとその近さを手放した。
「図星だった?」
「そんなわけ!」
下世話なそれに、顔に熱がこもる。
かれの言っていることが、子供二人が横並びになるような「寝る」をさしていないのは、私にだってわかる。冗談めかしているけれど、そのアクアマリンがどこか真剣な光をたたえているのだから、多少はその可能性を考えているに違いなかった。
そんな、アルザードとそんな関係にあると想像されているだけで、気分が悪い。
「わ、私がどれほどあれのことを毛嫌いしていると……!」
「それはしっているけど。向こうはそうでもないようだし、それに、恋とか愛ってそう簡単なものでもないよ」
「わ、わかったような口をお利きになる……! ……あなたにもそういう相手がいらっしゃるのかしら!」
「今日はずいぶん話題変更が下手だね? まあ意地悪をしすぎる趣味もないから、流されてあげるけど……。残念だねヴィオレット。俺はきみよりは情緒がわかっているつもりだよ。……まあいまのところ熱烈な恋や愛をだれかにささげるつもりはないし、そんなもの時間と労力の無駄だとも思うけれど」
こんな冷めた人に恋や愛を理解できるわけないだろうという思いは、しかし言葉にはしない。かれの投げかけた爆弾を処理するのに必死だった。
何度か深呼吸して、さきほどのたかぶりを落ち着かせる。こんな慌てよう、第三者に見せてもいいものではないだろう。思わずあげてしまった声に、視線が集まったのを自覚している。
「……ああ、アルザードがこちらに気付いた。いい暇つぶしになったし、俺はそろそろ退散しようかな」
私の心をざわめかせるだけざわめかせて、かれはあっさりと去ろうとする。しかもあれを暇つぶしとは、性が悪いにもほどがある。私が文句のひとつでも言おうかと迷っているうちに、かれは廊下のさきへ向かってしまうし、それから少しも経たず、アルザードは微笑をたたえて、私の前に現れた。アイリスを中庭に残したまま。
それは芝を踏みしめてはいるが、私のいる石造りの回廊まで踏み込んではこなかった。
「殿下と仲が、よろしいようで」
人目のおかげか、よい弟の仮面をかぶっていたが、ねとりとした執着は見え隠れしていたので、思いきり顔をしかめてやる。
「……おまえこそ、アイリスを放って私になんの用?」
「姉さまと話すのに、理由が必要ですか?」
「私も王子さまと話すのに理由が必要だとは思えないわ」
「……口が達者でいらっしゃる」
さきほど、シュウェルツといたときほどの注目は浴びていないが、それでも、これを罵倒するには周りに人が多すぎた。アルザードは私の前から退く気配はなかったし、私がここから去ることも認めがたいのか、その強いまなざしを、離そうともしなかった。
……その黒曜の瞳のなかに私を閉じ込めるだけで満足してくれればよいものを、どうしてそれができないのだろうか。
しかたなしに、こちらもまた、少しだけは姉の皮をかぶってやろうと、適当な話題を口にする。
「……そういえば、お父様から手紙が来たわ。おまえがきちんと休暇中に戻ってくるよう、私からも伝えてくれと」
「そういうときばかり姉さまを使うのですね、都合が良くて反吐が出ません?」
「おまえよりはマシ」
「手厳しい」
くすくすと笑うアルザードは、機嫌がいいのだか、悪いのだか。これはすぐに考えが変わるし、その言葉尻からも感情はうまく読み取れなかった。反吐が出るかと問うくせ、私は、この男が父に対して嫌悪を抱いているのかどうかすら、しらない。
「帰りますよ、きちんと。だって姉さま、学園はやはりひとが多すぎるそう思いませんか?」
わずらわしいことに、とそれは風に乗せて、私にのみ聞こえる声量で告げる。
す、とアルザードの腕が伸ばされ、私の長い髪をひとふさ持ち上げる。感触を楽しむようにしてそれを撫ぜ、また、さらさらと落とす、そのさま。陽にあたってきらりとかがやく白髪を、やはり、いとおしそうに眺めるのだ。
「このていどの触れ合いがせいぜいなのは、どうにもね」
「……これ、すら、どうかと思うけれど?」
「姉さまは僕にしねとおっしゃるのか。髪の先にくちづけないだけ、ほめてほしい」
だれに聞かれるともわからぬのに、はばからない。私はこれのこういうところが嫌いだったし、うとましいと思っていた。それを察していないはずもないのに、どうしてこれは私を逆なでするようなことばかりするのだろうか。
「そろそろ、解放してくれる。はやく寮に戻りたいの」
「……僕を先にみつけたのは、あなたのほうなのに?」
「……」
「……しかたないですね。僕はいい弟なので、姉さまの言うことをきいてあげる」
無言の視線の攻防にそれは肩をすくめ、一歩私から距離を取った。
しかして私を見送るつもりなのか、それ以上動くこともない。ただ、はりつけた笑顔、そのなか、細められ瞳、わずかにのぞくそこから、隠しきれない熱さを、私に注いでいた。
それが、弟の顔かよ。
ただ、アルザードが特定のだれかと共にいるような状況というのは、入学以来ほとんど初めてだったらしく、一学年上の私の元まで、不穏なざわめきが漂っていた。アルザードに袖にされ続けた人間たちからしてみれば、面白くないだろう。
アルザードが、アイリスを見る。
見つめる、というほど強くはないが、かといって視界から外しているわけでもない。なるほどたしかに、珍しい。私に向けるには無機質な、それでいて他者に向けるほどには険のないそれに、ヒロインの強さを見た気がした。
「……あれ、どう思う?」
一日の講義の終わり、すれちがいざま。さりげなさをよそおって声をかけてきたのは、シュウェルツだった。
回廊のなか、中庭のベンチ。黒とピンクのふたりが、なにかを会話しながらたたずんでいる。一つの本を覗きこんで、なにかを言い合っている。おおかた、講義についてのなにかしらをアルザードが教え伝えているのだろうけれど、まさかあの書庫の日以来、ずっとそうしてやっているとでも言うのか。あのアルザードが。
なんだか笑えてきて、愉快な気持ちのままかれの問いへといらえを返した。「恋じゃないですか?」愉快であったはずなのに、ふしぎとうまく、声に感情が乗らなかった。
廊下の柱にもたれながら、シュウェルツはこちらをちらと見た。私ははやく寮にでももどって身体を休めたい気分だったのに、かれはまだ喋り足りないらしい。このひとがこうして人目のあるところで声をかけることはなかなかないし、それほど異様な光景に映っているのかもしれなかった。
「どっちが?」
「……さあ。どちらでしょうね」
判然としない口調の私に、かれはなおも問いを重ねた。
「きみ自身はあれをみて、なにを思うの?」
「なに、とは……」
「きみにとって、よろこぶべき光景ではない?」
アルザードの執着を、大なり小なり悟っていて、なおかつ私のアレへの嫌悪を知っているからの問いだった。私は隣にならんだそのひとの横顔を眺めながら、自分の心と向き合う。喜んでいるように見えないのか、私は。だとしたらそれは、前の生のわたしの影響だろう。
おだやかな金の髪が、風に揺れた。
「アルザードは、こう、潔癖だと思っていたな。きみ以外を寄せられないのかと」
「そんなわけないでしょう」
「うん。そうみたい。でもきみはしらないだろうけど、きみが復学するまえの彼は、ずいぶんとこう……ひどかったよ」
「ひどい……?」
「まあ、俺にもいろいろと、……」
言葉を濁しながらも、おうつくしいひとみが、ほそめられる。
にこりと、完璧な笑顔。すべて計算され尽くしたようなそんな顔が、私ではなく、とおくにいるアルザードのほうに向いていた。……かがやかしいばかりの笑顔なのに、目が笑っていない気がする。
「……なにかあなたにご迷惑でも……?」
「うん? どうだろうねえ」
「……申し訳ありません」
「どうしてきみが謝るのさ。……ああでも、きみのせいでもあるのか」
元婚約者というだけで、目の敵にされていたから、とかれはいった。
「そうだな、じゃあ……仕返しといこうか。きみにひとつ意地悪を言ってもいい?」
かれはさっと周囲を見渡して、声が拾えるほどちかくに、誰もいないことを確認して、私の耳元にくちびるを近づける。ふんわりとお日さまみたいなにおいが香った。よろしくない距離感だった。
……アルザードがこちらに気付かないといい。
「俺が、きみと再会した日、あるだろう。きみに復学を持ち出した日。あの日、俺たちの距離がこれくらいになったの、おぼえてる?」
「……もちろん」
腕を引かれた、あのときのことだった。
なにを言い出すのか見当つかず、むしろ私の方が首をかしげたかった。かれの瞳を見ようにも、この近い距離で向いては、まるで恋人のように見られそうで、なんともない表情を浮かべながら、かれの言葉を待つほかなかった。近距離にほかにひとがいないといっても、視認できるところにはアルザードや、ほかの生徒だっているのだ。露骨にこちらを見てくることはないが、その存在をまるごと無視できるほど、かれの地位はやさしいものでもない。くだらない噂が流れるのはごめんだった。
「あのとき、きみからライラックの香りがしたよ。アルザードの香りだ。……きみたち、もしかして姉弟で寝ているの?」
「……っ」
私がばっと振り向いたときには、彼はへらりと笑ってあっさりとその近さを手放した。
「図星だった?」
「そんなわけ!」
下世話なそれに、顔に熱がこもる。
かれの言っていることが、子供二人が横並びになるような「寝る」をさしていないのは、私にだってわかる。冗談めかしているけれど、そのアクアマリンがどこか真剣な光をたたえているのだから、多少はその可能性を考えているに違いなかった。
そんな、アルザードとそんな関係にあると想像されているだけで、気分が悪い。
「わ、私がどれほどあれのことを毛嫌いしていると……!」
「それはしっているけど。向こうはそうでもないようだし、それに、恋とか愛ってそう簡単なものでもないよ」
「わ、わかったような口をお利きになる……! ……あなたにもそういう相手がいらっしゃるのかしら!」
「今日はずいぶん話題変更が下手だね? まあ意地悪をしすぎる趣味もないから、流されてあげるけど……。残念だねヴィオレット。俺はきみよりは情緒がわかっているつもりだよ。……まあいまのところ熱烈な恋や愛をだれかにささげるつもりはないし、そんなもの時間と労力の無駄だとも思うけれど」
こんな冷めた人に恋や愛を理解できるわけないだろうという思いは、しかし言葉にはしない。かれの投げかけた爆弾を処理するのに必死だった。
何度か深呼吸して、さきほどのたかぶりを落ち着かせる。こんな慌てよう、第三者に見せてもいいものではないだろう。思わずあげてしまった声に、視線が集まったのを自覚している。
「……ああ、アルザードがこちらに気付いた。いい暇つぶしになったし、俺はそろそろ退散しようかな」
私の心をざわめかせるだけざわめかせて、かれはあっさりと去ろうとする。しかもあれを暇つぶしとは、性が悪いにもほどがある。私が文句のひとつでも言おうかと迷っているうちに、かれは廊下のさきへ向かってしまうし、それから少しも経たず、アルザードは微笑をたたえて、私の前に現れた。アイリスを中庭に残したまま。
それは芝を踏みしめてはいるが、私のいる石造りの回廊まで踏み込んではこなかった。
「殿下と仲が、よろしいようで」
人目のおかげか、よい弟の仮面をかぶっていたが、ねとりとした執着は見え隠れしていたので、思いきり顔をしかめてやる。
「……おまえこそ、アイリスを放って私になんの用?」
「姉さまと話すのに、理由が必要ですか?」
「私も王子さまと話すのに理由が必要だとは思えないわ」
「……口が達者でいらっしゃる」
さきほど、シュウェルツといたときほどの注目は浴びていないが、それでも、これを罵倒するには周りに人が多すぎた。アルザードは私の前から退く気配はなかったし、私がここから去ることも認めがたいのか、その強いまなざしを、離そうともしなかった。
……その黒曜の瞳のなかに私を閉じ込めるだけで満足してくれればよいものを、どうしてそれができないのだろうか。
しかたなしに、こちらもまた、少しだけは姉の皮をかぶってやろうと、適当な話題を口にする。
「……そういえば、お父様から手紙が来たわ。おまえがきちんと休暇中に戻ってくるよう、私からも伝えてくれと」
「そういうときばかり姉さまを使うのですね、都合が良くて反吐が出ません?」
「おまえよりはマシ」
「手厳しい」
くすくすと笑うアルザードは、機嫌がいいのだか、悪いのだか。これはすぐに考えが変わるし、その言葉尻からも感情はうまく読み取れなかった。反吐が出るかと問うくせ、私は、この男が父に対して嫌悪を抱いているのかどうかすら、しらない。
「帰りますよ、きちんと。だって姉さま、学園はやはりひとが多すぎるそう思いませんか?」
わずらわしいことに、とそれは風に乗せて、私にのみ聞こえる声量で告げる。
す、とアルザードの腕が伸ばされ、私の長い髪をひとふさ持ち上げる。感触を楽しむようにしてそれを撫ぜ、また、さらさらと落とす、そのさま。陽にあたってきらりとかがやく白髪を、やはり、いとおしそうに眺めるのだ。
「このていどの触れ合いがせいぜいなのは、どうにもね」
「……これ、すら、どうかと思うけれど?」
「姉さまは僕にしねとおっしゃるのか。髪の先にくちづけないだけ、ほめてほしい」
だれに聞かれるともわからぬのに、はばからない。私はこれのこういうところが嫌いだったし、うとましいと思っていた。それを察していないはずもないのに、どうしてこれは私を逆なでするようなことばかりするのだろうか。
「そろそろ、解放してくれる。はやく寮に戻りたいの」
「……僕を先にみつけたのは、あなたのほうなのに?」
「……」
「……しかたないですね。僕はいい弟なので、姉さまの言うことをきいてあげる」
無言の視線の攻防にそれは肩をすくめ、一歩私から距離を取った。
しかして私を見送るつもりなのか、それ以上動くこともない。ただ、はりつけた笑顔、そのなか、細められ瞳、わずかにのぞくそこから、隠しきれない熱さを、私に注いでいた。
それが、弟の顔かよ。
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